東大寺(奈良県)の圧倒的な存在感・宗教的なパワーを持つ大仏から長生きにつながるパワーを得よう!

最終更新日:2017年11月24日

「奈良の大仏」で有名な東大寺は修学旅行の訪問先として定番コースのため、一度は訪れたことのあるという人も多いものです。

東大寺の持つ本当の魅力を実感できるようになるのは、人生の後半を迎えた頃だと言われています。

1.奈良時代創建の大寺院

奈良県奈良市にある東大寺の歴史は非常に古く、創建は今から1200年以上も前の奈良時代にまでさかのぼります。

当時の聖武天皇と光明皇后が中心となって大仏の鋳造事業が進められ、完成した752年には大仏の開眼供養が盛大に行われました。

東大寺は日本史の中でも重要な役割を果たしてきましたが、平安時代末期と戦国時代の戦乱に巻き込まれて大仏殿を含む建造物の多くが二度も焼失しています。

その都度再建を果たし、東大寺は現在に至るまで仏教文化を守り続けてきたのです。

現在の大仏は江戸時代に再興した部分が大半を占めますが、台座も含めた一部は奈良時代に創建された当時のまま残されていると言われます。

金剛力士像を安置した南大門を含め、東大寺の境内は大仏と大仏殿以外にも数多くの国宝と重要文化財の宝庫です。

古くから信仰を集めてきた東大寺は、近年のパワースポットブームで幅広い年代の観光客が訪れるようになりましました。

2.圧倒的な存在感の大仏

東大寺で見られる国宝や文化財の中でも、最もインパクトが大きいのは何と言っても高さ約15メートルの大仏です。

日本国内には数多くの大仏が存在し、高さ120メートルにも達する茨城県牛久市の牛久大仏など、東大寺の大仏を大きさで上回る例は少なくありません。

それでも「奈良の大仏」は東大寺の象徴として古くから親しまれてきました。

正式名を「盧舎那仏坐像」というこの大仏は宇宙そのものを象徴し、「華厳経」の根本教義を示す存在です。

大仏殿に足を踏み入れた瞬間に感じる圧倒的な存在感と仏教的なパワーは、実際にその場所へ行った人でなければ感じることができません。

大仏の両脇を固める虚空蔵菩薩坐像と如意輪観音坐像の脇侍も、大仏殿を訪れたら見ておきたい重要文化財です。

大仏殿の建物そのものが大仏とともに国宝指定されている他、大仏殿の前庭にある見逃せない金銅八角燈籠も奈良時代の創建当時から残る貴重な国宝として見逃せません。

3.大仏殿以外にも数々の国宝建造物

東大寺を訪れた人は圧倒的な迫力を持つ大仏にばかり目を奪われがちですが、境内には大仏殿以外にも数多くの国宝や文化財が点在しています。

JR奈良駅・近鉄奈良駅からバスに乗り、東大寺大仏殿前で下車して間もなく見えてくるのは鎌倉時代に建てられた国宝の南大門です。

門内の左右には運慶・快慶ら著名な仏師が制作したと伝わる金剛力士像が安置されており、高さ8メートルにも達する巨大な像の迫力が見る者を圧倒します。

奈良時代の創建当時に造られた国宝の梵鐘を吊るす鐘楼も、鎌倉時代の作として国宝指定された建造物です。

その先にある法華堂は東大寺の中で最も古い建造物で、創建は奈良時代にまでさかのぼると伝えられています。

天平時代に造られた国宝の仏像を数多く収蔵する法華堂も大仏殿と同じく拝観が可能となっていますので、東大寺を訪れたら是非立ち寄ってみるといいでしょう。

4.二度の兵火焼失から復興

日本の仏教界には数多くの宗派が存在しますが、その中でも東大寺を大本山とする華厳宗は奈良時代に起源を持つ南都六宗の1つです。

浄土宗・浄土真宗や臨済宗・曹洞宗・日蓮宗など鎌倉仏教と総称される宗派と比べ、華厳宗に代表される奈良仏教はそれだけ古い歴史を持ちます。

日本史の中でも延暦寺や興福寺などと並んで隠然たる影響力をふるってきた東大寺も、過去には二度にわたって大きな存亡の機に直面してきました。

一度目は平安時代末期に被った平重衡による南都焼討で、大仏殿を含む大半の伽藍が灰燼に帰してしまったのです。

東大寺の大勧進職に就任した重源の尽力で大仏と大仏殿は鎌倉時代に再興されましたが、戦国時代の1567年には松永秀久らによる東大寺攻めで大仏殿は再び焼失してしまいました。

このとき頭部を失った大仏は江戸時代の元禄期に入ってようやく本格的に再興され、再建された大仏殿とともに現在まで維持されてきたのです。

5.年中行事と秘仏開扉

以上のような波乱の歴史を持つ東大寺の境内には、至るところに宗教的なパワーが満ちています。

東大寺を訪れて参拝するだけでも神秘的な力は得られますが、1月から12月まで行われる東大寺のさまざまな年中行事も見逃せません。

通常は大仏殿や法華堂などお堂ごとに大人1人500円の入堂料が徴収されるのに対して、元日は初詣客に向けて午前0時から8時まで大仏殿も無料で参拝できます。

2月3日の節分に行われる豆まきと星供養、誕生釈迦仏に甘茶を潅ぐ4月8日の仏生会も東大寺で人気の行事です。

1200年以上も途絶えることなく現在まで引き継がれてきた伝統行事の修二会は、3月12日深夜に行われる「お水取り」で知られています。

当日は入場規制が行われるほど混雑しますので、拝観の際には早めに入場するといいでしょう。

この他にも公慶堂や法華堂・開山堂・俊乗堂では日時を限って秘仏開扉も行われており、普段は非公開の国宝仏を見る貴重な機会となります。

東大寺の境内で神聖なパワーを感じよう

1200年以上もの長きに渡って日本の仏教文化をリードし続けてきた東大寺には、国宝や文化財など見どころが盛りだくさんです。

日本人が心の拠りどころとしてきた大仏だけでなく、東大寺の境内は隅々まで神聖な空気で満たされています。

シニア世代の人はそうした空気に触れることで、長生きにつながるパワーが得られるのです。