社会が高齢化となっている今、高齢者の5、6人に1人が認知症とも言われています。
自分の親が認知症になってもおかしくない時代であり、
今のうちから心の準備を始めておくことも無駄にはならないかもしれません。
まず他人に迷惑をかけないためには、どのような準備をしていけば良いのか考えていきたいと思います。
1.認知症を疑った時は病院を受診する
「何度も同じことを言ってくる」、「もの忘れがひどい」といった症状が見られる時、まずは専門の医師に相談をしましょう。
「脳神経内科」や「もの忘れ外来」というものがあります。
いきなりそういう病院に行くのは抵抗があるという場合は、かかりつけ医に相談をしてみましょう。
かかりつけの医者だと、過去の病歴や性格もある程度理解してくれていますから、より的確な病院を紹介してくれると思います。
受診する時には、今までの症状の日記などがあると便利です。
2.認知症と診断されたら介護保険を活用する
認知症の介護は長期戦となることが多いです。
そこで活用しておくと安心なのが、介護保険。
認知症と診断されたら、市町村に申請をして要介護認定を受けます。
要介護認定を受けると、介護度に応じて通所介護(いわゆるデイサービス)や短期入所(ショートステイ)、訪問介護・看護が受けられるようになります。
認知症の介護は患者さん自身だけでなく家族の精神的・肉体的にもダメージがあります。
ケアマネージャーさんに相談をし、専門家の力を借りて、1人では抱え込まないということが大事になってきます。
3.近所の人、親戚に認知症であることを伝えておく
認知症はひどくなると徘徊という症状が出ることは珍しくありません。
少し目を離すと早朝だろうが夜中だろうが、徘徊してしまっていることがあります。
ドアの鍵の開け方が分からない時は、窓ガラスを割って出ていくということもあり得ます。
そんな時に必要となってくるのがご近所さんの目。
認知症だということを伝えておけば、助けを得られやすいです。
近所付き合いが少なくなってきた現代、とても厳しい状況かとは思いますが、それでもやはり近所の人の目は必要かと思います。
4.財産管理について考えておく
認知症になると、財産が凍結されることがあります。
いざ介護で大きいお金が必要になった場合、とても困りますよね。
この問題への対策としては、家庭裁判所で成年後見人を決めておくということです。
成年後見人制度とは判断能力が不十分な方々を法律面や生活面で保護し支援する制度です。
後見人を誰にするか、どんな内容を委任するかは話し合いで自由に決めることができます。
認知症が進んで判断がつきにくくなる前に、あらかじめ親と相談しておくことも大事になってくるかと思います。
5.悪徳商法に注意する
核家族化が進んできている現在、独居の親も少なくないと思います。
そんな高齢者を狙って悪徳商法をしてくる悪い人がいるのも現実。
もし、認知症の親が悪徳商法にひっかかってしまったら、上記でも述べた成年後見人制度を利用して契約を無効にすることができます。
成年後見人を決めていない場合は、契約してしまった時点で判断能力が本当になかったかが証明しにくくなるので契約無効にするのは難しいケースもあります。
6.親の話を受け止めてあげる
認知症と診断されてしまうと、家族よりも本人が一番ショックを受けていることが多いです。
家族はその点をまずは受け止めてあげることが1番大切かと思います。
症状が進むにつれ、「なんでこんなこともできないのだろう」と感じること増えます。
そんな時に家族から頭ごなしに叱られたり、子供扱いをされてしまうとプライドはズタズタです。
そのストレスはさらに認知症の症状の進行を進めてしまいます。
認知症の症状が進むことで、家族の対応がさらにひどくなり、認知症もひどくなるという悪循環になりかねません。
家族の対応次第で薬以上の効果を期待することもできると言われています。
7.保険加入を考えてみる
最近CMでよく見るのが太陽生命保険の「ひまわり認知症治療保険」。
そのほかの保険会社さんからも介護特約などの保険が出てきています。
認知症となるととても長い期間介護が必要になってくるので、金銭的にも負担がのしかかってきます。
あらかじめ親がどうしたいのかを話し合い、こういう保険に加入するというのも一つの手ではないかと思われます。
親の認知症で悩んだら、周囲からの手助けも活用しよう
最後に、何度も述べていますが、高齢化社会が進んできている現代、認知症という病気は身近なものになってきています。
認知症という病気は、患者本人にとっても家族にとっても長い闘いになるものです。
症状がひどくなると24時間体制の介護が始まってきます。
家族だけでは対応することが難しくなるのは間違いありません。
あらかじめ親と話し合いをし、近所の方との交流を持っておき、社会からの助けを上手に活用して乗り越えていくことが大事です。