宅地建物取引士の資格は定年後の再就職に有利!試験内容・生かし方・勤務先

最終更新日:2018年3月28日

仕事の実績だけではなく、持っている資格も重要視される昨今、特に「国家資格」と呼ばれる資格の有資格者の社会的地位は年々上がってきています。
それだけ社会的な評価の高い国家資格ですから、やはり難易度は民間の資格に比べると高いものが多いのも現実です。

ただ、その中で毎年20万人前後の申込のある日本で1番人気のある国家資格をご存知でしょうか。
その資格が、今回のテーマに上がっている宅地建物取引士と呼ばれる資格です。

今回はその宅地建物取引士について、その人気の秘密についてご紹介します。

1.宅地建物取引士の資格の取得率

宅地建物取引士の資格は先程も述べたように、国家資格に認定されています。
以前は「宅地建物取引主任者」という名称でしたが、平成27年4月から「宅地建物取引士」に名称が変更になり、士業に格上げされました。

それだけ社会的評価も上がったと言えるでしょう。
それだけの資格ですが、毎年20万人も受ける資格で人気第2位の社会労務士とも大きく差が開いています。

というのも宅地建物取引士はその社会的地位に比べて、比較的合格率の高い、取得しやすい資格だからです。
それは合格率にも現れていて、毎年平均15%〜17%の合格率です。

20万人受けて、この合格率であればその取得のしやすさが伝わるかと思います。
人気第2位の社会労務士の合格率はおおむね7%〜8%ですので、その差は歴然でしょう。

なぜそれだけの合格者数を確保しているのか、をお話しする前にまずは資格試験の内容についてお話しておきたいと思います。

2.宅地建物取引士資格試験の問題傾向

宅地建物取引士の試験の合格率の高さの秘密ですが、実は毎年ほぼ同じ傾向で試験が出題されるという試験だからという理由も存在します。
だから簡単というわけではありませんが、問題の傾向がつかめるということは、対策もしやすいという、受験者にとってはとても嬉しい特徴を持った資格試験です。

このような特徴から、合格者の半数以上は資格試験専門の学校に通ったりせず、書店などで販売されている宅地建物取引士試験の対策本などを使った独学で合格しています。
それだけ問題の傾向が読みやすく、対策のたてやすい試験だということです。

宅地建物取引士の試験は一般的に2時間の制限時間の中で50問の選択問題をマークシートで答えるという形式になっていて、この形式は毎年変わらず昨年まで続いています。
今年もこの形式でいくことはほぼ間違いないでしょう。

問題の出題傾向も固定化されています。
宅建業法から20問、民法などから14問程度、法令上の制限から8問程度、税・その他から8問程度で構成されます。

このうちでおおむね32点〜36点の得点で合格ラインが遷移します。
合格点は受験した年の問題の難易度によって変わるので、勉強期間中の目標はまずは35点を超えるというところからスタートすると思います。

初めて学習する方には少し難易度が高く感じるかもしれませんが、満点を目指さず合格点に達するための勉強をしていけば、取得は難しい試験ではありません。
暗記が得意な方ば、出題数が多く、難易度も低い宅建業法から勉強することをオススメします。

この分野はとりあえず「覚える」だけです。
覚えてさえいれば、問題なく得点できます。

次に法令上の制限も覚えるだけですが、少し覚える内容が多いので、暗記型の方はこちらから勉強した方が良いと思います。
税・その他は出題数も少なく、また範囲が広いので後回しで良いでしょう。

民法の分野は、法律用語がたくさん出てくる上に問題文を読みとく読解力、登場人物たちの状況整理をする分析力、知識を問う暗記力など脳を総動員して解く形になります。
論理的思考が得意な方はこちらも出題数が多いので、時間をかけて学習することをオススメします。

書店で販売している本などでも、同じように分野別でのテキスト・問題集がまとめられているので、問題集を解きながら覚えていくのがベストな勉強法です。
傾向が一定ですので、勉強時間を確保しやすい人の方が合格の可能性も高くなるでしょう。

3.宅地建物取引士の社会からの需要

問題傾向が一定なため、受験者・合格者も多い宅地建物取引士ですが、その人気の最大の秘密は社会からの需要が高い資格だという点です。
やっと今回のテーマですが、なぜ宅地建物取引士の資格が老後を安定させるのか。

それがこの社会的需要の高さにあります。
老後になると、なかなか良い給料の仕事がない、そもそも雇ってもらえなくなるなど、就労状況は決して明るくはありません。

しかし宅地建物取引士は不動産販売を行う会社には社員の5人に1人は在籍していないといけないという、法律上の決まりがあります。
しかし現役の不動産販売業者は毎日の業務が忙しく、日々の勉強時間が取れないため宅地建物取引士の資格を持っていないという従業員の方が実は多いという実状があります。

ですので、不動産会社の中には法定の宅建士の人数が揃えられなくて困っているという状況の会社は実はかなりの数に登ります。
法定数を揃えられない場合は宅地建物取引業を行うことができなくなるので、これは不動産会社にとっては死活問題です。

また不動産の販売は非常に専門性の高い仕事になるので、窓口の担当者が宅建士の資格を持っているかどうかで会社を判断するお客様も多くなっています。
こういった背景もあり、たとえ高齢者といわれる年齢であっても宅地建物取引士の資格を持っている、というだけで雇用の可能性が高くなります。自分の能力と知識で仕事をしていけるのが、自信にもなりますね。

宅地建物取引士の資格の取得を目指そう

宅地建物取引士は士業に格上げされ、合格率の高い国家資格です。
老後も働きたいが、雇用先がない、収入の低い仕事しかないと思い悩んでいる方も、合格率の高い宅地建物取引士の資格を取得して、安定した老後の就労を確保されてはいかがでしょうか。