よさこい祭り(高知県)踊り手と観客が一体となった熱気に生で接すれば、定年後シニアも若い頃に戻ったような高揚感に浸れる

最終更新日:2017年12月12日

音楽に合わせて集団で踊るよさこい祭りは、今や全国各地で開催されるようになった人気イベントです。

数あるよさこい祭りの中でも高知のよさこい祭りは本場だけに、毎年100万人を上回る観光客で街が賑わいます。
定年後シニアなら、死ぬまでに一度は訪れたいですね。

1.南国土佐の夏を熱く彩る祭り

1992年に北海道札幌市でYOSAKOIソーラン祭りが初開催されて以降、よさこい祭りは本場の高知から全国各地へと広がりを見せるようになりました。

もともとのよさこい祭りは高知県高知市で1954年に始められ、徳島県の阿波踊りに対抗して考え出されたとも言われています。

400年の歴史を持つ阿波踊りと比べると歴史の新しい祭りですが、回を重ねるごとに踊りや衣装・音楽を工夫するようになり、独自の文化が形成されるようになりました。

全国でよさこい祭りが行われるようになった現在でも、高知のよさこい祭りは元祖としての地位を守り続けています。

北は北海道から南は九州までこれほど多くの地点でよさこい祭りが開催されるようになったのは、それだけ高知よさこい祭りの熱気と躍動感が見る人を感動させてきた証拠です。

南国土佐の夏をよりいっそう熱くする祭りとして、高知のよさこい祭りは全国で繰り広げられる「YOSAKOI」の手本とされています。

2.前夜祭から本番・後夜祭へ

高知のよさこい祭りは毎年8月10日と11日の2日間を本番とする他に、その前後にも多彩な行事が行われます。

8月9日には市内の中央公園で前夜祭が開催され、前年の受賞チームによる華麗な踊りがステージで披露されます。

2017年の例では夕方5時20分から10時まで開催された前夜祭に合わせ、7時半からは花火大会も行われました。

8月10日と11日の本番では、高知市内9カ所の競演場と7カ所の演舞場で各チームによるよさこい踊りの熱演が繰り広げられます。

特に競演場は各賞の審査対象となる場だけに、よりいっそう熱の入った出演チームの演技に目が離せません。

追手筋本部競演場には有料の桟敷席も設けられ、よさこい祭りをじっくり鑑賞したいシニアの人気を集めています。

2日間にわたるよさこい祭り本番は午後1時15分から5時15分までに行われる昼の部と、5時45分から9時半までに行われる夜の部に分かれます。

8月12日には中央公園での後夜祭に加え、4会場よさこい全国大会も開催されます。

3.チームごとに異なる衣装と踊り

高知のよさこい祭りで演じられるよさこい踊りのルールとしては、「よさこい鳴子踊り」のメロディを入れた音楽をバックに鳴子を持って前に進みながら踊る振り付けが基本です。

この条件さえクリアしていればアレンジも自由自在なため、チームによって多彩なよさこい踊りが見られます。

現在では参加団体数が200を超え、合計約2万人が舞う大イベントとなりました。

よさこい踊りの華となる衣装もチームごとに多種多様で、和風テイストからトロピカル調・現代風アレンジなどファッションセンスを競い合います。

各チーム1台ずつ備える地方車(じかたしゃ)には音楽を流すためのPA装置が積み込まれ、ライブステージにも使われる車の個性豊かな装飾も見ものです。

踊りの決め手となる曲もチームごとに異なり、伝統的な正調だけでなくロック調からサンバ調・ヒップホップ調などの音楽が踊りを盛り上げます。

鳴子を手にした踊りはチームの個性を表現する最重要のポイントで、一糸乱れぬ集団パフォーマンスが観客を魅了します。

4.「よさこい鳴子踊り」生みの親・武政英策

徳島の阿波踊りと比べると歴史が新しいと言われる高知のよさこい祭りですが、全国への広がりという点では阿波踊りを上回る勢いを発揮してきました。

よさこい祭りが全国各地にこれほど広く受け入れられたのも、民謡などの伝統文化と現代的な創作ダンスの要素が巧みに融合されていることが一因です。

地域ごとに独自のアレンジを加えることも可能な余地を残したよさこい踊りは、高知市に30年以上も居住した作曲家・武政英策が生み出しました。

高知のよさこい祭りに使われる音楽にはどのチームも「よさこい鳴子踊り」のメロディが必須とされますが、この曲を作曲したのが武政英策です。

武政英策が振り付けも担当したよさこい鳴子踊りは現在でも正調としてよさこい祭りに使われており、鳴子を手にして鳴らしながら踊るスタイルも彼のアイデアでした。

年々盛んとなったよさこい祭りの熱気に感動した北海道の大学生が1992年にYOSAKOIソーラン祭りを始めたのは有名な逸話です。

5.炎天下の見物には熱中症対策を

8月10日・11日の本番と12日のよさこい全国大会では、夜だけでなく日中も高知市内14の会場を舞台に熱演が繰り広げられます。

200余りのチームが参加するとあって、1チームでも多くの演技を見ようと思えば日中も利用して長時間観覧することになります。

2017年の例では高知市の最高気温が10日と11日がともに34℃以上、12日は36℃という猛暑日を記録しました。

炎天下での観覧は熱中症の恐れがありますので、帽子や日傘などを利用した日除け対策やこまめな水分補給が欠かせません。

ゆったりとした環境でよさこい踊りを鑑賞するには、6月下旬頃から販売が開始される追手筋有料桟敷席の利用がオススメです。

桟敷席には自由席・指定席・車いす席の3種類があって、自由席より500円上乗せされる指定席は遠方から訪れるシニアによく利用されています。

高知市のシンボルとして親しまれている高知城演舞場も含め、どの会場にも豊富に用意されている無料観覧席はいずれも大人気です。

本場・高知でよさこい祭りを楽しもう

全国各地で類似のイベントが活発に行われている中で、高知のよさこい祭りは本場ならではの華やかさと迫力が大きな魅力です。

60回以上の歴史を持つ高知のよさこい祭りは、全国に数あるよさこい祭りの最高峰に位置づけられます。

踊り手と観客が一体となった会場の熱気に生で接すれば、定年後シニアでも若い頃に戻ったような高揚感に浸れるものです。