健康麻雀で脳と指先を同時に使って認知症予防!始め方と注意点

最終更新日:2017年11月1日

シニア世代の人は若い頃と比べて体力の低下を痛感する場面が増えますが、脳も同様に若い頃よりも衰えがちです。

認知症のリスクも高くなっているシニアの間で、頭の体操にもなる健康麻雀がここ数年ブームとなっています。

1.脳を鍛えて認知症を予防

麻雀と言えば多くの人があまり健康的なイメージを持っていないため、「健康麻雀」とは一見すると矛盾した響きを持つ言葉です。

賭け麻雀や徹夜でする麻雀の不健康なイメージを払拭し、シニア世代の人が頭の体操を目的に行う健全なゲームとして健康麻雀が考え出されました。

そのため健康麻雀は「賭けない、飲まない、吸わない」をモットーとしており、賭博行為はもちろん禁酒禁煙が徹底されています。

雀荘の顧客も従来は壮年男性が中心でしたが、各地で開催されている健康麻雀教室の参加者はシニア世代が中心で女性の姿が目立つ点も大きな特徴です。

健康麻雀がシニアの間でこれだけ人気を博しているのは、麻雀が脳を活性化させて認知症予防につながるという理由によります。

席に座って手先を動かすだけで参加できる麻雀は体力の負担も大きくないため、高齢になっても続けられるゲームです。

2.頭と指先を同時に使う効果

牌卓と呼ばれる麻雀専用のテーブルを4人で囲んでゲームを行う点や、基本的なルールは健康麻雀でも一般的な麻雀と共通します。

4個ずつ34種類ある合計136個の牌に加え、骰子と呼ばれるサイコロ2個と得点を計算するための点棒を使ってゲームを進めるのが麻雀の基本的なルールです。

健康麻雀ではつかみ取りという方法で座る場所を決めた後でゲームの親を決め、サイコロを1回だけ振って親を決める方法が採用されています。

4人全員に牌を配ったところでゲームが開始され、点数を計算して勝敗を競うのが麻雀の基本的な流れです。

ルールは少々複雑ですが、麻雀のやり方を一度覚えれば頭を活発に働かせる必要があるため、脳が効率的に鍛えられます。

同時に牌の扱いで指先を動かすことにより、脳がよりいっそう活性化されるために麻雀は認知症予防効果が高いのです。

3.認知症を予防できる理由

認知症はいろいろな原因で発症しますが、中でも最も患者数が多いのは脳が萎縮するアルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー症の発症メカニズムは完全には解明されていないとは言え、単調な生活を送る人や他人との会話が少ない高齢者ほど発症しやすいことが知られています。

脳への刺激が少ないとそれだけ神経細胞の働きも低下しやすくなり、脳の萎縮につながって認知症を発症するものと考えられるのです。

シニア世代の人がそうしたアルツハイマー型認知症を予防するには、できるだけ脳に刺激を与えてやることが欠かせません。

ルールが複雑で対戦相手の手の内を読む必要もある麻雀は、脳が自然と活性化されるゲームです。

特に指には脳の運動野と密接に結びついた神経が集中しているため、指先を動かすことで脳が効率的に刺激されます。

ルールに沿って麻雀のゲームを進めることで脳の前頭前野が刺激されると同時に、運動野も活性化されることで神経細胞が元気になります。

4.初心者や女性でも手軽に始められる

健康麻雀が認知症予防に効果があると知っていても、ルールが難しそうな麻雀を始めるのは初心者にとってハードルが高く感じるものです。

中高年の男性の中には麻雀の経験者も少なくありませんが、特にシニアの女性は未経験者が大半を占めます。

そんな初心者の間で人気を集めているのが、シニアを対象とする健康麻雀教室です。

ブームを受けて全国各地に健康麻雀教室が開かれていますので、麻雀に興味がある人は近くにそのような教室がないかどうか調べてみるといいでしょう。

最近では健康麻雀専門の店が各地で増えており、初心者向けに麻雀教室を併設している店も少なくありません。

麻雀のルールがまったくわからないという初心者でも、そうした教室に通えば基礎から丁寧に教えてもらえます。

5.信頼できる仲間と楽しむ

健康麻雀の楽しさを知るとついつい牌卓から離れがたくなってきますが、過度に熱中するとかえって健康にマイナスとなってしまいます。

シニア世代では徹夜で麻雀をするほど体力のある人は多くないとは言え、健康麻雀は体力に負担がかからない程度に楽しむのが原則です。

当然のことながら勝敗にお金を賭ける賭けマージャンは違法ですので、健康麻雀はあくまでも「賭けない」という基本ルールを守る必要があります。

そのためには一緒に健康麻雀を楽しむ仲間にも信頼できる人を選ぶことが大切です。

健康麻雀教室や同好会に参加するメンバーにもいろいろな人がいますので、対戦してみて自分と相性が合いそうだと感じた人と交流を深めるようにするといいでしょう。

ルールを覚えて強くなったら、健康麻雀の大会に出場してみるのも楽しみ方の1つです。

ねんりんピックの愛称で知られる全国健康福祉祭でも、健康麻雀は正式種目として採用されています。

頭の体操として「健康麻雀」を楽しもう

頭の体操をして認知症を予防する方法には、健康麻雀以外にもジグソーパズルや囲碁・将棋、塗り絵・編み物などいろいろな種類があります。

その中でも他人との交流を通じて脳を鍛える健康麻雀は、認知症予防が最も高い趣味です。

健康麻雀を楽しんでいる人は脳年齢も平均より若いため、認知症を発症するリスクも総じて低いものです。