誰でも簡単に演奏できる楽器はいくつかありますが、その最たるものはハーモニカです。
この楽器は趣味として気軽にはじめることができることで人気です。
当記事ではそんなハーモニカの魅力やはじめる際の注意点をご紹介します。
1.ハーモニカの歴史と魅力
ハーモニカの起源は1820年頃、オルガン職人の息子がオルガンの調律用の道具に細工を施したものであるとされています。
ハーモニカは様々な改良を加えられ、いつしか世界中で生産されるようになりました。
日本には明治20年頃に輸入され、43年には日本産のハーモニカも誕生しました。
生産国によってハーモニカに施された趣向は異なりました。
どこか哀愁を感じさせ、豊かな表情を持つハーモニカの音色は世界を魅了しました。
その独特の音色は様々なジャンルの音楽ともマッチし、美しい音楽を作り出します。
弦楽器や金管楽器などとは違い、複雑なチューニングや細かい音作りなどが必要ないので、小さな子供から高齢者の方まで幅広い層から人気を博しています。
カントリーやロック、ブルースをはじめ、ジャズやクラシックにも使用されることがあります。
他の楽器との調和を乱すことなく活躍できるのはハーモニカの大きな特徴です。
2.他楽器との違い
ハーモニカは手軽な価格で手に入るというのが大きな特徴です。
ギターやピアノなど、楽器ははじめようと思うと何かとお金がかかるものです。
しかしハーモニカの場合は他の楽器と比べてとても安く購入することができます。
さらに大きさはメガネケースほどしかないので、持ち運ぶのも大変楽です。
そしてハーモニカは他の楽器と違い、吹き始めるのに複雑な技術を必要としません。
息を吹く、息を吸うという動作のみで美しい音を奏でることができるので、誰でも気軽にはじめることができます。
テクニックを磨くことで様々な表現も可能になるので、向上心や目標次第で素晴らしい音楽を作り出すことが可能です。
気軽にはじめることができると同時にとても奥が深いため、趣味としてはじめる楽器としてハーモニカは非常に相応しいのです。
3.いくつかの種類
ハーモニカにはいくつかの種類が存在します。
その中でも特に有名なのは三つです。
日本で最も馴染みがあるのは複音ハーモニカです。
元々はドイツ発祥の代物で音の配列も現在とは違っていましたが、日本人アーティストである川口章吾さんによって日本式の配列が生まれ、アジアでは日本式の配列が主流になりました。
音が揺れるような表現ができることからトレモロハーモニカと呼ばれることもあります。
二つ目はテンホールズハーモニカです。
10個の穴が開いたこのハーモニカは最も原型に近いとされ、愛用者もかなり多いです。
ブルースで使用される機会が多いことから、ブルースハープとも呼ばれます。
そして三つ目はクロマチックハーモニカです。
スライドが付いており、これがピアノでいう黒鍵の役割を担っています。
上記の二つはキーが固定されているので、演奏したい楽曲のキーに合ったものを使わなければなりません。
しかしこれは半音全音すべての音が出せるので、どんな楽曲にも適応できます。
スライドを操作しながらの演奏になるので、初心者の方にとっては難易度が高いハーモニカです。
ジャズやクラシックでよく使われます。
4.はじめるにあたって
これからハーモニカをはじめようと考えている方は、まずはオーソドックスなテンホールズハーモニカからはじめましょう。
数百円で買えるものもあるのですが、あまりに安いと空気が漏れていたり壊れやすくなっていたりと色々不備があります。
3000円前後のものを購入するようにしましょう。
しかし同じテンホールズハーモニカでも、様々なメーカーが生産しているため種類が結構多いので、いざ買おうと思っても迷ってしまうと思います。
そのような場合はトンボ楽器製作所のメジャーボーイを買うと良いでしょう。
有名なユニットである「ゆず」も愛用しているこのハーモニカは、迫力のある音量と美しい音色を出すことができて、ボディの解体と組み立ても簡単に行えるなどメンテナンスの面でも便利な設計になっています。
故障してしまっても日本国内にてサポートを行っているため安心です。
ハーモニカを購入したら、まずは適当に吹いてみましょう。
ハーモニカは演奏しているうちに自然と上達できる楽器なので、遊ぶような感覚でも十分練習になります。
もしも本格的に上手になりたいのなら、参考書での独学をはじめたり通信講座に参加してみましょう。
ハーモニカ上達のための教室も各地で開かれているので、そちらに通うのも良いでしょう。
5.メンテナンスに注意を
ハーモニカは使い続けていると音が鈍く聞こえたり出なくなります。
出来るだけ長持ちさせるためにはメンテナンスをすることと保管方法が重要となります。
まず吹く前ですが、口の中をキレイにしておきましょう。
音の出る穴に口の中のものが詰まってしまい壊れてしまったというケースもあるので注意しましょう。
冬に使う場合、ハーモニカの中の水分が結露している場合があるので、手で包んで暖めてから使用しましょう。
次に多い故障の原因は湿気によるサビです。
ハーモニカを演奏することでリードという箇所には水分が付きます。
その状態のまま放置しているとサビが発生するので、使い終わったら軽く振って水分を落とし、布を使ってボディを拭くようにしましょう。
また、消毒用のアルコール液で拭き乾かしておくと、雑菌の増殖を防ぐこともできます。
保存方法についてですが、基本は付属のケースに入れておくだけでも大丈夫です。
ただ、湿気からハーモニカを守るためにも、もう一つ別の密閉型のケースを購入し、その中にハーモニカの入ったケースと乾燥材を入れておくと良いでしょう。
誰でも吹ける楽器、ハーモニカ
ハーモニカはお金をかけずにはじめることができる素敵な楽器です。
子供から高齢の方まで、誰もが感覚的に楽しく演奏できるのが最大の特徴です。
丁寧な使用とメンテナンスに気を付けていれば長持ちするので、出費が重なる心配もありません。
簡単に美しい音色を出すことができるハーモニカ、皆さんもはじめてみてはいかがでしょうか。