高齢者や定年後シニアが転びやすくなる原因と対処法【心身の健康】

最終更新日:2017年12月21日

年をとるとちょっとした弾みで転んでしまうのは、どうしてでしょうか。

定年後シニアもちょっとした油断から思いがけない骨折やケガをすることもありますし、
それがきっかけで体の不自由さが残ってしまうこともあります。

そうならないためには、転びやすい原因を知りそれぞれに対しての対処法を知ることがとても重要です。

1.転びやすくなるのは筋肉が弱るため

定年後シニアは、身体を動かすことが減りますし、加齢に伴い筋力が落ちて来るのは避けられません。
筋肉が弱るのは、目に見えて分かると言われていますが、それを元に戻すのはかなりの時間がかかります。

年齢を重ねるに連れて行動範囲も狭くなりがちですので、
普段の暮らしの中でも筋力を鍛える動作が少なくなって来ます。

若い頃なら自然に行動をしているので、特に劣化をしたと感じなくても、
年齢を重ねるに連れて実感することが多くなります。

シニアは日ごろから自分で出来る運動やリハビリを行って筋肉の衰えを補うことが出来ます。
程度に応じて、訪問看護、訪問リハビリなどの制度を利用することも出来ます。

2.とっさの反応が弱るため

若い時は、転びそうな瞬間に出来るだけ被害を少なくしようと体をかばう動作が自然に出来ますが、
年齢を重ねたシニアは気持ちではそう思っても体の動きをかばうことがしづらくなります。

とっさの反応が弱るのは、やはり動きが緩慢になっているという理由が大きいでしょう。
そのため、「若い時ならこれくらい出来たのに」と思うことが意外にも出来づらくなってしまうことに、愕然とすることも多くなります。

こちらも、出来るだけ普段から体に負荷を掛け過ぎないような軽い運動を意識してみましょう。

3.足腰に痛みがあるため

どうしても加齢に伴いシニアの足腰が弱って来る傾向は、程度の差はあっても起きて来るものです。
膝や股関節、腰に痛みがあるとどうしても動きは不安定になります。

普段でも痛みを感じながら歩行をしているので、何かにつまずいたりぶつかったりすることで転びやすいリスクはさらに高まってしまいます。
段差がない場合でも、足腰が弱っているとそもそも体を支えることが不安定になってしまうので、転倒しやすくなってしまいます。

痛みがある場合には、関節に負荷を掛けるのは適当ではありませんので、
筋肉に力を入れるようなリハビリを継続しましょう。

4.視力や聴力の衰え

視力や聴力の衰えもシニアが転びやすくなるのには、影響を及ぼしています。
足元が見えにくくなってしまっているので、ものが置いてあるのに気づかなかったりわずかな段差がないように見えたりするわけです。

想定外のことが起こってしまうので、とっさに身をかわすこともしづらくなります。
また、シニアは聴力も落ちていますので、車や人の気配を外で感じにくくなり人とぶつかることで転びやすくなります。

外出時だけではなく、家でも生活の中のさまざまな音を聞き分けにくくなってしまうので、気配に気づかず用心をすることが苦手になってしまうこともあります。
眼鏡や補聴器も合うものを使うのもオススメですが、自宅なら家族の声掛けが大事です。

5.持病が併発しているため

年齢を重ねるに連れてシニアにはさまざまな疾患が起こって来ます。
特に、単独の疾患だけではなく併発して起こるために、息苦しさ、動悸、疲れやすさなどがいつもある状態になってしまいます。

加齢だけでも疲れやすさを感じるのに、こうした疾患の症状があればさらに行動しづらくなり転倒の可能性を高めてしまうようになります。
出来るだけ、持病のコントロールをしていく必要があると言えるでしょう。

6.投薬による間接的な影響もあるため

これまでに述べたように加齢に伴い持病も増えてしまうために、シニアは飲む薬も多くならざるを得ません。
症状に効果があるのに対して、副作用から眠気やだるさがあるケースもあります。

特に、高齢者は作用が強く出やすいケースもあるので投薬中には経過観察は欠かせません。
症状がある場合はまだしも、投薬によって他の血液検査項目が影響を受けてしまい、思いがけず亢進してしまったり、逆に低下し過ぎたりすることもあります。

投薬治療中の変化は、医師、看護師、薬剤師に相談を行いましょう。

7.不眠や睡眠不足からの影響もあるため

若い時はすぐに眠れたのに、だんだんと眠りが浅くなるばかりか眠れなくなり、安定剤を使用するシニアも多くなってしまいます。
不眠が体に与える影響は思いのほか大きいので、安定剤を使わざるを得ないのですが、翌日に影響が残ることもしばしばです。

ふらついたり眠気があったりするので、転びやすくなります。
また、安定剤を服用していても熟睡出来ているわけではないので、睡眠不足で判断がぼんやりとしてしまうことも同じように影響を与えます。

寝不足の翌日、どうしても出掛けなければならない用事以外は、シニアには時間の余裕が割るわけですから、日を変えるというのも無難です。

定年後シニアは、加齢が進んだ場合、転ばないような配慮が大事です

このように定年後シニアが加齢によって転びやすくなる原因はさまざまであり、それらが重なって起こりやすくなります。
思い当たることがあれば、その対処法を実践していくようにしましょう。

目に見えてすぐに効果が出るものではありませんが、継続していくことで転倒のリスクを減らせるようになります。
結果的に、寝たきりの原因を減らせるようにするのにも役立つようにもなるので、転びやすいと思ったらすぐにでも対策をはじめてみましょう。