カロリーオフ飲料に含まれる人工甘味料は要注意

最終更新日:2017年10月18日

ダイエット志向の高まりを受けて、清涼飲料水の売場にはカロリーオフ飲料がずらりと並んでいます。

肥満傾向の人や美容が気になる女性はついつい手を伸ばしたくなりますが、そうした飲料には健康へのリスクも潜んでいるものです。

1.カロリーオフに潜む罠

最近増えてきているダイエット志向の飲料で、ゼロカロリーを謳っている製品でも厳密にはカロリーが0とは限りません。

飲料100ml当たりに含まれるカロリーが5kcal未満なら、「カロリーゼロ」「ノンカロリー」と表示できます。

同じくカロリーが20kcal以下の飲料は「カロリーオフ」と表示することが可能です。

これらの基準となるカロリーとはエネルギーとして利用できる炭水化物の量から計算されるため、カロリーゼロやカロリーオフ飲料は砂糖などの糖分がそれだけ少ないことを意味します。

糖分を過剰摂取すると体内で脂肪に変えられて肥満につながるため、こうしたカロリーオフ飲料はダイエット中の女性やメタボ体型の男性に人気を集めているのです。

しかしながらカロリーオフ飲料やカロリーゼロ飲料も、飲んでみればわかるように甘さが感じられます。

それらの飲料は糖分を減らす代わりに人工甘味料を使って甘さを出しており、その甘味料に健康に悪影響を及ぼす可能性が秘められているのです。

2.人工甘味料の種類

人工甘味料は砂糖の何百倍という甘さを持ちながら、摂取してもエネルギーに変換されないため肥満の改善に役立つと考えられています。

大半の人は清涼飲料水に甘さを求めているため、メーカーの側でも消費者の志向に応える形でカロリーオフ飲料にそうした人工甘味料を使うようになったのです。

人工甘味料と言えばかつてはサッカリンが広く使われていましたが、発がん性が問題視されるようになったことから日本では現在ほとんど使われていません。

最近増えているカロリーオフ飲料やカロリーゼロ飲料には、スクラロース、アセスルファムK・アスパルテームといった種類の人工甘味料が使われています。

3.血糖値の高い人は要注意

これらの人工甘味料が体に良くない理由の1つには、摂取することで糖尿病になるリスクが高くなる点が挙げられます。

特にシニア世代には血糖値が高いと診断されて食事制限を行っている人も多いことから、人工甘味料を含むカロリーオフ飲料には要注意です。

砂糖を摂取すれば腸でブドウ糖に分解され、血液中に含まれるようになるため血糖値を上昇させます。

それと違って人工甘味料は体内で代謝されることなくそのまま排出されます。

それにも関わらず血糖値の高い人に人工甘味料が悪影響を及ぼすのは、脳が甘さを認識して糖分を摂取したと勘違いすることが主な原因です。

脳の指令を受けて糖分を細胞に取り込むためのインスリンが分泌されますが、実際には糖分は摂取されていません。

このような過剰分泌の状態が続くとインスリンが効きにくくなり、インスリン抵抗性の2型糖尿病を発症しやすくなると言われているのです。

4.安全性に疑問が残る人工甘味料

カロリーオフ飲料に含まれる人工甘味料の健康への悪影響は、糖尿病のリスクを高めるだけではありません。

大半の人工甘味料は何らかの毒性を持っており、日頃からそうした飲料をよく飲む人ほど健康への影響を受けやすくなります。

砂糖の600倍もの甘さを持つことから多くのカロリーオフ飲料に使われているスクラロースは、人体に有害な塩素を含む物質です。

安全性には問題ないとして使用されてはいますが、動物実験では死亡や流産・リンパ組織の萎縮など有毒性が確認されています。

砂糖の200倍という甘さを持つアセスルファムKもカロリーオフ飲料ではおなじみの人工甘味料で、こちらも動物実験では肝臓や免疫機能への影響が報告された物質です。

アスパルテームは砂糖の100倍から200倍の甘さを持つアミノ酸由来の人工甘味料で、脳腫瘍の原因となる可能性が指摘されています。

5.甘味料の摂取を避ける対策

このような人工甘味料も一定の安全基準は満たしているため、少量を摂取してすぐに健康への悪影響が生じるというわけではありません。

懸念されるのはカロリーオフ飲料など人工甘味料を含む飲料を大量に飲んでいる人の場合です。

長期間にわたってこうした人工甘味料を大量に摂取した人に対する健康への影響については、これまで信頼できる実験や研究が行われていません。

それに加えて人工甘味料の甘さにはコカインにも似た依存性があるとも言われています。

人工甘味料を含む飲料を飲みすぎて味覚が鈍くなっている人は、カロリーゼロだからと安心して他の食品で糖分を多く摂取する傾向も見られるのです。

カロリーオフ飲料を購入して飲む場合には以上のようなリスクも自覚した上で、飲みすぎないように注意する必要があります。

自分自身はもちろんのこと、子供や孫の飲み物としてもできるだけ人工甘味料の含まれない飲料を選ぶのが無難です。

人工甘味料はカロリーオフ飲料に特に多く含まれる

以上のような健康リスクを持つ人工甘味料はカロリーオフ飲料ばかりでなく、菓子やデザート類・漬物に至るまで多くの食品に使われています。

中でも飲料は人工甘味料が大量に摂取される食品だけに要注意です。

カロリーオフの売り文句に惑わされず、人工甘味料の含まれない飲み物を選ぶ目がシニア世代にも求められているのです。