税理士の人がお客様から良く聞かれることが、公認会計士と税理士の仕事の違いだそうです。
どちらも会社などの会計や税金関係の仕事を業務としているというおおよそのことはわかっても、その違いとなると一般の人にはわかりにくいものがあります。
税理士と公認会計士では仕事の内容に歴然とした違いがありますし、資格ももちろん違います。
1.税理士の仕事と公認会計士の仕事の概要
税理士の仕事は税金の税の字がついていることから想像されるように、企業や個人事業主、不動産オーナーなど経理を行って税金の申告書類を作成し、税務署へ申告の代行をして提出します。
また、経理を依頼されている企業や個人経営者で節税のアドバイスをしますが、その他資産税や絶税対策を贈与税、あるいは相続税などのアドバイスをしたり、申告の代行を行います。
一方の公認会計士は、企業が作成した財務諸表などの財務書類が適正かどうかを第三者の中立な立場から監査をするのが主な仕事です。
監査の目的は、企業が粉飾決済を行って、株主や銀行などの債権者が被害に遭うことを未然に防ぐことです。
また、公認会計士は企業の経営の相談にのるとか、専門家の立場から経営に役立つアドバイスする「コンサルティング」の業務もしています。
上記のように、税理士と公認会計士の大きな違いは、税理士は「依頼者の側に立って税務に関する業務を代行して行う」のが主な仕事。
公認会計士は「中立の立場から監査を行う」のが主な仕事です。
税理士よりも幅の広い業務を行うのが公認会計士です。
2.公認会計士の試験内容
公認会計士の試験には、短答式試験と論文式試験があります。
短答式試験の試験科目は、簿記と財務諸表論の「財務会計論」と「管理会計論」と「監査論」そして「企業法」の4科目で行われます。
また、論文式試験の内容は、「会計学」と「管理会計論」「監査論」と「企業法」がありますが、さらに受験者が1科目選ぶ科目があります。
受験者が選ぶ論文式試験の科目には「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4つの科目があり、その中から自分の得意なのを選びます。
公認会計士の試験は難関で、平成27年度をみると、願書を出した人が10180人いるなか、短答式合格者数は1507人で、最終合格者数1051人、合格率10.3%という数字になっています。
この合格率からみてもいかに公認会計士の試験が難関かがわかります。
今は、公認会計士の受験のための通信講座もたくさんあり、働きながら公認会計士の資格を取るのも夢ではありません。
3.公認会計士の資格の活かし方
法律が改正されて、学歴や年齢に関係なく受験できるようになったというものの、国家資格の中でも合格率が低く難しいのが公認会計士の資格です。
どの資格に関しても言えることですが、せっかく資格を取ったのにその資格を活かせなく悩んでいる人も多く、公認会計士の資格も例外ではありません。
ただ、公認会計士は需要が増えていますし、活躍の場がそれなりにあり、難関の試験を突破すれば資格を活かしやすいのが公認会計士の資格と言えます。
公認会計士として活躍できる職場としては、大手企業や銀行、証券会社などの他、商社やメーカーなど企業の財務部門や経営企画部門などです。
また、ベンチャー企業などで株式公開に関連する仕事する公認会計士もいます。
企業が経営をするにあたって必要なのが公認会計士の資格ですから、今後の需要も期待でき、公認会計士の資格を活かせる場が増えています。
また、公認会計士から大学教授になった人もいますし、税務関係専門の業務が自分に合っているからと、税理士になった人もいます。
公認会計士の資格をもっていると選ぶ仕事の幅も広がります。
4.公認会計士の勤務する場所
公認会計士の資格をもった人の勤務先は大企業や国税調査官などですから、どうしても勤務する場所は東京が圧倒的に多く、関西で働く公認会計士がおよそ3割程となっています。
田舎暮らしを希望する若者が増えていると言いますが、公認会計士の場合、地方でも勤務する場所もあるというものの地方は数が少ないのが現実でした。
しかし、新幹線が普及している今は、田舎暮らしと公認会計士として働くのが不可能ではなくなっています。
田舎暮らしを希望する理由には、田舎への憧れの他に、災害の少ないところに住みたいという人も多く、災害の少ないという点で長野県とか山梨県に住みたいという公認会計士の人も多いです。
例えば、あるランキングでは住みたい田舎に長野県がトップになっていますが、長野県に住んで東京の公認会計士の職場に通うとして、新幹線で約90分ほどの時間で通勤することができます。
新幹線での通勤なら、マイカーでの通勤と違って車内本も読めますし仕事をするのも可能です。
車中で体を休めることもできます。
また、仮に家族がいて単身赴任をして、家賃他の2重の生活費がかかるよりも、新幹線の定期代の方が安くなることが多く、このような方法で公認会計士の田舎暮らしも可能になっています。
さらに、売り手市場の公認会計士ですから、地方へ移住をしても監査法人の地方事務所とか、田舎へ進出している一般大手企業へ採用されるケースも多くなります。
公認会計士の勤務する場所も広がって、田舎暮らしをする公認会計士も増えています。
公認会計士の取得を目指そう
2014年以降の会計士不足が問題になっています。
不足の原因が公認会計士の需要が増えたことと、受験者が大幅に減少していことからきています。
これから増々需要が増えることが予想されている公認会計士で、「会計はビジネス社会における世界共通言語」とまで位置づけられている公認会計士の業務です。
興味があったら挑戦をして、人生のステップアップを目指すことをオススメします。