春の青空から、ピンクの滝が流れ落ちているような、三春滝桜は一度は見る価値のある風景です。
千年以上も大地に根を張り、毎年素晴らしい花の滝を見せてくれる桜を見に出掛けましょう。
1.アクセス
三春滝桜を見に行くためには二通りの方法があります。
まずは鉄道を使う方法です。
東北新幹線で郡山駅まで行き、JR磐越東線に乗り換えます。
そして、三春駅で下車します。
花の季節には三春駅発の有料シャトルバスが運行されます。
8kmですからタクシーで向かってもそれほど時間は掛かりません。
しかし、花の季節は道路が混雑しますので、バスの方がオススメです。
もうひとつの方法は車を使う方法です。
磐越自動車道の船引三春インターで下りて約3kmです。
花の季節には降り口で大渋滞となりますので、できれば朝早く到着できるようにすると良いでしょう。
桜の近くには、花の季節だけ駐車場ができますので、そこへ車を駐めます。
ここも、混雑しますから、早く到着して桜の近くの場所を確保するようにしましょう。
2.日本の桜の中でも絶対の存在感を示します
日本の三大巨桜に数えられ、その姿は見る物を圧倒します。
少し高くなった場所に柵に囲まれて咲き誇っています。
樹齢は約千年、大きさは高さが12m、根回りが9.5m、枝張りは東西22m、南北18mです。
この数値だけでは大きさは想像できないと思いますが、実際に見てみると本当に大きいことがわかります。
紅しだれ桜という種類なので、色は少し濃いピンク色です。
そして、ほのかに良い香りがしてきます。
晴れていれば、青空に映えて、その美しさは目を見張るようです。
開花は、4月中旬から下旬です。
3.美しさとともに強さも持っています
この桜は決してなよなよとした美しさではありません。
その大きさから、力強さも感じられます。
そして、実際にとても強いのです。
2005年には大雪で枝が十数本も折れてしまいました。
しかし、その春、いつもと同じようにキレイな桜の滝を見せてくれました。
そして、2011年の東日本大震災でも、いくつかの小枝は折れたものの、桜自体には大きな被害はありませんでした。
しっかり大地に根を張って立っていたのです。
しかも、ちゃんと花は咲かせました。
4.子孫もたくさんいます
この滝桜の子孫もたくさんいて、あちこちで美しく咲いています。
三春町と姉妹都市の岩手県一関市にも子孫の花が咲きます。
また、三春は伊達政宗の正室愛姫のふるさとであることから、仙台にも移植されています。
その桜は仙台城趾公園の伊達政宗造像を望む場所に植えられているのです。
なんとも粋な計らいではありませんか。
他にも何カ所にも移植され大切にされています。
更に、海外でも台湾やポーランドなど数カ所で花を咲かせているのです。
5.滝桜の子孫も販売されています
花の季節だけ、滝桜の周辺には桜の苗を売る植木屋さんが出店しています。
ここでは、滝桜の子孫と言われる苗も売っています。
自宅に植えるスペースのある人は買って帰るのもオススメです。
しかし、桜はかなり大きくなりますので、広いスペースを要します。
しだれ桜は余計にスペースを取りますので、最初小さいからと安心せずに、十分な余裕を持って植えてあげることが肝要です。
また、桜の木や葉を使った工芸品なども売っています旅の思い出に、そんなお店を覗いて見るのも楽しいでしょう。
軽い食事とお茶のできる場所もありますから、歩き疲れたなら休みがてらのどを潤しましょう。
お店の人に、桜のお話をして貰えることもあります。
余り知られていない話も聞くことができます。
6.桜を見た後は、民芸品を見に行きましょう
滝桜の近くに三春デコ屋敷という民芸品の工房があります。
三春には三春駒という有名な馬の木彫り人形があります。
このような木彫りの人形のことをデコと言うのです。
もともとこのあたりは馬の産地でした。
野生の馬が沢山いたために、それらを良い品種に改良して藩の産業としていたのです。
それを三春駒と言いました。
時代が下がると本物の馬はいなくなり、木彫りの人形がそう呼ばれるようになったのです。
三春駒には黒と白の馬がいます。
黒は子宝・安産・子育てのお守り、白は老後安泰。
長寿のお守りとして作られています。
いつまでも元気で旅をするためにも、健康寿命を延ばすために、白の三春駒を買って帰るのも良いお土産になるかもしれません。
7.周辺の桜も見て帰りましょう
三春には他にも沢山の桜が咲いています。
駅の周辺にも銘木と言われる桜が固まっていますので、ぜひ見に行きましょう。
車での旅なら、少し足を伸ばして見るのも一興です。
郡山市には紅しだれ地蔵桜や不動桜と呼ばれる桜があります。
また、滝桜の近くにある小沢という集落には小沢の桜と言われる一本桜が小高い丘の上に立っています。
根方に小さな祠もあり、写真好きな人たちに好まれています。
映画の撮影にも使われたことがあります。
8.滝の後は川のような桜はいかがでしょうか
三春インターの隣に小野インターというところがあります。
この町には夏井川の千本桜と呼ばれる桜が川沿いに咲きます。
両岸に咲いた桜の数は約千本、5kmに渡って川の両岸をピンク色に染めます。
まさに、薄桃色の川の様に見えます。
滝桜の帰りにちょっと寄り道をしてみるのも良いでしょう。
三大巨桜のひとつ、三春滝桜を見に行こう
福島のちょっと遅い春を楽しめる桜、その筆頭と言える三春滝桜は、その美しさと力強さで、見る者に大きな感銘を与えてくれます。
春の終わりに素晴らしい桜を見に行きましょう。