人参は、緑黄色野菜の代表的な存在です。
鮮やかなオレンジ色と青々とした葉っぱが特徴です。
葉つきのものは手に入りにくいですが、葉も栄養が豊富です。
昔は子どもの嫌いな野菜の上位に入っていましたが、いまは品種改良が進んでいるので、子どもにも身近な野菜になってきました。
1.人参の特徴
スーパー等で一年中みかける身近な野菜の人参は、アフガニスタンから伝わってきました。
緑黄色野菜の特徴でもある豊富なカロテンは、表皮の下に最も多く含まれているので、皮をむかないで調理したほうが良いです。
カロテン、カリウム、ビタミンCなどを豊富に含んでいるので、昔から栄養価の高い野菜であると知られています。
お正月の料理に使われる「金時人参」や黄色い「金美人参」、表皮が紫色をしている「紫人参」などもあります。
沖縄の野菜で、黄色くごぼうのように長い「島人参」というものもあります。
生で食べたり、炒めたり、煮たりと色々な調理ができるので、食卓に取り入れやすい野菜です。
冷蔵庫で保存する場合は、ビニール袋に入れて立てて保存すると、新鮮さを長く保てます。
2.人参の健康・体への効果
人参にはたくさんの栄養素が含まれていますが、まずは豊富に含まれるカロテンです。
カロテンは、人参のオレンジ色のもとになっている栄養素です。
免疫力を高める効果があり、皮膚や粘膜を強くします。
視力低下や疲れ目にも効果があります。
また、強い抗酸化作用があるのでガンや心臓病、動脈硬化を予防する作用があるとも言われています。
また、カリウムが含まれているので、取りすぎてしまった塩分を排出して、高血圧の予防にもなります。
食物繊維も含まれていますので、腸をキレイにして便秘の改善にも役立ちます。
ビタミンCにはお肌のアンチエイジング効果が期待できます。
しかし、人参にはアスコルビナーゼというビタミンCを壊す酵素も含まれています。
なるべく加熱をするか、生で食べる場合は、酢やレモン汁入りのドレッシングで食べると酵素の働きを抑えることがきます。
>
3.おいしい人参の見分け方
全体的に人参特有の赤みが強く鮮やかなものが良いです。
太陽の光をたっぷり浴びて育ち、カロテンが多く含まれているということです。
肌はなめらかできめ細かく、ツヤやハリがあるものを選びます。
鮮度がいい証拠です。
肌が黒ずんでいたり、さわった感じが硬いものは鮮度が落ちています。
人参の表面には小さな毛のような根が生えています。
この根が均等に並んでいるものが、おいしい人参です。
この根の間隔が一定でないものは、肥料をやりすぎたり足りなかったりと、養分をうまく吸収できなかったということです。
最後に、人参の葉を落とした切り口の部分を確認します。
直径が大きなものだと葉に栄養を持っていかれているので、切り口の直径が小さなものを選ぶようにします。
4.人参の保存
人参を冷蔵庫で保存する場合には、ビニール袋に入れて立てて野菜室に保存をします。
蒸れたり湿ったりすると傷んでくるので、水分をこまめにふき取ることを心がけます。
使いかけの人参はラップで丁寧に包み、野菜室で保存をします。
冷蔵庫の野菜室で長く保存するとしなびることもあるので、すぐに使わない場合は、冷凍して保存する方法もあります。
人参を千切りや角切り、短冊切りといった使いやすい形に切ります。
角切りや短冊切りの人参は、固めに茹でて冷水にとって冷まします。
金属製のトレイにラップを敷き、人参を重ならないように置いてラップをかぶせて急速冷凍します。
凍ったら冷凍用の保存袋に入れて保存します。
解凍方法は、室温で自然に解凍するか、凍ったまま調理をするという方法もあります。
ラップに包んだ状態だけで冷凍保存した場合、ラップには微細な穴があいているので、乾燥することがあります。
必ず冷凍用の保存袋に入れて保存するようにします。
5.人参をたくさん食べられる調理法
人参をスライサーで細切りにし、熱湯をかけます。
湯でもどしたレーズンを加えたら、塩、こしょう、酢、オリーブ油、レモン汁をかけてよく混ぜて、冷蔵庫で保存します。
毎回の食事に少しずつ食べると、栄養バランスを整える副菜として役立ちます。
沖縄料理である人参しりしりも人参をたくさん食べられる調理法です。
人参1本全部を使っても、食べやすいのでぺろりと平らげることができます。
作り方は、人参をスライサーで細かくスライスします。
次にスライスした人参を炒めます。
ツナ缶を混ぜると風味やおいしさがアップします。
人参がしんなりしてきたら、塩こしょうや醤油、顆粒だしなどで味をつけ、溶き卵を入れて混ぜ合わせます。
人参のオレンジ色と卵の黄色で、目にもおいしく栄養満点です。
毎日の食卓に人参を取り入れましょう
人参は季節を問わず一年中手に入り、栄養素が豊富に含まれた野菜です。
調理法も色々あるので、料理のバリエーションが豊富ということも、飽きずに食べられる良い点です。
おいしい人参を選び、冷蔵庫で保存したり、長期保存をする場合はしなびる前に冷凍庫での保存も心がけましょう。
年齢とともに気になる生活習慣病を予防する効果もあるので、毎日の食卓に積極的に取り入れたい野菜です。