連日観光客で溢れる日光ですが、中でも東照宮の賑わいは目を引きます。
人が集まるのには様々な理由がありますが、東照宮が日本屈指のパワースポットだというのもそのひとつです。
なぜ東照宮にパワーが集中するのか、3大パワースポットと併せてご紹介します。
1.東照宮の立地
東照宮が現在の位置にあるのは徳川家康の遺言に因ります。
久能山に祀ったのち、日光に小さな御堂を立ててほしいというものでした。
その遺言を受けて家臣が風水と陰陽道の見地から最適な土地を探したのです。
具体的には修験者の修行場であった霊峰・男体山並びに女体山(女峰山)からの龍脈が合流する地点に位置します。
山岳信仰(標高の高い山には霊的な力が宿ると考える)も影響を与えています。
東に川、西に大きな道、南に低めの土地、北に山という「四神相応の地」にも適合しています。
平安京もこの考えに基づいて設営されたとされています。
さらに東照宮の位置は江戸城(現皇居)の真北に位置します。
北極星はその位置をほとんど変化させないことから、不動の星として中国では神聖視されていました。
自然の力が集まるこの地で東照権現として神となり、江戸を守護することを家康は選びました。
一度は覇者となった織田家、豊臣家の行く末を家康は目の当たりにしています。
秀吉の子・秀頼に至っては自ら手を下したのと変わりません。
徳川家の子々孫々を憂いたのも無理からぬことです。
2.3大パワースポット① 北辰の道の起点
「北辰」とは北極星の異称です。
先ほども述べたように、家康はこの北極星を非常に重視しました。
北極星、家康の遺骨が安置されている奥宮宝塔と陽明門、その手前の唐銅鳥居は一本線で結ばれ、まっすぐに江戸にパワーを送れるようになっています。
この道のことを「北辰の道」と呼んでいます。
特にパワーが集中するのは唐銅鳥居の手前にある一枚の石畳です。
その地点から鳥居を覗くと陽明門がキレイに納まって見えるよう設計されています。
ただし、当時の成人男性の平均身長(およそ150センチメートル)を基準にしているため、現代人(特に男性)は少し腰を屈めないとわかりづらい位置になっています。
3.3大パワースポット② 奥宮
家康の遺骨を納めた宝塔が鎮座しています。
分骨とはいえ東照宮のパワーの源です。
江戸時代には代々の将軍だけが立ち入ることが許されたという、御禁制の場所です。
「眠り猫」からここへ至るまでの道もパワースポットで、龍道と呼ばれます。
どんどんとパワーの発生源に近づくわけですから。
周囲が鬱蒼とした木々に覆われているためか、涼やかで澄んだ空気が漂い、表の賑やかさとは一線を画します。
宝塔の側には樹齢600年ほどの巨大な叶え杉が立っています。
名前の通り、願いを叶えてくれる杉です。
土を介して家康のパワーを受け取っているとも言われます。
幹には空洞があり、その周囲をしめ縄が取り囲んでいます。
そっと手を触れてパワーをもらいましょう。
手は触れても構いませんが、けして傷をつけないようにしてください。
さらに拝殿の近くには井戸があります。
パワースポットというよりは、もらったエネルギーをとどめておく役割です。
井戸水に触れてせっかくのパワーや運気が逃げないように体に定着させましょう。
4.3大パワースポット③ 上神道
東照宮から日光二荒山神社へと続く神道には上神道と下神道があります。
東照宮の側にあるのでどちらも霊的なパワーは強いのですが、上神道が龍道と重なるため、より強力なパワーが得られます。
表門の右側から続くのが上神道、石鳥居の外側から続くのが下神道です。
どちらを通っても二荒山神社に辿り着くため、時々間違える人がいますが、上神道の方は人通りが多いので区別はつきます。
「神道」と名前がついている通り、本来は神様の通り道です。
人が真ん中を通るのは神様の通行を妨げるので、良しとされません。
清々しい道なのでつい真ん中に陣取りたくもなりますが、そこは神様にお譲りし、只人は端を歩きましょう。
5.番外編① 三猿
「見ざる、言わざる、聞かざる」の彫刻も有名ですね。
2017年は修復が完了しましたが、その前後の違いが話題になりました。
こちらもパワースポットに数えられます。
というのも、この彫刻が施されているのは神厩舎です。
運が良ければ中に純白の神馬がいるのを見られます。
厩舎に猿が描かれているのは大切な神馬を猿が守るようにという願い、もしくは中国の験担ぎにもある「馬上に猿」に由来するとも言われています。
「馬上に猿」は早い出世を意味しますので、仕事運を上げたい方には特にオススメのスポットです。
御神馬がいるタイミングはまちまちですが、午前中にいることが多くなります。
6.番外編② 鳴き龍
薬師堂の天井に水墨画で描かれた迫力満点の龍です。
拍子を打つと龍が鳴くので有名ですが、その音は雷の咆哮ではなく鈴を転がす様な清らかな音がします。
そのため別名を「鈴鳴龍」とも言います。
描かれた当初から有名だったわけではなく、1900年代初頭に偶然音が反響・共鳴することに気づいたとのことです。
神獣・龍の力を頭から浴びることのできるスポットです。
なお、東照宮の敷地内にありますが、厳密には「輪王寺」という寺院に所属しています。
これは明治時代の神仏分離令によるものです。
現在でも拝観料が別途かかりますのでご注意ください。
日光東照宮でパワースポットを巡ってみよう
以上のパワースポットのほかにも、陽明門の逆柱や想像の象など見どころはたくさんあります。
どうしても立地上バリアフリーには対応できそうにありません。
特に奥宮宝塔へ続く階段は長く、不便であることは否定できません。
しかし、それ以上に得られるパワーと感動は大きいので、体力に自信があるうちに参拝してみてはいかがでしょうか。