定年後の旅!嵯峨野の竹林の道(京都府)ほとんど知られていない竹林の道を散歩

最終更新日:2017年9月26日

京都市街、いわゆる洛中からも比較的簡単にアクセス出来る嵯峨野には、今なお竹林の道が随所に残されています。

誰もが知る竹林の道といえばここといえるほど有名な道も嵯峨野にあります。
代表的な竹林の道から、ほとんど知られていない竹林の道をご案内します。

1.天龍寺界隈

天龍寺の裏門を出て、大河内山荘に到る道は、嵯峨野に残る竹林の道としてはあまりにも有名です。
一度ならずテレビやガイドブックなどで、目にされたことがあるのではないかと思います。

ひとたび足を踏み入れた瞬間、「あ、ここだ」と思わず声を上げてしまいそうになる道です。
この延長300メートルにも満たない竹林の道は、短いながら実に変化に富んでいます。

途中、緩やかな勾配のついた坂道もあれば、右に左にクランクしたつづら折れになっているため、先を見通すことが出来ない仕掛けになっています。
しかも、頭上には真っ直ぐに伸びた竹が覆いかぶさり、昼でもほの暗い独自の雰囲気を醸す、まさに竹林の道そのもの。

さながら竹取物語の世界に迷い込んだような、幻想的な空間です。

2.常寂光寺から二尊院界隈

天龍寺から大河内山荘の前を過ぎ、急な坂道を降りてトロッコ嵐山駅をやり過ごすと、一本道は常寂光寺に到ります。
境内の中にも竹林を抱え込む常寂光寺から、落柿舎を経て二尊院に到るあたりは、今も所々に竹林が残されている界隈です。

天龍寺の裏の竹林の道沿いにはお店も住宅もありません。
対して常寂光寺の界隈には、数は多くありませんが甘味処や民芸店などが住宅と共に点在していて、嵯峨野らしい観光スポットにもなっています。

落柿舎の脇から二尊院に到る道は、昼でもほの暗い竹林の道が残されています。
そして、この竹林を過ぎて、急に明るくなった一角に、「定家」という、竹細工専門の民芸店があります。

二尊院のすぐ近くです。
竹林の道を歩いて来た足には、またとない休憩どころです。

店内には、竹で出来たお猪口などもあれば、福井の越前竹人形なども置かれています。
竹林の道を歩いた記念に寄ってみてはいかがでしょうか。

3.直指庵周辺

二尊院から嵯峨釈迦堂(清涼寺)を経て、大覚寺の脇を折れると、直指庵です。
直指庵は、尼寺と間違われることもしばしばある、小さなお堂のようなお寺です。

このお寺の境内に残る竹林も見事です。
お堂は小高い場所に建てられていますので、ちょうど縁側の目の前に竹林の緑の葉が風に吹かれて揺れるようになっています。

お堂の座敷から眺める景観は嵯峨野の風情そのものです。
嵯峨野歩きに疲れたら、このお堂で休まれてもいいと思います。

お堂に供えられた”思い出草ノート”は、誰でも閲覧することが出来、また記帳することも自由です。
先ほど、このお堂が尼寺と間違われやすいと書きましたが、圧倒的に女性の書き込みの多いこのノートの存在が、そうしたイメージを直指庵に与えているのかもしれません。

4.六代芝周辺

直指庵を過ぎると、京野菜などを栽培する田畑が広がります。
北嵯峨とも呼ばれるこのあたりは、今も残る嵯峨野らしい景観の宝庫です。

田畑に沿っては小高い山並みが続きますが、その足元には竹林も多く残されています。
このあたりは、ほとんど観光で訪れる人のいない場所です。

ごくまれにレンタサイクルに乗った若い女性のグループを見る程度。
普段は田畑を耕す農家の人と散歩をする近所の人たちくらいしか見かけない、取って置きのエリアになります。

本当の嵯峨野のよさ、竹林の道歩きのよさを味わえる六代芝は、まさしく一度は訪ねておきたい場所です。

5.亀山公園

六代芝を広沢の池あたりまで散策したら、田畑の中のあぜ道を縦横に歩いて、大覚寺大沢の池の方角へ引き返します。
大沢の池に沿ったあたりにも、竹林がところどころ残されているからです。

大覚寺をやり過ごして、先ほど歩いたトロッコ嵐山駅をまたぐ急な坂道を登ると、大河内山荘の入口に戻ります。
今度は天龍寺裏門へ到る竹林の道を歩かずに、直進した亀山公園に向かいます。

大河内山荘の入口から亀山公園に向かう道も、見事に成長した竹林に頭上を覆われた、まるで教会の内部のような空間です。
この竹林の道を抜けると、急に明るくなり、亀山公園に入ります。

亀山公園と天龍寺の境内は境目が曖昧で、どこまでが公園で、どこからが天龍寺なのかよく分からなかったりもします。
いずれにしましてもこのあたりはまだまだ竹林が残されたエリアです。

公園の中にも竹林の道があれば、さらには竹で編まれたしつらえが随所に窺えます。
さながらこのあたりは、竹が取り持つ縁で結ばれた、竹林の道歩きの総仕上げに相応しい場所であるといえます。

亀山公園は、天龍寺や大河内山荘と隣接しながら、もう一つの大きな観光地である嵐山の自然と一体化されています。
竹林の昼でもほの暗い道とは対照的に、清らかな清流を眺めながら亀山を降りて行けば、そこは天下の名勝地嵐山です。

いろんな楽しみ方がある竹林の道を訪れてみよう

いかがでしたか、嵯峨野の竹林の道。
写真などを見て、一度は歩いてみたいと思われている代表的な竹林の道の他にも、嵯峨野には魅力的な竹林の道がまだまだ残されています。

そうした道を組み合わせて歩けば、あなたにしかない、竹林の道歩きが見つかります。