美しく波おだやかな瀬戸内海、そこに浮かぶたくさんの島々。
オリーブ栽培の盛んな小豆島、現代アートに触れられる直島、歴史ある街並みを散策できる本島。
それぞれの島に際立った特色と魅力があります。
その中でも、一生に一度はぜひ訪れていただきたいのが、宮島です。
宮島には、いにしえの時代から人々の信仰を集めてきた厳島神社があります。
厳島神社の歴史は古く、聖徳太子や推古天皇の時代に創建されました。
平安時代後期に、平清盛の援助を得て、現在の建築様式になったとのこと。
誰もがテレビや雑誌で、その荘厳なたたずまいを目にしたことがあるでしょう。
しかし、本当の迫力は、間近で見ないことには体感できません。
さっそく見どころをご紹介していきます。
1.船でのアクセス
宮島へは広島県廿日市の沿岸、宮島口からフェリーで渡ります。
フェリーは15分おきに出港し、10分程度で宮島桟橋に到着します。
待ち時間もほとんどありませんし、瀬戸内海の美しい景色を眺めていればすぐに着いてしまいます。
車や電車で乗り入れることができないのは、ちょっと不便と思われるかもしれません。
でも、島そのものが神聖な場所とされているんです。
船での10分間は、日常の社会から神の住む世界へ渡っていくという、特別な感覚を味わえますよ。
2.海の上に建つ社殿と大鳥居
船を下りると、かわいらしい鹿たちがお出迎え。
さっそく厳島神社の境内へ。
寝殿(正殿)を真ん中に、東西に対屋(たいのや)を配した、平安時代の寝殿造りと呼ばれる建築様式です。
海上にせり出して造られた社殿は、潮の満ちる時間帯には、海に浮かんでいるように見えます。
朱塗りの柱や梁が水面に映る様は、目を見はる美しさ。
平安の世の栄華が偲ばれます。
社殿を結ぶ長い廻廊は薄暗く、その分廊下の先に見える海と空の明るさが際立ちます。
陰から陽へ。
海へ突き出した火焼前と呼ばれる場所までいくと、目の前に瀬戸内海のパノラマが広がります。
160メートル先の海上には、圧倒的なスケールの大鳥居。
樹齢500年以上の自然木を用いて造られた、高さ16メートル重さ60トンもの巨大な鳥居です。
365日、風雨と潮の満ち引きに晒される過酷な条件下で、地面に固定されず、自分の重みだけで安定して建っているんです。
現存している鳥居は8代目とのことですが、先人たちの驚異的な技術力には驚かされます。
干潮の時間帯には、大鳥居の下まで歩いて行くことができます。
水が引いたばかりの砂地ですので、ところどころに海藻が落ちていて、ぬかるんでいます。
とはいえ、靴がズッポリ埋もれてしまうほどではありませんので、ゆっくり歩いていけば安全ですよ。
真下から見上げる鳥居の大きさには、誰もが圧倒されます。
その手に触れた重厚感もたまりません。
満潮時、干潮時それぞれに魅力がありますが、日によってその時間はまちまちです。
旅行を計画する際は、満潮干潮の時刻をよく調べてから行くといいですよ。
創建から1400年の間に、何度も戦禍や災害に見舞われてきた厳島神社。
絶えず波風に晒される環境は、木造建築にとっては過酷です。
人々の篤い信仰によって、何度も再建と修繕が繰り返され、現代まで守り継がれてきた希有な存在です。
日本が誇る世界文化遺産、厳島神社のパワーを間近で感じてくださいね。
3.一泊して夜景も堪能しよう
厳島神社は、日没後には全く違った表情をみせます。
宮島で一泊して、ライトアップされた社殿や大鳥居の美しさも堪能していきましょう。
宮島には20以上の宿があり、歴史ある老舗旅館や、天然温泉のある宿も。
厳島神社の見える場所まで気軽に歩いていけるところも多いです。
夕食後やお風呂上がりに、石畳の道を散策してみてください。
松林の向こう、揺らめく水面に、赤々と浮かび上がる社殿と大鳥居の美しさは、一度見たら忘れられません。
4.名物やお土産の数々
宮島ならではの名物やお土産がたくさんあります。
まずは瀬戸内海の海の幸、ここで存分に味わってください。
生牡蠣や焼き牡蠣、穴子めしは絶品です。
有名なもみじ饅頭も、近年ではバリエーションが豊かに。
生もみじや、天ぷらにしたもみじ饅頭もあります。
意外と知られていないお土産は、宮島杓子。
その昔、神泉寺のお坊様が弁財天の夢を見、その琵琶の形から、杓子を作ることを思いついたのが由来。
伝統となった宮島のしゃもじは、木目の風合がなんともいえず、使い勝手も良いです。
福を招くとも言われる宮島杓子は、ぜひお土産にどうぞ。
まとめ
厳島神社以外にも豊国神社や宝物館など、宮島には見どころがたくさんあります。
厳島神社を中心に、ほとんどが徒歩圏内にあるのが嬉しいですね。
島の山頂部へロープウエイで登れば、瀬戸内海に霞む島々を見渡せる絶景スポットもありますよ。
春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色も。
四季折々の美しい景色が私たちに感動を与えてくれます。
一生に一度は訪れたい場所へ、あなたもぜひ。