ポテトチップスの種類と量を吟味し、健康リスクを減らそう

最終更新日:2017年10月18日

子供から大人まで人気を集めているスナック菓子の中でも、ポテトチップスは売上ナンバーワンの製品です。

毎日のように食べている人も少くありませんが、ポテトチップスの食べすぎは健康に害を与える可能性があります。

1.塩分と脂肪の過剰摂取に注意

ポテトチップスが体にあまり良くないと言われている理由の1つに、塩分と脂肪の多く含まれている点が挙げられます。

一般的なうすしおタイプのポテトチップスの例で言うと、100g当たりに含まれる塩分は約1gです。

ポテトチップスは油で挙げられているため脂肪分はさらに多く、内容量に占める脂質の割合は3分の1を上回ります。

塩分の摂りすぎは高血圧の原因となるだけでなく、胃がんや骨粗鬆症の原因となることが知られています。

脂肪の過剰摂取は言うまでもなく肥満の原因となり、心疾患や脳卒中などさまざまな生活習慣病も招きかねません。

ポテトチップスをおやつとしてたまに食べる程度ならそれほど問題はありませんが、1日に1袋以上を毎日食べているような人は要注意です。

ポテトチップスを毎日1袋食べ続けると、1年間で20リットル以上の食用油を飲むのに匹敵するとも言われています。

2.過酸化脂質とトランス脂肪酸

脂肪そのものは炭水化物やたんぱく質とともに3大栄養素の1つに数えられ、エネルギー源や細胞膜の材料として食物からの摂取が不可欠です。

脂肪にもいろいろな種類があって、ポテトチップスに含まれる脂肪は必ずしも良質な油ばかりとは限りません。

自分でジャガイモを薄切りにしてポテトチップスを自作する場合は新しい油を使って揚げることもできますが、工場で大量生産されるポテトチップスは何度も使い回された油で揚げられている可能性もあります。

このような油は酸化が進んで過酸化脂質へと変化しており、過剰摂取すると老化の原因となってがんや動脈硬化を引き起こします。

ポテトチップスのメーカーや製品によっては、悪玉コレステロールを増やして高血圧や心筋梗塞の原因となるトランス脂肪酸が多く含まれている場合もあります。

ポテトチップスを食べると手に油が付着しますが、その油は必ずしも健康に良いとは限らないのです。

3.発がん性を持つアクリルアミド

ポテトチップスで塩分や脂肪以上に健康への害が懸念されるのは、ジャガイモを油で揚げる際に生じるアクリルアミドという物質です。

アクリルアミドは塗料や接着剤としても使われている物質で、発がん性や神経毒性を持つため毒物及び劇物取締法の対象とされています。

それほど強い毒性を持つアクリルアミドがなぜポテトチップスに含まれているかと言えば、原料のジャガイモに含まれるでんぷんが還元糖に変化しているからです。

アクリルアミドはアミノ酸の一種アスパラギンと還元糖が高温下で反応することで発生します。

茹でたり煮たりするような調理法では最高でも100度にしかならないためアクリルアミドは生じませんが、油で揚げると180度という高温になります。

そうした条件下ではジャガイモに含まれるアミノ酸とでんぷんが変化した還元糖が、有害なアクリルアミドに変わりやすくなります。

一般にジャガイモを低温で保存するほどでんぷんが還元糖に変化しやすいと言われています。

4.さまざまな病気の原因に

過酸化脂質やトランス脂肪酸・塩分・アクリルアミドが含まれるポテトチップスを大量に食べ続けると、さまざまな病気を発症するリスクも高まります。

ポテトチップスはカロリーも高く脂肪が大量に含まれていますので、当然のことながら肥満につながりやすいものです。

肥満は糖尿病などあらゆる生活習慣病の原因となるため、シニア世代でも特にメタボ体型の人はポテトチップスの食べすぎに注意が必要です。

過酸化脂質やトランス脂肪酸の過剰摂取は血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。

特に過酸化脂質は有害な活性酸素を増やして細胞を老化させるため、加齢を原因とするさまざまな病気を引き起こしかねません。

アクリルアミドは前述の通り発がん性を持つ物質ですので、ポテトチップスを毎日のように食べている人はそれだけがんのリスクも多く背負い込むことになります。

5.添加物にも要注意

以上のような健康リスクはうすしお味も含めたポテトチップス全般に共通しますが、コンソメ味や辛口など独特の味付けをした製品も少くありません。

そうした製品にはうすしお味にない食品添加物が使われている場合もありますので、よりいっそうの注意が必要になります。

コンソメ味のポテトチップスでは着色料が使われている製品も多いですが、トウガラシの実から抽出されたパプリカ色素は安全性に問題はないと言われています。

原材料名にカラメル色素と表示されている場合は、発がん性を持つカラメルIIIやカラメルIVが使われている可能性があるので大量に食べるのは避けるのが無難です。

酸味料もポテトチップスに使われる例の多い添加物ですが、通常は「酸味料」としか記載されずどの種類の酸味料なのかわかりません。

「調味料(アミノ酸等)」と記載されるL-グルタミン酸ナトリウムや、ステビア・スクラロースといった甘味料も安全性にまったく問題がないとは言えない添加物です。

ポテトチップスの種類と量を吟味し、健康リスクを減らそう

シニア世代の人でもおやつにポテトチップスを食べている人は増えていますが、以上のような理由から食べすぎは禁物です。

過剰摂取しない範囲内であれば、できるだけ添加物の使われていない製品を選ぶことで健康への影響を抑えることができます。

子供や孫におやつとして与える際にも、量はほどほどにしておくといいでしょう。