社会福祉士の資格はシニアにぴったり。その試験内容・生かし方・勤務先

最終更新日:2017年10月19日

福祉系国家資格の最難関である社会福祉士。
ソーシャルワーカーとも呼ばれ、幅広い福祉領域で活躍できる資格です。

今回は、社会福祉士ってどんな業務をしているのか?難易度は?など気になる点をご紹介します。

1.社会福祉士の業務 ソーシャルワーカーとは?

社会福祉士は、精神保健福祉士や介護福祉士と同じく福祉系の国家資格です。
実は、日本には福祉の国家資格はこの3つしかありません。

国家試験に合格し、社会福祉士として登録料を収めた人のみが、社会福祉士と名乗ることができます。
社会福祉士が行う業務は様々。

利用者やその家族への相談を受けたり、市町村の福祉計画を作ったり…。
福祉の何でも屋さん的な仕事をする職業です。

このような仕事をソーシャルワークと言い、社会福祉士をソーシャルワーカーとも呼ぶこともあります。
実際の職場では、相談業務やケースや支援計画の作成をする相談員として働くことが多くなります。

2.福祉の全領域に仕事がある

日本の福祉には8つの領域があると言われています。
社会福祉士は8つの領域すべてに仕事の可能性があります。

老人ホームの生活相談員、児童相談所の職員、障がい者施設の相談員、保護観察官、高齢者のお金を管理する成年後見人、病院ソーシャルワーカー(MSW)、社会福祉協議会の職員、生活保護のケースワーカーなど、様々な福祉分野で活躍できる資格といえます。

中でも、病院ソーシャルワーカーや社会福祉協議会職員(総合職)などは、就職の際に社会福祉士が必須である場合が多いです。
今後増加すると言われている、学校のいじめ問題や虐待児対応などを担うスクールソーシャルワーカーも、社会福祉士が求められる仕事です。

社会福祉士の必要とされる業界は年々拡大しています。
市町村や都道府県の福祉職など、公務員系に強いのも、社会福祉士の特徴です。

3.福祉系国家資格の最難関 社会人受験者が苦戦する傾向

社会福祉士を取得するためにはまず、受験資格を満たさなくてはなりません。
受験資格は、社会福祉士養成コースのある4年制大学で指定科目をすべて履修するか、実務経験と講習を組み合わせることで取得できます。

実務経験オンリーでは受験資格は取得できないので注意が必要です。
福祉系の大学を卒業した人は、講習は必要ない場合もあります。

受験資格は「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」のホームページで確認することができます。
受験を考え始めたらまず、受験資格があるのかどうかを確認することが重要です。

試験科目は多く、福祉に関するすべての領域から出題されます。
試験はマークシート形式です。

受験資格によっては、実技試験がある場合もあります。
注意しなくてはならないのは、科目ごとに最低1問正解しないと、全体の得点が合格点以上でも不合格にされてしまうこと。

0点科目を作らないように、まんべんなく知識を持っていることが必要です。
全体の6割程度正解できていれば、人数の上限はなく、基準点以上の全員が合格できます。

合格率は例年20-30%です。
でも実は、大学卒業時に受験する学生受験者に限定すると合格率は60%程度まで上がります。

これは、社会人受験者が特に苦戦しているということ。
社会人は仕事が忙しく勉強時間が取れないことと、自分の仕事と関係のない分野もまんべんなく勉強しなくてはならないことが取得の壁となっています。

いかに勉強時間を確保できるかが合格のカギとなりそうです。

4.介護系資格+社会福祉士でキャリアアップ

取得に労力がかかりそうな社会福祉士。
すでに福祉業界で働いている人にはどんなメリットがあるのでしょうか?

老人ホームなどで介護職を長年務めている方は、介護福祉士→ケアマネージャーへとキャリアアップしていくことができます。
ここに、社会福祉士を取得すると、生活相談員や施設長など、管理者にぐんと近づくことができます。

将来的に介護職から相談職に転職したい場合には社会福祉士を取得するメリットは大いにあります。
また、社会福祉士は成年後見人業務で独立開業することもできます。

成年後見人とは、認知症などで財産の管理が難しくなった人の支援をする人のことです。
社会福祉士のほかには弁護士・行政書士などが成年後見人になることができます。

福祉業界では数少ないフリーランスができる資格ですから、福祉業界で開業したい場合にも取っておく方がよい資格です。

社会福祉士の仕事や生かせる場所を知ろう

以上、社会福祉士の社会福祉士の概要・試験内容・生かし方・勤務先のご紹介でした。
社会福祉士は相談業務を行う福祉専門職。

活躍の幅が広く、キャリアアップにも活用できる資格です。
でも、取得にかかる労力は多め。

社会福祉士取得を目指すには、まずは受験資格が得られているかどうかをしっかりチェックすること、そして十分な勉強時間を計画的に確保することがポイントです。
一緒に受験する仲間と一緒に励まし合いながら勉強することも効果的です。