なぜ少子高齢化社会になったのか?その原因とは。【仕事・定年】

最終更新日:2017年8月10日

今、少子高齢化が進んでいることが社会問題になっています。
この状態がこのまま進んでしまうと、国民1人1人の生活にどんどん悪影響が及ぼされてしまいます。

そのため、何とか喰いとめなければなりません。
では、なぜ現代社会は少子高齢化になってしまったのでしょうか。

その原因についてまとめました。

1.第一次ベビーブームの時代に生まれた人たちが「高齢者」と呼ばれる世代になった

>今の時代は、通称「団塊の世代」と呼ばれる、第一次ベビーブームの時代に生まれた人たちが、一気に「高齢者」と呼ばれる世代に突入した時代です。
そのため、高齢者の人口が急激に増加しました。

これが高齢化の原因の1つです。
第一次ベビーブームに生まれた人たちは非常に数が多く、今の時代の子どもの数の倍以上であると言われています。

この数字が、高齢者の人口の増加を物語っています。
更に、今の若者世代も、いずれは高齢者になります。

そのため、年月が経つごとに、高齢者の人口が増えていきます。
それと反比例して、子どもの数が減っているので、世代ごとの人口のバランスが崩れてきています。

この悪循環の構図が、少子高齢化の大きな原因です。

2.結婚や出産を望まない人が増えた

「高齢者の人口増加に反して、子どもの数が減っている」という少子高齢化社会ですが、なぜ子どもの数が減っているのかというと、いくつかの原因があります。
その原因の1つが、「結婚や出産を望まない人が増えた」ということです。

昔は、「ある程度の年齢に足したら結婚し、子どもを産んで家庭を築く」というライフスタイルが、社会人の暗黙の了解でした。
しかし今は、様々な事情があり、「結婚や出産をしたくてもできない人」が増えてきました。

結婚や出産というものに魅力を感じないという人も増えています。
その結果、子どもを産む人の数がどんどん減り続け、子どもの人口も減少の一途をたどっているのです。

3.女性が積極的に社会進出するようになった

結婚や出産を望まない人が増え、子どもの数が減った背景の1つには、「女性が積極的に社会進出するようになった」ということが挙げられます。
昔は、女性が就くことのできる仕事が限られてきたため、女性側も「しばらく地味に働いてお金を貯めて、いずれ結婚したら仕事を辞める」という考えを持つ人がほとんどでした。

しかし今は、女性の食病選択の幅が大きく広がりました。
そして、女性にも、男性と同じだけのチャンスが与えられるようになりました。

その結果、「家庭に入るよりも、仕事の方が楽しい」「社会での成功を目指した方が、充実感を感じる」という女性が増えてきました。
その結果、「結婚をしない」もしくは「晩婚を選び、出産は最初から諦める」という人生選択をする女性が多くなり、女性が積極的に子どもを産まなくなったのです。

4.毎日の忙しさに振り回され、精神的に余裕のない若い人が増えている

今は、どの職場も多忙を極めています。
若い世代に人数が減っているため、多くの労働者を確保しづらいため、どうしても1人1人に課せられる労働量が多くなっています。

それに加えて、グローバル化により、競争はますます激化し、どこの業界も気が抜けない状態が続いています。
その結果、若い世代の人たちが、毎日の忙しさに振り回されるようになり、精神的に余裕が持てなくなりました。

その結果、1日1日を乗り切ることで精一杯という状態になり、「結婚や出産のことなど考えるゆとりがない」という若い人がどんどん増え続けています。
これは、男性も女性も同じです。

この社会背景も、少子高齢化の原因の1つです。
そのため、「交際している恋人はいるが、なかなか結婚に踏み切ることができない」「結婚しても、共働きで忙しく、子どもを作る余裕がない」という状態を生み出してしまっています。

若い世代の精神的余裕が奪われてしまったために、子どもを産むことができないという結果を生み出しています。

5.出産や育児をする経済的な余裕がない

子どもの数が減っている背景には、若い世代の経済事情も関係しています。
今の時代は、給料やボーナスが上がりづらい時代です。

そのため、若い世代の人たちは、「自分たちの日々の生活を維持させるだけで精一杯」という人が少なくありません。
この状態では当然、今以上にお金がかかる出産や育児を諦めざるを得なくなります。

その結果、子どもの数も減ってしまいます。
この状況から何とか抜け出そうと、共働きを始める夫婦もいます。

そうなると今度は夫婦共に忙しくなり、子どもを作ったり育てたりするための体力的・精神的余裕がなくなります。
「働かなければお金がなく、働けば疲れて余裕がなくなる」という悪循環から抜け出せないことが、少子化をどんどん深刻な状態にしてしまっているのです。

少子高齢化は、ただ単に「高齢者の数が増えて、子どもの数が減った」というだけの単純な問題ではありません。
高齢者の数が増えているにも関わらず、若い世代が今の社会の厳しさの渦中に放り込まれ、色々な意味で余裕をなくしているということが大きな原因であり、早急に解決すべき課題です。

しかし、「社会のせいだ」と世の中だけを責めても、何の解決にもなりません。
少子高齢化の厳しい社会の中で、「自分が本当に納得できる人生を歩むためには、具体的にどうしたら良いのか」ということを、世代を問わず、1人1人が自発的に考えていかなければなりません。