缶コーヒーに含まれる大量の砂糖や人工甘味料、香料や乳化剤・安定剤は危険かも

最終更新日:2017年10月18日

コンビニコーヒーのヒットでシェアを落としているとは言え、自販機でも手軽に買える缶コーヒーは根強い人気があります。

缶コーヒーは仕事の合間などにもよく飲まれていますが、含まれる成分には注意が必要です。

1.缶コーヒーの種類と添加物

飲料各メーカーから発売されている缶コーヒーにも、非常に多くの種類が見られます。

缶コーヒーに含まれる砂糖の量という観点から分類すれば、加糖コーヒーと微糖コーヒー・無糖コーヒーの3種類に大きくわけられます。

比較的大きいサイズの250g缶で売られている例も多い加糖コーヒーは、甘党の人に人気の缶コーヒーです。

微糖コーヒーは砂糖の量を抑えた点が受けて、ダイエット志向の人に人気を集めています。

砂糖がほとんど含まれない無糖コーヒーはブラック志向の人が好んで飲む製品です。

これらのうち特に問題となるのが加糖コーヒーで、甘さを出すために大量の砂糖が使われている点で健康への悪影響が懸念されます。

微糖コーヒーや無糖コーヒーなら問題ないのかと言えば、必ずしもそうとは言い切れません。

微糖コーヒーは砂糖を減らす代わりに人工甘味料が使われ、無糖コーヒーにも安定剤や乳化剤といった添加物が含まれる製品が多いのです。

2.大量に含まれる砂糖の危険性

甘い飲み物が好きな人に愛されている加糖コーヒーには、想像以上に大量の砂糖が含まれています。

缶に記載されている栄養成分表示を見れば明らかですが、一般的な加糖コーヒーの場合100ml当たりの炭水化物量は8g前後という例が多いものです。

250g入りの缶に換算すると、1本当たり20gもの砂糖が含まれている計算になります。

これは成人1日当たりの砂糖摂取量として25gが望ましいとするWHO(世界保健機関)の指針に迫る数字です。

1日にこのような甘い缶コーヒーを2本以上飲んでいる人は、それだけでWHOの指針をオーバーする量の砂糖が摂取されてしまいます。

砂糖の過剰摂取は肥満につながるばかりでなく、代謝の過程でビタミンB1やカルシウムを大量に消費されるためさまざまな体調不良につながるものです。

砂糖が大量に含まれた缶コーヒーを飲みすぎることで血糖値の高い状態が続くと、2型糖尿病の発症リスクも高まります。

3.人工甘味料に潜むリスク

微糖コーヒーは一般的な加糖コーヒーと比べて半分以下の砂糖しか含まれていませんが、これをカバーするために砂糖の何百倍もの甘さを持つ人工甘味料が使われています。

スクラロースやアセルスファムK・アスパルテームといったところが代表的な人工甘味料です。

砂糖の600倍という甘みを持つスクラロースを使った動物実験では、成長の遅れや赤血球の減少・脳腫瘍の増加など多くの副作用が報告されています。

アセルスファムKとアスパルテームでは発がん性などが認められず安全だと言われていますが、長期間の摂取による影響についてはデータが十分とは言えません。

一方でこれらの人工甘味料は頭痛やめまいなどの症状を引き起こすという説もあります。

缶コーヒーに使われている人工甘味料の健康に対するそういった悪影響については、確実に信頼できる研究結果がまだ存在しないのが現状です。

過剰摂取によって将来どのような影響が表れるか不明な点も少なくありませんので、心配な人は飲むのを控えた方がいいでしょう。

4.乳化剤や安定剤も有害の可能性

甘みを出す目的で使われる砂糖や人工甘味料の他にも、缶コーヒーにはさまざまな添加物が含まれているのが一般的です。

砂糖も人工甘味料も入っていない無糖コーヒーでさえ、香料や乳化剤・安定剤といった物質が加えられているケースが少なくありません。

特にミルクコーヒーなどで分離を防ぐための安定剤として使われるカラギナンには、動物実験で発がんリスクが確認されています。

人体には無害という報告もあるため少量の摂取であれば問題ありませんが、日頃からカラギナンが含まれた缶コーヒーを大量に飲んでいる人は注意が必要です。

また乳化剤はコーヒー豆に含まれる油脂成分が表面に浮いてくるのを防ぐ目的でよく使われ、水と油を混じり合わせる性質という点では石鹸や洗剤などの界面活性剤と同様の物質と言えます。

食品に使われる乳化剤は安全性が保証されていますが、他の添加物との相互作用までは確認されていません。

5.添加物の少ない缶コーヒー

以上のように書くと缶コーヒーを飲むのが怖くなってくるかもしれませんが、毎日のように缶コーヒーを飲み続けるのでない限りすぐに健康被害が及ぶというわけではありません。

コーヒーにはリラックス効果や脳を覚醒させる効果に加え、脂肪燃焼効果やアンチエイジング効果があることも知られています。

そのような効果はコーヒーメーカーやドリップ式などで淹れた本格的なコーヒーの話で、缶コーヒーの多くは大量の砂糖や人工甘味料・添加物の影響で必ずしも健康的な飲み物と言えなくなっています。

それでもコーヒーを缶で味わいたいという人は、できるだけ添加物の含まれていない無糖コーヒーを選ぶようにするといいでしょう。

コーヒー通の人には缶コーヒーの味は不評ですが、その評価には缶コーヒーに含まれる添加物の味も影響しているものです。

現在は飲料メーカーから無添加のブラック缶コーヒーが多く発売されており、コーヒー通の人もおいしく味わえるように製法が工夫されています。

正しい知識を持って、コーヒーの健康効果を享受する

コーヒーそのものはまったく飲まない人よりも毎日飲む人の方が死亡リスクが下がると言われるほど、健康に良い影響を与えてくれます。

できればドリップ式などで味わいたいところですが、缶コーヒーの手軽さも捨てがたいものです。

含まれる成分に着目して上手に利用すれば、缶コーヒーを楽しみながら健康も守ることができます。