桧木内川堤のソメイヨシノの桜(秋田県・仙北市)はソメイヨシノ400本が咲き誇る花のトンネル

最終更新日:2017年11月1日

桜の名所として知られる秋田県仙北市の角館は、開花シーズンになると120万人を超える観光客で賑わいます。

武家屋敷通りのシダレザクラが特に有名ですが、花のトンネルと称される桧木内川堤のソメイヨシノも見逃せません。

1.桜の名所が2カ所ある角館

秋田県仙北市は2005年に角館町・田沢湖町・西木町という3つの自治体が合併して誕生した市で、観光は市の産業で最も重要な柱です。

市内には角館の武家屋敷通りや田沢湖周辺の温泉郷・抱返り渓谷など、観光名所が数多くあります。

1年を通じて観光客が訪れる仙北市が最も賑わうのは、4月中旬からゴールデンウィーク期間中にかけて開催される桜まつりの期間中です。

江戸時代の町並みを今に残す角館の武家屋敷通りにはシダレザクラが、近くの桧木内川堤ではソメイヨシノが植えられています。

この2カ所はそれぞれ「日本さくら名所100選」に選ばれており、シニア世代の人でも両方を徒歩で行き来することが可能です。

桜の開花状況によってはゴールデンウィーク期間中に見頃を迎える年も多く、家族連れからシニアの団体客まで老若男女の観光客が大勢訪れます。

2.ソメイヨシノ400本が咲き誇る

東北地方でも角館は弘前公園や北上展勝地と並んでみちのく3大桜名所の1つに挙げられています。

シニア世代の人は武家屋敷のシダレザクラの方に魅力を感じるという人も少なくありませんが、武家屋敷から歩いて数分ほどの距離にある桧木内川堤も圧巻の桜並木が見られる名所です。

一級河川の桧木内川に沿って堤防に約400本ものソメイヨシノが植えられており、それらが一斉に咲き誇る様は桜好きの人にとって必見の光景です。

桜のトンネルと呼ばれるほど堤防の道をいっぱいに覆い尽くす花々は、情緒あふれる武家屋敷のシダレザクラとはまた違った魅力があります。

近くの内川橋も桧木内川堤のソメイヨシノを鑑賞する絶好のスポットとなっており、咲き誇る桜と赤い横町橋を同時に収めるアングルは写真好きのシニアにとって撮影欲をそそる風景です。

3.イベントが盛りだくさんの桜まつり

桜が見頃となる時期は武家屋敷通りだと大勢の観光客でごった返していますが、桧木内川堤ではシートを広げて家族で弁当を食べたりしてくつろぐ余地もあります。

夜にはライトアップされた幻想的な桜も見られ、花見をしながら一杯やるのも桧木内川堤のソメイヨシノを楽しむ方法の1つです。

角館では例年4月20日頃から5月6日頃まで桜まつりが行われ、期間中に市内各所で実施される多彩な協賛行事も人気を集めています。

期間中の土日祝日には桧木内川堤の特設舞台で、ユネスコ無形文化遺産に登録された「山・鉾・屋台行事」の1つ飾山囃子も披露されています。

武家屋敷のシダレザクラやこれらのイベントを楽しんだ後に、ソメイヨシノの咲き乱れる桧木内川堤で家族とともにゆっくりくつろぎぐのも楽しみ方の1つです。

4.存続の危機を乗り越えた桜

桧木内川堤と武家屋敷通りにはそれぞれ400本ほどの桜が植えられていますが、樹齢300年の老樹も見られる武家屋敷のシダレザクラと比べ、桧木内川堤のソメイヨシノの樹齢は80年ほどです。

昭和9年に桧木内川の堤防が完成したのと時を同じくして今上天皇が誕生したのを記念し、当時の町民がソメイヨシノを植樹したのが桜並木の起源と言われています。

その後昭和40年代に入ってから河川法の対象道路では堤防への植樹が禁じられ、桧木内川堤のソメイヨシノも伐採の危機に直面しました。

桜並木存続の危機に際して町民が必死の運動を行った結果、桧木内川の堤防は河川法の対象外となって伐採を免れたという歴史があります。

桧木内川堤のソメイヨシノは昭和50年に国の名勝として指定されましたが、町民たちが桜並木を守り抜いたからこそ現在のような観光名所に発展したのです。

5.期間中は周辺道路が渋滞

桜まつり期間中は2万6千人という仙北市の人口の50倍近い観光客が押し寄せるため、国道46号線を中心に周辺道路の渋滞も予想されます。

市内には1500台が収容可能な有料駐車場もありますが、車で現地入りをする人はできるだけ早く到着して駐車場所を確保することが欠かせません。

午前9時を過ぎると市内の道路が渋滞するようになりますので、余裕を見て8時頃までに駐車場へ入るのが理想です。

市内にあるたざわこ芸術村の温泉宿泊施設では、角館桜まつりの期間中に武家屋敷まで無料シャトルバスも運行しています。

日程に余裕がある人はそのような宿泊施設とシャトルバスを利用することで、桜の名所まで歩く負担が軽くなるものです。

桜まつりはあらかじめ決まった日程で実施されますが、当然のことながら桜の開花状況はその年によって異なります。

武家屋敷のシダレザクラと比べて桧木内川堤のソメイヨシノは開花が2日ほど遅くなりますので、事前に開花情報を確認してから出かけるといいでしょう。

のんびりくつろぎながら桧木内川堤の桜を楽しもう

桧木内川堤のソメイヨシノと角館武家屋敷のシダレザクラは、それぞれに違った魅力を持っています。

開花情報を上手に利用して両方が見頃となる時期を選べば、タイプの異なる2種類の桜を同時に楽しめます。

特にソメイヨシノが咲き誇る桧木内川堤は広いので、のんびりくつろぎながら桜を楽しみたいシニアに向いた名所です。