中高年の身体が疲れやすいのは生活習慣や病気が原因?【心身の健康】

最終更新日:2017年8月11日

中高年になると、慢性的な疲労に悩まされるという人が増えてきます。
しかし、「年のせいだから」と諦めてはいけません。

身体が疲れやすいのには様々な原因があり、それらを取り除けば、疲労から回復できる可能性があるからです。
そこで、身体が疲れやすい時、考えられる原因についてまとめました。

1.質の良い睡眠が取れていない

身体が疲れやすい時の原因として最も多いのは、「質の良い睡眠が取れていない」ということです。
睡眠不足は当然、慢性疲労の原因になりますが、たとえ長時間寝ていても、睡眠の質が悪ければ、身体は疲れやすくなります。

「睡眠の質が悪い」ということは「熟睡できていない」ということです。
身体の疲労回復は、熟睡している時に行われています。

熟睡できていない状態では、身体の疲労回復の動きはスムーズに行われません。
その結果、翌日まで疲労を持ち越すことになります。

そして、この状態が何日も続いてしまうと、慢性疲労の悪循環から抜け出せなくなります。
この状態を改善するためには、意識的に睡眠の質を上げ、熟睡できるような生活にシフトしなくてはなりません。

2.体内のエネルギーが低下している

人間は年齢を重ねると、体内のエネルギーが低下していきます。
これも、身体が疲れやすい原因の1つです。

中高年に差し掛かって体内のエネルギーが低下すると、基礎体力も低下します。
その結果、少し動いただけでも身体が重くなってしまい、疲れてしまうようになります。

この年代になると、徐々に少食になるという人も増えます。
体内のエネルギーは、毎日の食事によって作られます。

食事の量が多ければ、その分、体内のエネルギー値も高くなります。
しかし、食事の量が減ってしまうと、それに比例して、体内に取り込むことのできるエネルギーの量も減ってしまい、体力が落ちて疲れやすくなります。

この状態を改善するためには、「朝食だけはしっかり食べる」「確実にエネルギーを作り出せる栄養素や、疲労回復効果のある栄養素を積極的に摂取する」など。
食生活に工夫を加える必要があります。

3.筋肉の力が弱くなっている

中高年に差し掛かると、筋肉の量や力が徐々に低下していきます。
身体は筋肉によって支えられていますが、筋肉の力が弱くなると、身体を支えるのに大きなエネルギーが必要になります。

その結果、必要以上にエネルギーを消耗して、身体が疲れやすくなります。
人によっては、「ただ立っているだけで疲れる」というケースもあります。

疲れやすくなると、身体を動かすのが億劫になるので、運動不足がどんどん加速してしまいます。
それにより、筋肉の力が更に低下してしまいます。

それに加えて、筋肉が固まってしまうようになり、身体の各パーツを動かしづらくなってしまい、更なる運動不足の悪循環を招くようになります。
この状態から脱するためには、意識的に筋肉を活性化し、鍛えなくてはなりません。

4.自律神経のバランスが悪くなっている

慢性的な疲労やストレスなどで自律神経のバランスが悪くなると、身体が疲れやすくなります。
この場合、極度の緊張状態が続いたことが原因で、身体が限界になり、いきなり強引にリラックス状態を作り出してしまったと言えます。

その結果、リラックス状態ばかりが続くようになって、身体に力が入らなくなり、慢性的な疲労から抜け出せなくなってしまうようになります。
自律神経が乱れた時は、「何時間寝ても寝足りない」「何もやる気が起きない」「頭がボーっとして物事を考えられない」など、普通の疲労感とは明らかに違った質の疲れが出ることが特徴です。

このような時は無理をせずにしっかり休み、必要であれば、病院を受診することも選択肢に入れてみてください。

5.大量飲酒

大量飲酒を長く続けている人は、身体が疲れやすくなります。
大量飲酒を続けていると、肝臓の状態が悪くなり、身体が疲れやすくなります。

大量のお酒を体内に入れてしまうと、その大量のアルコールを分解しようとして、肝臓がフル回転で働き始めなくてはならなくなります。
その影響で身体が疲れやすくなってしまいます。

日常的に大量のお酒を飲む習慣があり、身体が疲れやすいという人は、このまま放置すると、肝臓疾患を発症する可能性もあります。
身体の疲れに加えて、食欲低下の症状が起きたら、早めに病院を受診しましょう。

6.悪性腫瘍の前兆

悪性腫瘍の初期段階でも、身体が疲れやすくなると言われています。
そのため、身体が疲れやすい状態が続いた時、「ただの疲れだから」と放置してしまうと、後で大ごとになる可能性があります。

なぜ悪性腫瘍が原因で身体の疲れが出るのかというと、癌細胞が身体のエネルギーを奪ってしまうからです。
その結果、どんなに休んでも疲労感が抜けなくなってしまうようになります。

悪性腫瘍の疑いがある場合、慢性的な疲労感に加えて、貧血やめまい・動機などの症状が現れます。
このような場合は、すぐに病院を受診するようにしてください。

疲れやすさを感じたら生活習慣を見直してみよう

身体が疲れやすいという場合、良くない生活習慣が原因になっているケースと、病気が原因になっているケースがあります。
いずれにしても、このまま放置してしまうと、更なる悪循環になります。

病気が原因である場合は、早めに対処しないと、後で大ごとになってしまうこともあります。
自分の生活習慣や身体の細かな状態を振り返り、今改善できることはすぐにしておきましょう。

そして、他の症状も出ているようであれば、早めに病院へ行きましょう。