聖徳太子のゆかりの地として知られる「斑鳩の里」は奈良県北西部に位置します。
のどかな雰囲気がまだまだ残されているこの地に足を踏み入れると、1400年という長い歴史を垣間見ることが出来ます。
東京ドーム14個分という広大な土地には伽藍が数多く配置されている法隆寺を始め、多くの仏像も残されています。
是非行って欲しい斑鳩に、どのような魅力が隠されているのかご紹介します。
1.法隆寺の最初に行くべき場所
飛鳥時代に建てられた法隆寺は、法隆寺駅からバスで行くのがオススメです。
1993日本で初めて年世界遺産に登録され、日本最古の木造建築として話題となりました。
最初に目指すべきスポットは金堂です。
拝観ルートのスタート地点は、正面玄関にあたる南大門。
ここでまず法隆寺の風景を見ることが出来ます。
次に近藤力士像が飾られている中門をくぐると、次に出てくるのはご本尊が安置されている金堂です。
こちらが法隆寺で最初に建てられたと言われている木造建築になります。
2.ご本尊の歴史を知る
金堂の中にあるご本尊をご紹介します。
まずは聖徳太子のために造られた金銅釈迦三尊像、こちらは飛鳥時代に造られました。
三体ある御本尊の真ん中に安置されています。
釈迦三尊像の左右には大使の両親の薬師如来座像(用明天皇)、阿弥陀如来像(穴穂部間人皇后)が安置されています。
東の間と呼ばれるところに安置されている薬師如来座像は、病に犯された用明天皇が自身の回復のために寺院建立を願いましたが、志半ばでこの世を去ったために、意思を継いだ推古天皇と聖徳太子が完成させたと言われています。
また金堂にはご本尊をお守りするかのように四天王像、毘沙門天立像がたたずみます。
3.五重の塔・夢殿の意味を学ぶ
法隆寺のトレードマークとも言うべき国宝五重の塔は、仏教的に非常に意味のある建造物です。
全長31.5mにもなる塔には、お釈迦様の遺骨が安置されています。
日本で最古の五重の塔であり、厳粛な雰囲気が漂います。
この一番下の階には仏教経典をモチーフにした像が並び、それらは粘土で造られています。
東西南北に配置された粘土像は仏教にまつわるエピソードを表現しています。
また聖徳太子が祀られている夢殿も忘れてはいけません。
八角円堂という珍しい形が有名なお堂は、7世紀に戦乱で消失したものを法隆寺の高僧が再建したものです。
何故八画なのかと言うと、個人を供養するための形だったと言われています。
昔も今も「夢殿」という愛称で人々を魅了してきました。
夢殿が信仰され始めたのは太子没後100年。
その頃太子を信仰する人が急に増え始めたのがきっかけとされています。
しかし夢殿と呼ばれ始めたのは平安時代だそうです。
夢殿の名の由来は太子が見たという夢。
法隆寺で祈願している時、瞑想中に黄金で出来た人が出てきたという話しにちなんだと言われています。
4.大宝蔵院を回る
五重の塔まで見たら次の目的地は大宝蔵院です。
日本を代表する宝物が飾られているこの建物は伽藍と言われてはいますが、博物館と考えて下さい。
東西に別れた大宝蔵院には水瓶から行事に使うお面、国宝である観音菩薩立像である九面観音や夢違観音も安置され見応えありです。
特に白木で作り上げた九面観音は他では見ることが出来ない技法で仕上げられおり、こちらだけでも見る価値があるといえます。
法隆寺はこの百済観音像を安置するためだけに、この百済観音堂を造りました。
木造仏像彫刻では最古の部類に入る飛鳥時代に造られたこの像は、名前の通り百済の影響を色濃くうけ、この時代には珍しい9等身というスタイルの良い仏像を拝むことが出来ます。
他では中々見ることが出来ません。
5.法隆寺と縁の深い3寺を巡る
法隆寺内では無いですが、法隆寺の周囲には縁の深い寺があります。
時間がある方はその寺を巡るのがオススメです。
中宮寺は大和時代には珍しいとされる尼寺です。
法隆寺からは徒歩ですぐに向かうことが出来ます聖徳太子の母である穴穂部間人を祀るこの寺院は、周囲を池に囲まれた独特な雰囲気が魅力的です。
特にこの寺院で拝観したいのが国宝弥勒菩薩です。
京都の広隆寺と比べられることが多いこの仏像は、ひけを取らずその優雅な姿に魅了される人が多いと言われています。
法隆寺の北に位置する法輪寺は、聖徳太子の長子である山背大兄王が父のために建てた寺院です。
ご本尊の薬師如来像は飛鳥時代後期のもので貴重な仏像なので一見の価値ありです。
また法輪寺の近くにある法起寺は、日本最古の三重塔が拝める寺院。
やはり父である聖徳太子のために山背大兄王が建てたもので、元々は太子の別荘だったと言われています。
聖徳太子ゆかりの地にある法隆寺を観光しよう
奈良県には不思議な魅力がたくさんあります。
その1つにはやはり、聖徳太子ゆかりの地で有名な斑鳩の里にあるでしょう。
特に法隆寺には非現実世界を感じさせる、荘厳な空気が流れていると感じる人も多いそう。
寺院だけで無く、国宝や五重の塔、またそれにちなんだ歴史を知る旅に出るのも面白いでしょう。
今まで知らなかった法隆寺の歴史に出会えるかもしれません。