大豆に含まれる豊富な栄養分とシニアの健康・病気予防への効果

最終更新日:2017年9月21日

大豆は、日本の伝統的な食材として馴染み深いものかと思います。

長く食べ続けられてきただけあって、大豆に含まれる栄養分はとても高いことで知られています。

大豆には実際どんな栄養が含まれていて、どのような食べ方があるのかについてまとめてみました。

1.大豆に含まれる豊富な栄養分

大豆の代表的な栄養分といえば、構成成分の30%を占める良質なタンパク質です。
タンパク質は、私たちの体の材料であり、エネルギー源となる三大栄養素のひとつです。

「畑の肉」と呼ばれるようになったのも、お肉と変わらないほどタンパク質をたくさん含んでいるからです。
アメリカでは「大地の黄金」と呼ばれるそうです。

さらに、大豆のタンパク質は、必須アミノ酸(体内で合成できず外から摂らなくてはならないアミノ酸)をバランスよく含んでいます。

一般的に植物由来のタンパク質は栄養価が低いと言われていますが、大豆は肉などの動物タンパク質に劣らない良質なタンパク質でできています。

ほかにも脂質、炭水化物、食物繊維、銅、鉄、亜鉛、マグネシウム、カリウム、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンEなど、体にとって大切な栄養素をたくさん含んでいます。

2.特徴的な栄養素「イソフラボン」とホルモンの関係

また、大豆に特徴的な栄養素としてイソフラボンが挙げられます。
イソフラボンは、体の中でエストロゲンというホルモンと同じはたらきをすることで知られています。

エストロゲンとは、2種類ある女性ホルモンのひとつであり、イソフラボンとそっくりの化学構造をしています。
肌などを若々してくれる効果で知られています。

エストロゲンは、特に女性は40代から急激に分泌量が減少するので、不足しがちになります。
よって、イソフラボンを摂ることは、ホルモンバランスを整えることに繋がります。

さらに、イソフラボンには、シニアの骨粗鬆症の予防や、自律神経の調子を整えくれて更年期の不調を緩和する効果があります。

3.大豆の病気予防効果

大豆は、ガン予防の効果がとても高いと考えられることで世界中で注目されています。
最新の研究に基づき、近年、アメリカ政府は、ガン予防に効果的とされる食品「デザイナーフーズ」を発表しました。

その中でも1番効果の高いと考えられる8種類の食品のひとつとして挙げられています。
ちなみに、他の7種類はキャベツ、しょうが、にんにく、にんじん、セロリ、パースニップ、甘草。

私たちに馴染み深い食品が多くあります。
また、大豆に含まれるタンパク質には血液中のコレステロールを取り除く効果があり、肥満の改善に役立つと言われています。

具体的には大豆レシチン、大豆サポニンといったタンパク質が挙げられます。
また、大豆にレシチンには抗酸化作用もあるため動脈硬化の予防・改善にも効果があります。

4.大豆が原料の食品

大豆が原料の代表的な食品として、味噌や醤油、豆乳が挙げられます。
主原料は大豆ですが、加工法の違いによって、それぞれに良さがあります。

味噌は、大豆を発酵させて作られます。
発酵されることにより、大豆にはほとんどないアミノ酸やミネラルなどの栄養素を含んでいます。

さらに発酵過程で、大豆のタンパク質が分解されて6割がアミノ酸になるため、大豆よりも栄養分の消化吸収にすぐれています。
つまり、胃に負担がかからず身体に優しいと言うことができます。

醤油も、味噌と同様、大豆を発酵させ作られる食品です。
発酵により栄養吸収効果が高いほか、その独特の香りには食欲をそそるだけでなく高い抗酸化作用を持つと言われています。

また、適度なアルコールと塩分により殺菌効果もあります。
豆乳は、水に浸した大豆をすり潰して煮てできたものです。

生成過程により、消化しづらい繊維質が取り除かれるため、消化吸収が大豆よりも良くなっています。
見た目と食味が牛乳に似ていることが特徴で、牛乳の代用として料理に用いられることもできます。

牛乳は、脂肪分も高いうえ乳糖が体に合わない方も少なからずいるので、その点では豆乳を使う方が健康的と言えるでしょう。

5.大豆そのままを使った料理

大豆はそのままでは固くて食べづらいので、煮物にされることが多くなります。

こんにゃくを醤油やみりんと絡めて煮る「甘辛煮」、にんじんやレンコン・昆布も一緒に煮る「五目豆」などが、大豆を使った煮物の代表的な献立です。

また給食で人気のあるメニューとして、片栗粉をまぶして酢や醤油で揚げる「甘辛揚げ」、ツナと炒めてご飯にのせて食べる「ツナ大豆ご飯の素」が挙げられます。

6.豆腐を使った料理

また、豆乳を固めて作られる豆腐は、お味噌汁のほか、様々な料理に用いられます。

「豆腐ハンバーグ」や「豆腐ステーキ」など、定番メニューのお肉の代わりに使われることも多くなります。

豆腐をお肉代わりに使うと、ボリュームはきちんと出ますが、油分がない分さっぱりとした味を楽しめます。

コレステロールを気にされている方にはオススメです。
また「豆腐ドーナツ」など、ヘルシーなスイーツとして人気があります。

こちらも、糖分が控えめであったり、おやつで体にいい栄養が摂れたりといったメリットがあるのが人気の理由です。

シニアは積極的に食事に大豆を取り入れていこう

以上のように、大豆には、良質なタンパク質を始めとする様々な栄養がバランスよく含まれていて、動脈硬化やガン予防にも効果があるとされています。

さらに、加工した大豆製品は、料理に取り入れやすいうえ、大豆よりも消化吸収がすぐれています。

料理の際には豆腐をお肉の代わりに使うなどして、健康的な食生活に役立てていきたいものです。