定年後に家を買う時、気をつけたい5つのポイント 【住居】

最終更新日:2017年7月28日

定年後に家を購入する際には、中高年ならではの視線で、家を見定める必要があります。
家にも一戸建てやマンション、新築や中古など、様々な形式があります。

ここでは新築や中古を問わず、中高年の方が、定年後に一戸建ての家を購入する際のポイントをご紹介します。

1.玄関までの道のりに階段はないか?

家と言えばまずは玄関ですが、敷地内に入ってから玄関までの道のりに階段があると、上り下りに苦労します。
具体的には「三段以上の階段がないこと」が理想と言えます。

若い頃は、階段が苦になることはありませんが、中高年になるとちょっとした階段の上り下りにも苦労します。
階段を解消するには、スロープ(傾斜の緩い登り坂)を造ることとなりますが、スロープを作るにはそのスペースも必要となります。

定年後に購入する家をチェックする際は、敷地内から玄関までの道のりに、三段以上の階段がないかをチェックし、
階段がある場合には、スロープを作るスペースがあるかも確認することが大切です。

2.寝室は一階に取れるか?

家を一言で言うと「寝泊まりをする場所」となりますが、定年後に家を購入する際には、若年層にはない視点で寝室をチェックする必要があります。
定年後に購入する家の寝室をチェックする際には、主に「一階に取れるか?」「冬に寒くないか?(冷えないか?)」に重点を置きます。

寝室が二階にあると、就寝の度に階段を上がり、二階に行く必要があります。
これは面倒であり、また、階段から滑り落ちる危険性も伴います。

寝室は可能な限り、一階にあることが望ましいと言えます。
やむ得ず二階に寝室を取る場合は、二階にもトイレがあることが理想です。

二階に寝室とトイレがあれば、夜中にトイレに起きた際に、階段から滑り落ちるリスクを解消することが可能です。
また、中高年になると、就寝中に体が冷えない様に考慮する必要もあります。

寝室となる部屋の床がフローリングであり、そこに布団を置いて就寝するのであれば、冬は寒く、体に大きな負担が掛かります。
ご自身がベッドではなく布団で就寝する場合は、寝室となる部屋の床が畳であるかも確認します。

さらに、寝室内に掃き出し窓がないかもチェックします。
掃き出し窓は、腰掛窓より風通しが良く、夏は涼しくありつつも、冬は隙間風が多く、布団に風が当たり、体が冷える原因となります。
就寝中に体を冷やすと、血行不良による腰痛などにも繋がります。

寝室は暖かいことが大切です。

3.お風呂は安全か?

家にはお風呂が欠かせません。

定年後に購入する家のお風呂をチェックする際には、まずは、浴室と脱衣場の境目に、高い仕切りがないかを確認します。
新築の家であれば、仕切りがないお風呂が多数を占めますが、中古の家となると、10~15cm程度の仕切りが設けられていることが多々あります。

仕切りがあると、足を引っ掛けて転倒する虞があり、危険です。
また、浴室内の床や、湯船の素材も確認する必要があります。

床や壁、湯船が樹脂で作られたユニットバスであれば、ある程度の断熱性があるため、入浴中に体が冷えることはありませんが、床や壁がタイルで作られ、
湯船がホーロー(鋳物)で作られていると、入浴中に体が冷え、心臓に負荷が掛かります。

また、中古物件を購入する際には、脱衣場があるかも確認します。
中古物件には、脱衣場がない物件も存在し、脱衣場がない場合は、着替えに苦労するだけではなく、
暖房器具を置くこともできず、冬に寒さに震えながら着替えるなど、苦労が絶えません。

4.トイレは洋式か?

トイレをチェックする際には、基本的なこととなりますが、「洋式」か「和式」かを確認します。
新築であれば大抵洋式ですが、中古の家であれば、和式も珍しくありません。

和式のトイレは、膝に負担が掛かるため、老若男女問わず用を足すのが大変です。
また、中古の家で洋式の場合は、やや贅沢ですが、暖房便座が付いているかも確認します。

暖房便座があれば、冬も快適に用を足すことが可能です。
ちなみに、トイレを和式から洋式にリフォームする費用は、ホームセンターなどに併設されている、リフォームコーナーに依頼すれば、10万円程度の費用で済み、思いの他リーズナブルです。

またトイレは、手摺が付いているかもチェックすべきです。
手摺があれば、腰痛などで歩行が困難な際にも、用を足すのが楽になります。

ちなみに手摺は、ホームセンターで数千円で購入することが可能ですが、安易に取り付けると、持った際に外れる危険性があります。
取り付けは工務店に依頼するのが理想です。

ご家族に車椅子をご利用の方がいらっしゃる場合は、新築、中古問わず、トイレの戸の間口が車椅子より広く、
車椅子の出入りが可能であるかも確認する必要があります。

5.庭の広さと日当たり

定年後に家を買うということは、それまでにできなかった夢を叶えるチャンスでもあります。
定年後に菜園を楽しむ夢がある場合は、庭の広さはもちろん、庭の日当たりもチェックする必要があります。

菜園を楽しむには、日光が欠かせません。
もちろん日陰で育つ野菜も存在しますが、日向だけで育成が可能な野菜が多数を占めます。

庭で菜園を楽しむ希望がある場合は、庭が南向きであり、朝日が当たるかもチェックする必要があります。
日当たりだけは、リフォームや建て替えで取り返すことはできません。

これまでとは違う視点で選ぶのがポイント

定年後に家を買う際のポイントをご紹介しました。
定年後に家を購入する際には、中高年ならではの目線で家を選ぶ必要があります。

その際には、「階段を上り下りせずに済む家」「寝室が暖かい家」「冬に風呂が冷えない家」を選ぶことが理想です。
また、スーパーや総合病院、歯医者が近くにあれば、より安心した生活を送ることができるでしょう。