「きりたんぽ鍋」(秋田県)親戚や孫を呼んできりたんぽ鍋パーティも楽しい

最終更新日:2017年10月18日

大勢で鍋をつつきながら賑やかに食べるのが楽しい鍋料理には、全国各地にいろいろなバリエーションが見られます。

中でも冬の厳しい秋田県の一般家庭で食べられているきりたんぽ鍋は、身も心も芯から温まる郷土料理です。

1.秋田県を代表する郷土料理

串に刺した細長い形で全国に知られるきりたんぽは、秋田県でも北部から中央部にかけてて料理に使われる食材です。

古くは囲炉裏の火で焼いたきりたんぽをごま味噌やくるみ味噌などの味噌をつけて食べるのが習わしでした。

現在ではきりたんぽを鍋の具材として使うのが一般的となっており、地元の商店や通販ではきりたんぽ鍋セットも売られています。

すり鉢ですりつぶしたご飯を細長い杉の棒や細竹のまわりに塗りつけ、炭火で焼いて作ったものがきりたんぽです。

適度に焦げ目がついたきりたんぽは独特の香ばしさがあり、鍋の具材としてもよく合います。

きりたんぽ鍋ではだし汁も重要で、秋田県北部の名産品として知られる比内地鶏の鶏ガラがだしを取るのに最適です。

一般的なブロイラーの鶏ガラやもも肉でも良いだしは取れますが、本場のきりたんぽ鍋セットでは比内地鶏スープが使われています。

鍋の具材にも比内地鶏を加えることで、最高級のきりたんぽ鍋が味わえるのです。

2.通販で購入して作る方法

家族や友人とともに自宅できりたんぽ鍋を楽しむには、インターネットを通じて手軽に注文できるきりたんぽ鍋セットを取り寄せるのが便利です。

秋田県内には素材を厳選したきりたんぽ鍋セットを全国に発送している店が数多くあります。

職人が1本1本ていねいに焼き上げたきりたんぽを真空パックに保存し、比内地鶏やネギ・ゴボウ・舞茸・セリ・糸こんにゃくといった具材も新鮮なまま自宅まで直送してくれます。

きりたんぽ鍋に欠かせないスープは製造元によって特色があり、比内地鶏のだし汁と本醸造醤油に日本酒と砂糖を加えたスープが具材の味を引き立たせてくれます。

このようなきりたんぽ鍋セットを購入すれば、全国どこでも鍋を囲みながら秋田伝統の味を楽しむことができます。

きりたんぽと比内地鶏スープのセットを通販で購入し、野菜や肉は近所のスーパーで調達してきりたんぽ鍋を作る方法も料理上手なシニア世代の人に人気の楽しみ方です。

3.おいしい作り方のコツ

北は北海道から南は九州まで全国各地には数多くの郷土料理や名物料理が存在しますが、料理法が難しかったり材料の調達が現地に限られていたりする例も少なくありません。

味わうためには現地まで足を運ばなければならない名物料理も多い中、秋田県のきりたんぽ鍋は具材やスープを取り寄せることで自分でも作れる点が大きな魅力です。

鍋と火さえあればきりたんぽ鍋は誰でも作れますが、作り方のコツを知っておけばおいしくいただくことができます。

きりたんぽは真空パックの袋から取り出した後、鍋に入れる前に電子レンジ等で軽く温めて軟らかくしてから3つほどに分けて切るといいでしょう。

希釈割合に応じて比内地鶏スープと水を鍋に入れ、先に鶏肉を入れて煮始めます。

次に糸こんにゃくやゴボウを投入し、舞茸・ネギときりたんぽを追加した後、最後にセリを入れます。

きりたんぽはあまり長時間煮ると形が崩れるので、煮るのは2分から3分程度にとどめるのがおいしく作るコツです。

4.きりたんぽの発祥地と本場

きりたんぽを生んだ秋田県は南北に長い県で北部と南部の間には山がちの地形が広がっているため、県北と県南では生活風俗や食習慣にも違いが見られます。

きりたんぽ鍋は秋田県の北部を中心に県庁所在地の秋田市を含む中央部にかけて食生活に取り入れられていますが、県の南部では山形県の食文化として知られる芋煮の方が親しまれてきました。

きりたんぽ発祥の地は秋田県北部の鹿角市と言われており、マタギと呼ばれる伝統猟師の携行食を起源とする説や、南部藩の藩主を接待する際に即興で提供した料理を起源とする説などがあります。

鹿角市に近い大館市はきりたんぽの「本場」として知られ、毎年10月には食の祭典「きりたんぽまつり」が市内の大館樹海ドームを会場として大々的に開催されます。

この時期のきりたんぽは出回り始めた新米を材料にして作られるため、よりいっそうの香ばしさが味わえるのです。

5.店で楽しむ本場の味

秋田市より北の秋田県内ではきりたんぽが一般のスーパーでも普通に売られており、きりたんぽ鍋が家庭料理として親しまれています。

そのため具材のきりたんぽと比内地鶏をベースとするスープさえ通販等で購入すれば全国どこでもきりたんぽ鍋が楽しめますが、本場の味はやはり格別です。

秋田県内には本場のきりたんぽ鍋が味わえる郷土料理店や割烹・料亭も、秋田市や大館市・鹿角市などに数多くあります。

店ごとに特色のあるメニューが揃っており、きりたんぽ鍋の作り方やだし汁も店によって異なるものです。

細長い形状をしたきりたんぽだけでなく、すりつぶしたご飯を団子の形に丸めた「だまこもち」を鍋の具材に使っている店も見られます。

グルメや観光を目的に秋田へ旅行に訪れる際には、それらの店できりたんぽ鍋を食べ比べてみるのも一興です。

秋田まで行く機会がないという人は、東京都内のきりたんぽ鍋を提供している店で味わうという手もあります。

親戚や孫を呼んで「きりたんぽ鍋」パーティも楽しい

以上のようにきりたんぽ鍋にもいろいろな楽しみ方が見られる中で、シニア層にはきりたんぽを使った鍋パーティが人気を集めています。

気の合った仲間同士や孫を交えた家族全員で鍋を囲みながら食べるきりたんぽの味は格別なものです。

好みに応じて野菜などの具材を変えながら、自分なりのきりたんぽ鍋を楽しんでみるといいでしょう。