大阪城は豊臣秀吉が築城し徳川氏の手により復興された日本三名城の1つ!

最終更新日:2017年11月24日

天下の名城という話題になると必ずと言っていいほど名前が挙がる大阪城は、日本で最も有名な城として長く親しまれきました。

歴史好きのシニアなら一度は訪れたい名城だけに、大阪城は1年中大勢の観光客で賑わっています。

1.日本史の舞台となった名城中の名城

大阪府大阪市にある大阪城は日本三名城の1つにも挙げられ、その歴史は安土桃山時代にまでさかのぼります。

天下一統の偉業を成し遂げた豊臣秀吉が現在大阪城のある地に「大坂城」として築城したのが始まりで、秀吉の死後は息子の秀頼へと城主が受け継がれました。

その豊臣氏が1615年に勃発した大坂夏の陣で滅亡した際に大坂城も一度は焼け落ちましたが、幕府直轄の城として徳川氏の手により復興された経緯があります。

そのときの天守閣は1665年の落雷で焼失した後、明治維新による廃城を経た昭和6年に鉄筋コンクリート造8階建ての天守閣として266年ぶりに再建されました。

この天守閣は平成の大修理で耐震補強工事が実施され、文化財保護法による登録有形文化財にも指定されています。

博物館「大阪城天守閣」として内部に入ることもできるため、大阪城の中でも来場者の人気を集めてきました。

大阪城内には江戸時代の遺構も数多く残されており、歴史好きのシニアには見どころが盛りだくさんです。

2.大阪城の歴史が学べる天守閣

大阪城の中でも特に人気が高い天守閣は1階から8階までさまざまな歴史資料が展示され、大阪城の歴史が学べるさまざまな設備が整っています。

1階には豊臣秀吉と大阪城の歴史に関する映像を上映するシアタールームがあり、2階には城郭に関するパネル展示やさまざまなレプリカが見られます。

大阪城本丸復元模型と黄金の茶室原寸模型が展示された3階や、大坂夏の陣図屏風をモチーフとしたパノラマビジョンが見られる5階も人気のスポットです。

地上50mの高さから大阪市内が360度に一望できる8階の展望台は、最も多くの観光客で賑わいます。

1階と8階にあるミュージアムショップには大阪城ならではの記念グッズが販売されていますので、お土産を買うのに是非立ち寄りたいスポットです。

大阪城天守閣は1階から5階までエレベーターで移動し、6階から8階まで階段を上るのが一般的な移動方法ですが、車椅子の人は8階までエレベーターで上ることができます。

3.江戸時代から残る重要文化財と石垣

大阪城を訪れたら天守閣だけでなく、城内に点在する重要文化財の数々も見逃せません。

城全体が「大阪城跡」として国の特別史跡に指定されており、江戸時代から残る貴重な遺構も点在しています。

城内で最も古いと推定される千貫櫓と乾櫓は、大坂冬の陣からわずか5年後の1620年に行われた第一期修築工事の際に建てられた建造物です。

嘉永期に修復された大手門も創建は江戸初期にさかのぼり、一番櫓と六番櫓・金蔵・金明水井戸屋形も1928年の第三期修築工事までに建てられたものと推定されます。

江戸前期建造と伝えられる焔硝蔵や明治20年再建された多聞櫓も含め、3棟の塀と合わせた合計11件が国の重要文化財に指定されています。

城内の随所に見られる石垣とお堀も江戸時代の築城技術を物語る貴重な歴史遺産で、130トンにも達する蛸石や120トンの肥後石など城内に残された巨石の数々も見ものです。

4.豊臣氏滅亡の悲劇の物語

大阪城をめぐる悲劇の物語は江戸時代以来さまざまな講談や歴史小説として描かれ、庶民の間で長く親しまれてきました。

天下人として権勢を誇った豊臣秀吉は関白の位を甥の秀次に譲った後に隠居所として伏見城に移り住みましたが、大坂城は依然として豊臣政権の重要な本拠地でした。

秀吉の死後に後継者となった息子の秀頼も母の淀殿とともに大坂城を居城とし、関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が政権を掌握した後も豊臣氏は隠然たる勢力を維持していたのです。

やがて勃発した大坂冬の陣で大きな痛手を被った豊臣氏は真田幸村らの奮戦も虚しく大坂夏の陣で滅亡し、大坂城も灰燼に帰してしまいます。

真田幸村の伝説的な活躍は講談の題材となって日本人の心に生き続け、シニアの間では池波正太郎「真田太平記」などの名作歴史小説も愛読されてきました。

2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」でも大阪城をめぐるこうした悲劇が描かれ、大きな反響を巻き起こしたのは記憶に新しいところです。

5.大阪城全体が広大な公園に

以上のような歴史の舞台となった大阪城も、現在は城全体が大阪城公園として大阪市民ばかりでなく国内外から訪れる大勢の人々で賑わう観光スポットです。

面積およそ100万平方メートルにも及ぶ広大な公園内には大阪城を取り囲む形で、豊國神社や大阪城ホール・大阪市立大阪城音楽堂といった施設が点在しています。

西の丸庭園は桜の名所としても知られ、二の丸市正曲輪の梅や北外曲輪の桃の花も観光客の目を楽しませてきました。

大阪城を訪れたら天守閣や城内各所の文化財を巡りながら、豊かな自然の残る公園内を散策してみるといいでしょう。

外堀の水辺には多くの野鳥も集まりますので、バードウォッチングにも最適です。

大阪城の最寄り駅はJR大阪環状線の大阪城公園駅で、駅舎から出るとすぐに大阪城の天守閣が目に飛び込んできまし。

アクセスの良さも抜群なことから、大阪城はシニア世代の人も訪れやすい名城です。

大阪城で歴史の魅力に浸ろう

大阪城は歴史好きの人や城マニアだけでなく、歴史や城にそれほど興味を持っていなかった人にも親しみの持てる観光名所です。

現在は城内全体が都市公園として整備されている大阪城には、随所に歴史の痕跡が残されています。

天守閣を見上げながら城内を歩くうちには、歴史が苦手だった人でも日本史に興味が湧いてくるものです。