何だか怒りっぽくなった、わけもなくイライラする…年をとるとよくあることです。
好々爺といわれる人や、丸くなったといわれる人もいますが、そうでない人の方が多いようです。
このままでは、そんな年配者を敬遠する若年世代とのギャップも開いていってしまいます。
そんな苛立ちの原因と対策はあるのでしょうか。
1.体がいうことをきかなくなる
人間誰しも年をとると若い時のようには体が動かなくなります。
ちょっとのことですぐ疲れたり、あちらこちら痛くて無理がきかなかったりして、「若い時はこんなではなかったのに」と自分自身にイライラします。
言葉もスムーズに出てきません。
人やものの名前が思い出せず、「あれ」「それ」などが多くなり、聞いている人に「わからないよ」といわれて余計に落ち込んだりします。
やりたいのにできない、役に立ちたいのに体が動かないもどかしさ。
自分は役に立たないのではないかという自己否定の気持ちが苛立ちにつながってきます。
「脳トレ」が一時ブームになりましたが、普段から体や脳を活性化させる訓練は大切です。
無理にスポーツをしなくても、ちょっとしたストレッチを続けることで痛みが改善し、持続力がつきます。
パズルやクイズ、音読などは脳を刺激しますし、「あれ」で済ませずそれを言葉にする努力をするだけでもかなり違ってくるはずです。
日々の小さな努力を怠らないように心がけましょう。
2.過去の体験にとらわれる
頑張ってきた自負のある人ほど、年をとると、過去の自分の失敗やできなかったマイナス面を忘れてしまうものです。
自分ができたこと、成功体験だけが大きく残り、若年者に対して不満がつのります。
「自分だったらこうするのに」「自分はできた(やってきた)のに」と。
裏を返せば「今はもうできない」「やれるチャンスをもらえない」という現状認識が他人に対する態度に現れてしまいます。
年をとっても自信に結び付けられることを探しましょう。
趣味や特技を利用してボランティアをするのもよいでしょうし、何か作ったものなどを人に見せるのもよいことです。
他人から感謝される、感心されることがあるとやりがいと自信につながり、
人を下に見る気持ちがなくなっていきます。
3.関わりを求める
やることがなければ暇です。
誰か自分に関わってほしくなります。
そんな時に周りが忙しくて自分を振り向いてくれなければ、
一種のひがみ根性が湧いてきて気持ちがとげとげし、不必要に絡んだりしてしまいます。
なので年をとっても夢中になれることを見つけるべきです。
一人で没頭できる趣味でもよいですし、囲碁将棋など相手を見つけられるもの、ボランティアなど人と関わることがあれば尚よいでしょう。
とにかく受け身でなく、能動的になれることを見つけましょう。
4.不安、悩みがある
体のことばかりでなく、年をとれば若い時と違う悩みが起こります。
自分よりさらに年をとった親のこと、中年になっても結婚しない子どものこと、家の跡継ぎのこと、これから死ぬまでにかかる金銭的なこと等々、
以前と違って自分が頑張ればどうにかなるということが減り、心に余裕が少なくなります。
これはもう、若い時から備えるに越したことはありません。
年金があてにできないならこつこつ貯金をしておくべきですし、
子どもにもマインドコントロールではありませんが、小さい時から自立を促すようなしつけを心がけるべきです。
その機会を逸してしまった人は、このような不安や悩みに振り回されないようにするしかありません。
同世代の人と愚痴のこぼし合いもよいでしょうし、考えても仕方ないと腹をくくることも時には必要でしょう。
同じ時間をくよくよして過ごすか、前向きに過ごすか…どちらが得でしょうか。
5.人付き合いのコツを忘れる
社会に出ている時は人との付き合いの中で生きていました。
上下関係の中で嫌なことも我慢しなければならない場面も多くありました。
引退するとそれがなくなります。
人に対して我慢する訓練をしなくなります。
また、「これはいわない方がよい」とか「ここは相手を持ち上げよう」という付き合いの機敏も忘れ、自然人付き合いが下手になっていきます。
それが「利己的」とか「機嫌が悪い」ととらえられることにつながるのです。
社会の一線から退いても、人と接する機会を多く持つことです。
自治会の役員を引き受ける、パートタイムで働きに行く、家の手伝いをするなど、活躍できる場はまだあるはずです。
習い事に行く、でもよいでしょう。
誰かと時間を共有することが大事です。
イライラの原因を知り、できるだけ怒らないよう気をつけよう
このように、年配の人が怒りっぽくなる、イライラする理由はたくさんあります。
若い世代の方はどうぞ、年配者の気持ちや事情をちょっと斟酌してあげてほしいと思います。
そして年配の方は、体調や気持ちを維持して周囲とよい関係が築けるよう、
自助努力を怠らない姿を見せてあげてください。