東北地方にも桜の名所は数多くありますが、中でも多くの観光客を集めている名所の1つが北上展勝地です。
シニアの定年後の旅先としても北上市の展勝地は人気が高く、じっくり時間をかけて歩きたい見どころが多くあります。
1.東北有数の桜名所
北上展勝地は岩手県内陸部を流れる北上川流域に位置し、JR北上駅から徒歩20分ほどの距離にある市立公園です。
北上駅から見て対岸にある展勝地には3万平方メートル近い敷地内に約1万本もの桜が植えられており、2キロメートルにもわたってソメイヨシノの桜並木が続いています。
桜の開花時期に合わせて北上展勝地では毎年4月中旬から5月上旬にかけてさくらまつりが開催され、観光客を楽しませるイベントも盛りだくさんです。
そうしたイベントを見たり参加したりするもよし、桜のトンネルの中を歩いて楽しむもよし、北上展勝地を訪れれば多彩な楽しみ方ができます。
小さなお子さんを連れた家族連れから若者のグループ、職場の団体にも北上展勝地のさくらまつりは人気ですが、期間中はシニアの団体客も目立ちます。
北上展勝地は青森県弘前市の弘前公園や秋田県仙北市の角館と並んでみちのく三大桜名所の1つに数えられ、日本さくら名所100選にも選ばれました。
2.観光遊覧船と北上川渡し舟
北上展勝地に植えられている桜は150種にも及ぶと言われており、最も有名なソメイヨシノは4月中旬頃に開花時期を迎えます。
ソメイヨシノは4月末までに散ってしまう年も多いですが、カスミザクラは5月上旬まで観光客の目を楽しませてくれます。
開花時期の異なる豊富な種類の桜が多数植えられていることから、北上展勝地は長期間にわたってさくらまつりを開催することが可能となっているのです。
さくらまつり開催期間中にはユニークなイベントも実施され、北上展勝地ならではの名物として親しまれてきました。
北上川の上空を渡るようにして並べられた300匹の鯉のぼりは特に人気のイベントで、満開の桜との競演は写真好きのシニアにとって格好の被写体となります。
桜のトンネルの中をおよそ20分かけて進む観光馬車もお子さんの人気を集めていますので、孫を連れて訪れるシニアの人は是非一度乗ってみるといいでしょう。
3.こいのぼりや観光馬車も人気
桜の名所は全国各地にありますが、渡し舟や遊覧船が運航される名所はそれほど多くありません。
北上展勝地のさくらまつり期間中には、JR北上駅東口から徒歩7分ほどの場所にある乗り場から北上川対岸まで渡し舟に乗って渡ることができます。
桜のトンネルがある展勝地はその向こう岸にありますので、新幹線などの交通機関を利用して会場入りする人は珊瑚橋から徒歩で回り込むよりも渡し舟に乗った方が近道です。
この渡し舟は対岸に渡るだけなのでおよそ5分で着きますが、さくらまつり期間中の北上川ではこの他に観光遊覧船も運航されます。
こちらは約20分かけてゆっくりと北上川を下りながら、展勝地に咲き誇る桜並木や上空を泳ぐ300匹の鯉のぼりを眺めることができます。
4.北上展勝地の歴史
この他にも展勝地の特設ステージで行われる歌謡ショーや鬼剣舞・黒沢尻歌舞伎の民俗芸能など、北上のさくらまつりで行われるイベントは盛りだくさんです。
現在は北上市民ばかりでなく全国から大勢の観光客を集めるようになった北上展勝地ですが、その歴史は90年以上前の大正時代にまでさかのぼります。
大正9年に当時の黒沢尻町長が中心になって桜の植栽事業を開始したのが展勝地の始まりです。
北上川左岸から少し離れた場所にある陣ヶ丘という30mほどの丘陵地から見た桜並木の美しさにちなみ、展望の良い名勝地という意味で展勝地と名づけられた経緯があります。
北上展勝地を訪れたら少し足を延ばしてこの陣ヶ丘にも登り、名前の由来となった桜並木を見渡してみるのも一興です。
5.会場周辺にも見どころ盛りだくさん
北上展勝地の周辺には陣ヶ丘以外にも観光名所が多くありますので、公園内の散策ついでに立ち寄ってみるといいでしょう。
「リンゴの唄」や「うれしいひなまつり」の作詞で知られる詩人サトウハチローの記念館は、桜並木のすぐ近くにある観光スポットとして人気です。
陣ヶ丘を過ぎた先には、竪穴式住居や武家屋敷・南部曲り家などの歴史的建造物を展示したユニークな屋外博物館のみちのく民俗村もあります。
歴史や民俗に興味のあるシニアなら、数々の珍しい建物が見られるみちのく民俗村は是非立ち寄りたいスポットです。
展勝地内にある北上市立博物館にも貴重な重要文化財が展示されており、北上市と北上川流域に関わる歴史や文化が学べます。
桜ばかりでなくいろいろな見どころが点在している北上展勝地は、定年後の旅でゆっくり散策を楽しむのに最適な公園です。
今年は北上展勝地の桜を楽しもう
東北有数の桜の名所としてすっかり有名になった北上展勝地だけに、さくらまつり開催期間中は道路も渋滞します。
混雑を避けて桜並木までたどり着くには新幹線等を利用して現地入りし、北上駅に近い乗り場から渡し舟を利用して対岸へと渡るのが一番です。
展勝地に到着すれば、無数の花々が咲き誇る見事な桜並木が待っています。