毎日の食卓で、食べないことがない野菜ですが、自分で育てることなど考えてもいなかったという方もいらっしゃるでしょう。
鉢植えの草花や庭の手入れが好きな方なら、その延長線に家庭菜園の楽しみがあります。
自宅の庭先や貸し農園など、始めてみるとその面白さにハマってしまいます。
苗を植え、花が咲き、実が付き、採れたて野菜の甘くてみずみずしい味に感動してしまいます。
毎日、野菜たちの成長を実感しながら、菜園の世話をすることは健康にもつながります。
1.春先の作業、土作りがいちばん大切です
美味しい野菜を作りたいなら、まず土作りから始めましょう。
硬くて栄養不足の土壌ではせっかく苗を植えても立派に育ってくれません。
一手間かけるだけ、美味しい料理を作るときの下ごしらえと同じです。
まず、土を20〜30センチの深さまでミニスコップで耕し石ころなどを取り除いたあと、石灰を撒き土とよく混ぜます。
石灰に含まれるアルカリ成分が、日本の酸性の土を中和して野菜を育てやすくするためです。
次は、苗床を作ります。
苗床の高さは約20センチ、幅60センチくらいに成形し、長さは広さ次第ですが、元肥を撒いたあと表面の土を平らにならしておきます。
苗を植える二週間ほど前に済ませておきましょう、これで準備完了です。
2.育てやすい苗、ナスなどを植えましょう
最近は、ナス、ピーマン、ミニトマト、枝豆、トウモロコシなど、ホームセンターなどで手軽に苗が手に入るので、初めての人でも育てやすい野菜はたくさんあります。
菜園の広さを考えて、まずは2〜3種類を育てましょう。
ここでは、ナスとミニトマトの育て方をご紹介します。
「ナスビの花は千に一つの無駄もない」のことわざ通り、たくさんの収穫が期待できます。
種類は、水ナス、千両ナス、長ナスなどありますが、同じ種類ばかりでなく、違ったものを育てると楽しみが増えます。
初めは管理しやすいよう、2、3本から育てましょう。
苗は4月中頃から5月末頃まで手に入りますが、病気やストレスに強い接ぎ木苗をオススメします。
20センチ以上に成長した、茎が太く、葉が大きく勢いのいいものを選びます。
植える時期は一般的に4月末〜5月始めくらいですが、それぞれの地域の気候に応じて植えてください。
耕しておいた土に、60センチ間隔にペットボトルの底などで印をつけ、根の部分がすっぽり埋まるよう植えます。
1本の苗に2、3本の支柱を立てておきます。
苗の成長に伴って、倒れるのを防ぐため紐で支柱に結びます。
根が定着するまでは、毎日、水やりが必要です。
大きくなってしまえば、あまり水やりしなくても大丈夫です。
ナスは肥料をあげることによって、格段と収穫が増えますので、二週間に一回の割合で追肥を忘れずに。
動物や植物を原料とした有機系肥料がオススメです。
追肥は二週間に一度、根本から少し離れたところへ撒き土を被せます。
1ヶ月もすると紫の花が付き始め、ナスの実が付いてきます。
7月から9月末くらいまで、次々と収穫が楽しめます。
3.夏の食卓の王様、ミニトマトを植えましょう
ミニトマトには、フルーツトマト、イタリアン・トマト、イエローミニなど苗の種類も豊富になってきました。
ナス同様、違った種類のものを2種くらい選んで育ててみましょう。
苗を選ぶときは、茎が太く、葉が青々して勢いがよいものを選びましょう。
あまり小さい苗より、20センチくらいに成長して花が咲きかけているくらいの苗の方が定着しやすいです。
1本の苗に、身長くらいの高さの支柱を立てます。
成長に従って、主枝を支柱に結びます。
ミニトマトで注意が必要なのは、わき芽を早く取らないと主枝の成長を妨げてしまいます。
わき芽の探し方は、主枝と茎の間に出てくる数センチの芽ですが、見つけたら摘んでしまいましょう。
花が咲いて1ヶ月くらいから収穫できます。
赤く熟したものから収穫するのがベストですが、房ごと採りキッチンの窓際などにおいておくと、順に赤くなり食べごろになってさます。
トマトは中南米の山岳地帯が原産で、水を嫌う野菜です。
根が定着したあとは、三週間に一度の割合で追肥をやり、水やりしなくていいので助かります。
4.夏の暑さから苗を守るために、ワラを敷きましょう
マルチという黒いビニールシートを施してもいいのですが、経費の安い敷きワラがオススメです。
ホームセンターで一束数百円で買えば充分の量があります。
ある程度、苗が大きくなって根が定着したあとに、ワラを十センチほどにカットし、根のまわりから苗床全体を覆うように敷きつめます。
梅雨どきの泥はねや雑草対策、夏の暑さから苗を守ります。
育てやすい野菜から家庭菜園を始めてみよう
家庭菜園を始めると、一年を通して順番に作業が待っています。
土作りや苗植え、水やり、草取り、花が咲き、やがて収穫の嬉しさは言葉で言い尽くせない喜びの瞬間です。
天候や苗の病気などうまくいかないこともありますが、失敗作でも自分の作った野菜はいとおしいものです。
一年ごとに勉強しながら、野菜作り名人を目指してください。
自信がないという人は、まずベランダや庭先のプランターから始めてみるのもオススメ。
ナス、ミニトマト、ピーマン、ししとうなど簡単な野菜から育ててみてはいかがですか。