愛犬の口の手入れの仕方と口腔ケアの補助道具、注意点

最終更新日:2017年12月12日

愛犬には健康で長生きしてもらいたい、飼い主ならそう考えるものです。特に定年後のシニアにとっては犬が一番の友達となりますから、なおさらですね。

しかしいくら健康にいい食べ物を与えたとしても、歯茎や歯が悪くなれば食べることもできません。

なので健康で長生きしてもらうには口の手入れがとても重要になります。

1.口の手入れを怠るとどうなるのか

健康な犬の歯は通常真っ白です。

しかし口の手入れを怠っていると歯に歯垢が付きそれが歯石に変わり、歯は黄色くなってしまいます。

そして歯石は口臭、歯周病、虫歯の原因となります。

歯周病が進行すると歯茎が腫れ、歯がぐらぐらしてきます。

そうなると犬は食べ物を噛む度に歯が痛み、食べたくても食べられないという状態になります。

そして最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

口の中を清潔に保つことができないということは、菌が繁殖するということです。

歯茎の小さな傷から菌が入り、そこが腫れて手術が必要になる可能性もあります。

犬は自分で口の中をケアすることができません。

愛犬の健康を考えるのなら飼い主がケアするしかないのです。定年後のシニアなら時間が豊富にありますから、きちんとケアしてあげましょう。

2.口の手入れの仕方

犬用歯ブラシの他に歯磨きシート、フィンガー歯ブラシ、スポンジブラシといったものがあります。

愛犬に合ったものを選ぶようにしましょう。

・歯ブラシを嫌がらない犬の場合
小型犬用など愛犬のサイズに合った歯ブラシやスポンジブラシを使います。

そして一本一本優しく歯を磨いていくのですが、愛犬にストレスがかからないようにするためにも5分程度で終わらせるのが理想です。

歯磨き粉を使うと犬がそれを舐めようとしてうまく磨けないことがあります。

その場合は歯磨き粉は使用せず、そのまま磨いても歯垢は落ちるので大丈夫です。

・歯ブラシを嫌がる犬の場合

口の中に歯ブラシを入れると嫌がる犬が多いです。

その場合は歯磨きシートや指サック型のフィンガー歯ブラシを使うとよいでしょう。

飼い主の手の感触が僅かに伝わるので、愛犬は安心して大人しくなりスムーズに磨くことができます。

歯磨きシートは指にシートを巻きつけて愛犬の歯をなぞるようにして磨くことが可能です。

指サック型のフィンガー歯ブラシも同じように磨くことができます。

3.口の手入れの頻度

犬の歯垢のつき方は唾液の量や、普段食べているエサによっても様々です。

唾液が多ければ歯垢は付きにくいですし、ウェットタイプのエサよりドライタイプのエサの方が歯垢は付きにくくなります。

しかし犬の歯垢は付いてから3日から5日で歯石になってしまいます。

毎日歯磨きをするというのが理想ですが、無理な場合は最低でも5日に一回は歯磨きをするようにしてください。

そうすることで歯垢が歯石になることを防ぐことができます。定年後シニアなら毎日磨いてあげましょう。

また愛犬が暴れるなどして一度に全ての歯を磨くことができない場合は、分割して磨くという方法もあります。

その場合は最初の歯磨きから5日までに全ての歯を磨き終わるようにしてください。

4.口腔ケアの補助道具

・スケーラー
既に歯に歯石がたくさん付いている場合はスケーラーを使って取り除くことが可能です。

先端で歯石を削り歯石を除去します。

・歯磨きガム
ある程度の硬さがあり、おやつとして与えることで食べながら歯を磨くことができます。

しかし愛犬の大きさに合ったサイズの歯磨きガムを与えなければいけません。

犬の歯は強そうに見えるのですが、硬すぎるものを食べると歯が欠けてしまいます。

愛犬の大きさや年齢を考慮して与えるようにしましょう。

なお、歯磨きガムを与えれば歯磨きはしなくてもよい、と考えている人が多いのですが、それは間違いです。

歯磨きガムではどうしても一部の表面の歯垢しか取れません。

口の中を清潔に保つためには歯磨きが必要です。

5.ケアする時の注意点

人間用の歯磨き粉は使用してはいけません。

人間にとっては馴染みの深いキシリトールですが犬にとっては有害です。

少しの量だからといって使用すると低血糖を起こし気絶し、最悪の場合は死に至る可能性があります。

また人間用のは歯磨き粉には必ずと言っていいほど入っている発泡剤は、犬の胃に残り食欲不振を引き起こす可能性があります。

キシリトールが入っていないからといって人間用の歯磨き粉を使用するのはやめましょう。

また歯石を除去するスケーラーも先端が尖っていて、使い方を間違えると危険です。

歯石が取りにくいからとガリガリと強く削ってしまうと歯に傷をつけてしまうかもしれません。

なので無理矢理削らないようにしましょう。

また、暴れる犬に使用するとスケーラーで犬を傷つけてしまう可能性があります。

愛犬が暴れる場合は使用を控えましょう。

愛犬の健康のためにできること

愛犬の健康のためにはスキンシップが大切だと言われています。

それは普段からスキンシップをとることで愛犬の体の変化に素早く気づくことができるからです。

しかし愛犬の口の中は普段のスキンシップでは目にすることができません。

ですが歯磨きをすることで頻繁に愛犬の口の中を確認できるようになります。

そうすることで口の中の病気だけではなく、チアノーゼや口周りの皮膚炎などの早期発見に繋がるのです。
定年後シニアなら最高の友達でもある愛犬に時間を使ってケアしましょう。