格安航空会社LCCが次々と安い料金を打ち出してくる中、大手航空会社もただ手をこまねいているわけではありません。
様々な割引料金のチケットを販売して、顧客拡大に努めています。
その一つが、ANAのスマートシニア空割です。
1.ANAスマートシニア空割とは?
ANAスマートシニア空割とは、満65歳以上の方を対象にした割引料金のことです。
予約をすることはできません。
搭乗日当日、空席がある場合にのみ利用可能となっています。
予約ができない、と聞くと不安に感じる方も少なくないと思います。
しかし、年末年始、お盆、ゴールデンウイーク、そういった特別な繁忙期でない限り、ある路線の希望する日の全便が満席、という可能性は極めて低いものです。
希望の時間の便には搭乗出来ないかもしれませんが、その日のどの時間の便でも良い、その日のうちに目的地に着ければ構わないと割り切れば、利用する価値の高い割引です。
プレミアムクラスについても、搭乗日当日空席があれば、追加料金を支払うことで利用することができます。
2.ANAスマートシニア空割を利用するには?
スマートシニア空割を利用するためには、ちょっとした準備が必要となります。
それは、ANAカード(クレジット機能付き)会員、または、ANAマイレージ会員になることです。
ANAマイレージ会員の場合、前以て「生年月日確認登録」というものを行なわなければなりません。
「生年月日確認登録」はANAの国内線カウンターで受け付けてくれます。
その際は、運転免許証、健康保険証、パスポート等の公的書類が必要となります。
生年月日確認登録は一度行なえばオッケーです。
但し、生年月日確認登録を行なった場合でも、搭乗時には前述の公的書類を必ずご持参下さい。
提示を求められる場合があります。
3.ANAスマートシニア空割のメリット
ANAスマートシニア空割、元々は「シニア空割」と呼ばれていました。
シニア空割は、搭乗日当日、空港にて空席がある場合にのみ購入することが可能でした。
当然、自宅からわざわざ空港に出向いたにも関わらず、いざ空港に着くと希望の便が満席で、旅行を諦めたり予定を変更せざるを得ないケースも多々あったようです。
そんな残念な経験をされた多くのお客様の声を受け、ANAは改革に乗り出しました。
2016年12月1日から「スマートシニア空割」と名称も新たに、インターネットで予約ができるようにしたのです。
自宅でパソコンやスマートフォンで予約を確定させてから空港に行けばよくなりました。
同じ大手航空会社のJALも、 満65歳以上の方を対象にした割引チケットを販売しています(JAL当日シルバー割引)。
空席の確認は自宅にてインターネットや電話でできますが、搭乗日当日であっても予約はできません。
自宅で確認した際は空席有り、だったにも関わらず、実際に空港に着いた時には満席になっていた、ということもあり得ます。
そのためJALは、インターネットや電話での空席確認は目安程度に、とホームページに記載しています。
JALの当日シルバー割引と比較すると、ANAのスマートシニア空割の方が無駄足のリスクが少なく、メリットが大きいように思われます。
実際にホームページから予約購入をする際には、ANAマイレージの会員番号とパスワードが必要です。
4.ANAスマートシニア空割はどれくらいお得?
利用する人が多い東京(羽田)発札幌(新千歳)行きの便を例に挙げます。
2017年の11月料金を見ると、東京発札幌行きの大人普通運賃は37790円ですが、スマートシニア空割は15990円となっています。
半額を大きく超える6割引に近い料金です。
最も安い料金設定である旅割75の同区間の料金が約10000円〜13000円ですので、スマートシニア空割は旅割75に迫るお得な料金であることがわかります。
東京発大阪(伊丹 関空)行きの便も例に挙げてみます。
東京発大阪行きの大人普通運賃は25490円ですが、スマートシニア空割は何と9990円です。
旅割75の場合の料金が9000円弱〜14000円弱ですので、やはりスマートシニア空割のお得さが際立ちます。
また、割引率は若干下がりますが、年末年始、ゴールデンウイーク、お盆といった時期にも、空席さえあればスマートシニア空割は利用可能です。
こうした繁忙期は、格安航空会社LCCの料金もほとんどの場合跳ね上がります。
大手航空会社とほぼ変わらないことも少なくありません。
繁忙期には、スマートシニア空割は一層お得感を発揮することでしょう。
スマートシニア空割を使って、定年後を有意義に過ごそう
現役で働いていた頃は、旅行のための休みを取ることが難しかった、という方もいらっしゃることでしょう。
しかしリタイアされ今は時間にゆとりがある65歳以上の皆さま。
ANAスマートシニア空割を使えば、思い立ったその日にお得な運賃で旅することができるのです。
懐かしい新婚旅行の場所をもう一度訪ねたり、お孫さんの顔を見に行く旅を、今日実現させることができるのです。
ANAスマートシニア空割を使って、旅立つのはいかがですか?