以前、ダイオウイカが引き揚げられたことで深海生物が注目されたことは、記憶に新しいでしょう。
神奈川県の横須賀に、深海を含め海洋を研究している施設があるのは御存知でしょうか?
この記事では、神秘に満ちた海洋を研究する機関とその見学ツアーの見どころについてご紹介します。
1. JAMSTECとは?
海洋研究開発機構(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)の略称で、ジャムステックと読みます。
海洋科学技術の向上を目指し、海洋に関する研究を海洋資源、極限生物、気象観測、地形観察など様々なアプローチで行っています。
延いては気象・気候や地震・津波のシミュレーションにまで取り組んでいる、私たちの未来を担うと言っても過言ではない機関です。
JAMSTECは研究で得られたデータや資料の一部を、学会のみならずホームページでも紹介しています。
このような研究に使われる器具や機械を、横須賀本部では見学することができます。
普段の生活では絶対に見ることのできない、貴重な体験となります。
2.研究施設 横須賀本部
横須賀本部の主な施設は、高圧実験水槽装置、多目的実験水槽、中型高圧実験水槽装置、多目的プール施設、超音波水槽装置の5つです。
ここでは主に深海に関する研究を行っているので、ほとんどが圧をかけるものです。
深海は高水圧で低水温、そのうえ光が届きにくいという特殊な環境です。
そのような環境下だからこそ、生物は非常に面白い進化を遂げています。
が、特殊な環境下故に実験や探査を行うのは用意ではありません。
この施設では、その深海に特化しさらなる調査を目的としています。
例えば多目的プールがあると先述しましたが、これも深海調査の為のものです。
機器の開発や潜水者の訓練を目的としています。
プールサイドには空気充填装置があるなど、普通のプールとは違う点がいくつもあります。
3.展示施設の見どころ
施設内にある海洋科学技術館には、様々な見どころがあります。
まず、「しんかい6500」という有人潜水調査船の模型です。
実物大なので、コックピットに座ってパイロット気分を味わうこともできます。
のぞき窓には深海で見られる、熱噴射に生物が群がる様子が再現されているので本格的な疑似体験となることでしょう。
「しんかい6500」とは、文字通り6500mまで潜ることができる潜水調査船です。
世界で2番目に深く潜ることができる船で、三菱重工によって開発・進水式が執り行なわれました。
深く潜れるというその特性から、日本のみならずインド洋や太平洋でも調査を行っている、非常に優れた評価を得ている船です。
目的は様々で、地球内部の動きを観測したり、深海生物の調査や海底の堆積物から熱・物質循環を究明する為にも使われています。
次に、深海の圧を視覚化した展示物です。
発泡スチロール製のカップラーメンの容器が、深さとそれに伴い変化する圧でどのように変化するかを展示しています。
メートルで言われて分からなくても、このくらいなのかと目で見て理解することができます。
お子様は特に興味を持ちそうなコーナーです。
合わせて圧でへこんだ金属バットも展示しているので、迫力をもって圧のすごさを感じられます。
4.ツアー概要
公式サイトによると、海洋研究開発機構 横須賀本部では見学ツアーを実施しています。
概要説明ビデオ上映→探査機、高圧実験水槽棟、潜水調査船、船舶の中から2か所程度見学→海洋科学技術館→質疑応答という内容で、約90分のツアーです。
10名以上は団体見学ツアー、1名の場合は個人見学ツアーとなります。
個人見学ツアーは毎週第二金曜日に実施していますが、5月、8月は実施していないので注意が必要です。
また日程は変更される可能性があるので、事前にチェックしておきましょう。
見学ツアーは、参加費は無料ですが団体・個人にかかわらず事前申し込みが必要です。
およそ1ヶ月前から事前予約を開始し、1週間前に打ち切りとなりますがこの限りではないので公式サイトでご確認ください。
5.お孫さんの夏休みにも
海洋研究開発機構 横須賀本部では、夏休みには子どもを対象とした個人見学ツアーも参加費無料で行っています。
施設をめぐり機器や施設を見学するだけでなく、実験も行うプログラムです。
学校のカリキュラムでは海洋や深海についてはあまり触れないので、きっと視野が広がることでしょう。
お孫さんの夏休みの自由研究にもオススメですし、絵日記・一行日記のネタにもなります。
申し込みが必要で、18歳以上のみしか受け付けていない日もあるので注意が必要です。
また約1ヶ月前に申し込まなければならないので、申し込む際は予定をしっかり話し合うことが求められます。
まとめ
海洋研究開発機構横須賀本部では、普段生活しているだけでは絶対に見ることのできない機器や情報に触れることができます。
見学ツアーなので、解説つきで貴重な体験を味わえるのです。
日帰り旅行もできる距離なので、少し羽を伸ばしたい、お孫さんと遊びたいという方にはピッタリの場所です。
潮風を感じながら、海洋に思いを馳せる休日はいかがでしょうか。
是非一度、訪れてみてください。