切手集めは定年後にぴったりの趣味!始め方と注意点【趣味】

最終更新日:2017年8月11日

日本のみならず、世界でも切手収集を趣味にしている人はゴマンといて、コレクション趣味の王道を行くのが切手集めです。

一枚一枚はそんなに高くないし、たくさんの種類が発行されているので、長く趣味として続けられそう。
そう考えた方は、正解です。

思い立ったはいいけれど、何をどこから手をつけていいのやら、
いざとなるとわからないものです。

1.切手集めに必要なもの

どんなコレクションにするのかにもよりますが、初心者の場合、とりあえず手に入れておきたいのは「切手帖」。
集めた切手を整理保管するためのストックブックです。

多くは見開きの冊子のようになっており、そこに切手を一枚ずつ差し込んで並べられるようになっています。
安いもので五百円から、大きなものでも数千円で、値段によってサイズと収納枚数が異なります。

切手は素手で触ると汚れたり、角が折れたりします。
コレクションはできるだけ美しい状態に保ちたいので、切手をつまむ専用の「ピンセット」があるとよいでしょう。

医療用や実験用のピンセットとは異なり、先端が幅広、平べったい形状で切手を傷つけません。
安いものなら百円代、千円出せばいいものが手に入ります。

初心者ならまずはこの2つだけでOK。
上級者向けになると、切手帖ではなく専用のフォルダや、一枚ずつでなく切手シートごと収納できるファイルなどもありますが、そこまでの必要はないでしょう。

これらは切手・コインの専門店のほか、大手百貨店の文房具売り場で購入できますし、
もちろんネットショッピングでも簡単に入手可能です。

2.切手はどこで買う

切手を買うなら郵便局と相場が決まっているようなものですが、趣味の収集家ともなるとそれだけでは終わりません。
もちろん郵便局で買うこともできますが、記念切手、特別切手などは発売期間が決まっていたり、必ずしも郵便局でいつでも手に入るとは限りません。

郵便局では記念切手などの発売日を壁に貼っていたり、印刷物として配っていますので、実際に足を運び探して見ましょう。
みつからない場合でも局員に尋ねれば教えてくださいます。

また「日本郵趣協会」のホームページなどで情報を入手する方法もあります。
普段の郵便でよく使われる普通切手なら、いつでも郵便局や切手販売を委託されているお店で買うことはできますが、コレクターはそんなありきたりの切手ではすぐに物足りなくなります。

やはりめずらしい切手、特別な切手がほしいもの。
その場合は記念切手の発売日を調べておき、売り切れにならないうちに購入したいもの。

切手は一枚からでも売ってくれますので、ご心配なく。
新しく発行される切手はいいけれど、過去に出たものはどのように手に入れればいいのでしょう。

郵便局の窓口で、以前に出た記念切手はまだ残っているか訊いてみるのも方法のひとつです。
しかしこの方法でほしい切手は必ず手に入るとも限りません。

この場合には、切手専門店で購入することが可能です。
ただし、切手の額面よりは少し高い値段がついていることがほとんどです。

店舗で購入できるのはもちろん、通信販売やネット販売も行っています。
専門店以外では、東京目白の「切手の博物館」や墨田区押上の「郵政博物館」などに足を運ぶこともいいでしょう。

また、どんなコレクション趣味にも共通することですが、ネットオークションで購入するというのもひとつの方法です。
比較的安く多くの種類を手に入れることができますが、価値を知らないと高い買い物をするはめになりかねません。

一方で、切手収集を途中でやめた人が意外なほど安値でたくさんの切手を出品しているケースもあります。

3.買わないで集める

世知辛い世の中ですから、お金をかけないで集める方法はないものか、と考える人がいても不思議ではありません。
手っ取り早いのは、自宅や職場に届く郵便物から切手を集める方法もあります。

この場合、切手には消印が押されていますから、未使用の切手に比べて価値はさがるものの、タダで手に入るのは魅力です。
なお、使用済み切手を集めてこれを海外へ医療援助に使うケースもあります。

つまり、使用済みであっても、なにかしらの価値はあるということです。
ただし、普通切手が中心になりますし、近年主流になりつつある印刷方式のスタンプですと切手のようなデザイン性にとぼしく集めるよろこびには欠けます。

第一、メールや携帯電話のメッセージ機能の普及で、郵便そのものが減っているという事実も切手趣味には逆風です。
それでも職場によっては、思いがけず海外の切手が手に入ったりしますので、チェックはしてみるものです。

買わないで交換するという方法で切手を集めることも可能です。
同じ趣味を持つ者同士がサークルを作り、お互いのコレクションのなかから交換をします。

これなら自分の不要な切手を、別の切手に取り替えることができます。
この場合、自分のコレクションのなかに他人のほしがる切手がないとどうにもなりません。

初心者にはあまりメリットはないかもしれません。

4.切手カタログを使う

切手収集は果てのない趣味です。
過去に発行された切手に加え、これから先も郵便制度がなくならない限り新しい切手は登場し続けます。

いったいこれまでにどれほどの切手が発行されたのかを知るには、毎年、日本郵趣協会が発行する「さくら切手カタログ」が便利です。
一般書店でも並んでいますし、専門店、ネット書店などでも入手可能です。

ここには日本で過去に発行された切手が網羅され、基本データのほか、未使用の場合の価値、使用済み(消印捺印)の価値などが記載されています。
カタログはこのほかにもいくつか発行されていますので、使いやすいものを買い求めるといいでしょう。

これで過去にどんな切手が発行されて、今はどのくらいの価値なのか、その目安がわかります。
もちろん世界各国で切手は発行されていますので、国々で同じようなカタログが出版されています。

日本郵趣協会やその他専門店、博物館などで購入するか、ネット通販などで手に入ります。
外国語の読める方ならきっと楽しめますし、外国語ができなくっても世界各国の美しい切手、めずらしい形状の切手を眺めているだけで時間のたつのを忘れます。

5.切手で自分の世界を作り、極める

日本だけでもこれまで数え切れないほどの切手は発行されており、これが世界中となると想像がつかない数になるでしょう。
そのすべてを集めきることはとうてい不可能です。

人の寿命には限りがあるのに、切手は未来にわたって発行され続けます。
ですから、最初からすべてを集めることを目指さずに、自分の興味あるジャンルにしぼるというのがひとつの方法です。

歴史好きなら、歴史上の人物の肖像切手がよいでしょう。
旅行が趣味なら日本あるいは世界の風光明媚な景色の切手があります。

犬好きなら犬の切手を、花が好きなら花の切手。
日本の地方地方が独自に発行する切手で日本一周も楽しいでしょう。

名画を図案した切手を集め、手のひらサイズの美術館をこしらえるのもよし。

どんなジャンルでも切手の図案にならないものはありません。
めずらしいところでは、旧琉球王国で発行された琉球切手や、旧日本軍が通信の際に使った軍事切手などは、すべてを集めつくすこともできそうです。

森羅万象いかなる事柄も切手にならないものはなし、自分の好きなジャンルを定め、極めていくというのもコレクションのよろこびです。

6.切手を売る

買った切手を売ることもできます。
人によっては投機のために切手を集めることすらあります。

1970年代に日本で切手ブームが起きたときは、記念切手発売日に郵便局の前に朝早くから行列ができました。
一枚、二枚ではなく、1シート単位で購入する人が多数いたものです。

また、「見返り美人」や「月に雁」といった切手は高い値段で取引されたと、聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。
切手はやがて額面以上の価値が出るために、このようなことも起きたのです。

現在でも、自分のコレクションした切手を売ることはあります。
コレクター同士での売り買い、切手専門店での買取、ネットオークションでの個人売買などがその主な方法です。

相場については、先ほどの「切手カタログ」での情報がある程度の目安になりますし、専門店では買取価格をホームページなどで公表しているケースもあります。
その価格は、他の趣味のジャンルと同様に、需要と供給によって決まります。

誰もがほしがるけれど、数の少ない切手は高額です。
郵便発祥の国、イギリスで最初に発行された切手など、べらぼうな価格がつきます。

逆に、ありふれた誰も持っているような切手は価格は安く、新しい普通切手などには額面と同額というものもあります。
ありふれた切手であっても、印刷のズレや上下さかさまといった、いわゆる「エラー切手」ですと思いがけず高値がつけられています。

いずれにしろ、切手を手放すときには、相場を調べたうえで納得できる値段で売りたいものです。

多様な楽しみ方がある切手集め

切手集めほど簡単に始められ、奥の深い趣味はありません。
それだけに世界中で多くの人が趣味にしており、コレクションの筆頭といえるでしょう。

幅広く、奥深く、いつまでも続けられる。
そのくせ費やす金額はほかの趣味ほど高くない。

体力も必要なく、老若男女を問いません。
だからこそ、多くの人が趣味にします。

今から始めても、極められるかどうか・・・そんな心配は不要です。
頂上に立つ必要などありません。

自分の好みに応じた、自分だけの世界を小さな切手のなかに築いていく。
その過程が目に見えて楽しいのです。

まずは一枚。
最初の一枚を買ってみましょう。

いいえ買わなくってもかまいません。
手元に届いた封書から切手をそっとはがしてみる。

その一枚があなただけの世界を作る最初の一歩です。