6月と言えば本州以南の日本列島が梅雨入りする頃ですが、北海道では爽やかな初夏の季節を迎えます。
そんな6月上旬の北海道札幌市を舞台に開催されるYOSAKOIソーラン祭りは、北の大地を熱くする一大イベントです。
1.観客数200万人に達する日本一のYOSAKOI
1992年に始まったYOSAKOIソーラン祭りは、全国に拡大したYOSAKOIブームの火付け役として知られています。
1990年代を通じて年々規模を拡大していったYOSAKOIソーラン祭りは、2000年代に入ると観客動員数200万人という大イベントに成長しました。
現在の参加団体は約270チームを数え、3万人近い踊り手が市内約20会場を舞台に演舞の熱演を繰り広げているのです。
YOSAKOIソーラン祭りの開催日程は毎年変わりますが、6月の第2日曜日が最終日となるようにスケジュールが組まれる点は毎年共通しています。
この最終日にはYOSAKOIソーラン大賞を決定するファイナル審査も行われ、5日間にわたるイベントのクライマックスとなります。
参加人数や観客数など本場高知のよさこい祭りを上回る規模に発展したYOSAKOIソーラン祭りは、全国各地に見られる類似イベントの中で日本一の「YOSAKOI」と称しても過言ではありません。
2.市内約20会場で5日間にわたり熱演
YOSAKOIソーラン祭りはこれまで札幌市内に点在する20前後の演舞会場を舞台に実施されてきました。
会場はその年によって変わりますが、中でも中心となるのは最終日にファイナル審査が行われる大通公園西8丁目ステージ会場です。
セミファイナルやファイナルステージに出場するほど実力のある有力チームの演舞が集中的に見られるとあって、大通公園西8丁目ステージ会場は特に混雑します。
隣接する大通りパレード会場は南コースと北コースに分かれ、それぞれ有料観覧席と無料スペースが用意されています。
YOSAKOIソーラン祭りの演舞にはステージ形式とパレード形式の2種類があり、パレード形式ではPA装置を積んだ地方車も見どころの1つです。
この他にも大通り周辺には演舞会場が集中していますが、地下鉄で移動できる白い恋人パーク会場や新琴似会場も混雑を避けてゆっくり観覧できることから穴場と言われています。
3.ソーラン節と鳴子だけが共通ルール
札幌市のYOSAKOIソーラン祭りがモデルとした高知のよさこい祭りでは、参加するチームが守るべきルールとして「よさこい鳴子踊りのメロディーを必ず入れる」と「鳴子を持って前進する振り付け」が挙げられていました。
YOSAKOIソーラン祭りでは1チームの参加人数が150人以下で「手に鳴子を持って踊ること」という点では共通しますが、使われる音楽には北海道ならではのルールが採用されています。
高知のよさこい祭りで使われるよさこい鳴子踊りのメロディーに代わって、YOSAKOIソーラン祭りでは曲にソーラン節のフレーズを入れるというルールが適用されたのです。
それらのルールさえ守れば音楽も踊りも衣装も自由にアレンジできるため、チームごとに特色のある多種多様な演舞が生み出されてきました。
かつて北海道の主産業だったニシン漁の沖揚げ音頭として唄われていたというソーラン節は、日本の民謡の中でも最も有名な曲の1つです。
4.高知をルーツに全国へと拡大
高知のよさこい祭りをルーツとする「YOSAKOI」は、1990年代以降に全国各地へと爆発的に広がりました。
その中でも札幌市のYOSAKOIソーラン祭りは開始年が1992年にさかのぼり、高知のよさこい祭りに次ぐ古い歴史を持ちます。
YOSAKOIソーラン祭りは高知のよさこい祭りをモデルに地元の大学生が中心となって企画し、北海道ならではの要素を加えながら独自に発展してきたイベントです。
当時の北大生が母の看病のため入院先の高知市へ赴いた際、たまたま開催されていたよさこい祭りの熱気を目の当たりにして感動したのが始まりでした。
同様のストリートイベントを北海道でも開催したいという若者の熱意が実を結び、10団体が参加して3会場を舞台に初開催された1992年のYOSAKOIソーラン祭りで20万人の観客を集めて大成功を収めたのです。
このイベントモデルが全国に知られるようになり、各地の自治体や地元団体が先を争うようにして類似イベントを開催するようになりました。
5.定年後シニアはゆっくり座って観覧できる桟敷席は早めの確保を
現在では第1回の観客動員数20万人から10倍の規模にまで大きく発展を遂げたYOSAKOIソーラン祭りだけに、メイン会場となる大通公園西8丁目ステージ会場や周辺のパレード会場は混雑も避けられません。
大通り西5・6・7丁目南北パレード会場の有料桟敷席と合わせ、大通公園西8丁目ステージ会場の特別観覧席は4月中頃から前売券が販売開始されます。
大通公園西8丁目ステージ会場では1日目から3日目までは午後6時から9時半にかけて参加チームの熱演が繰り広げられた後、4日目と最終日は午前10時から夜に至るまで会場が熱狂に包まれます。
3日目の夜はソーランナイトの前夜祭が開催され、最終日のファイナルステージは午後4時前からの第1部と7時半前からの第2部という2部構成です。
レベルの高い有力チームの演舞がゆっくり座って見られる有料桟敷席は、シニアの間で毎年人気を集めています。
良い席を確保するにはコンビニなどを利用し、前売券を早めに購入しておくといいでしょう。
梅雨の時期には北海道でYOSAKOIソーラン祭りを
プロも顔負けの華麗な演舞を披露する有名チームだけでなく、子供たちが元気いっぱいに踊るジュニア大会もYOSAKOIソーラン祭りで見逃せません。
飛び入り参加も可能なワオドリスクエアも含めた多彩な趣向で盛り上がるYOSAKOIソーラン祭りは、北海道だけでなく全国各地から訪れるシニアを元気にしてくれるイベントです。