鋸山をご存知ですか?千葉県の南西側、東京湾に面した富津市金谷と鋸南町の間にある、標高329mの小さな山です。
昔は石を切り出していた採石場でもあり、今でもその石切りの跡を見ることができます。また、日本一の大きさの石に彫られた薬師瑠璃光如来像が鎮座しています
1.圧倒的な行きやすさ
東京都心との距離は非常に近いです。
車、電車、船まで使えます。
車ならば、富津館山道路を経由して1時間程度、神奈川方面からもアクアライン経由で非常に近いです。
また、電車ではJR内房線・浜金谷駅が最寄り駅になります。
東京駅から浜金谷駅までは2時間弱。
ここから歩ける距離に入り口があります。
さらに、船も使うことができます。
東京湾フェリーは金谷~久里浜間を約40分で結んでいます。
車のまま乗船することも可能で、海を堪能した後に山に登るという贅沢なプランも可能です。
2.登山の入門・ハイキングにも
気軽な登山というと、高尾山などが有名ですが、鋸山も適度な難易度の山です。
標高の低さに加え、鋸山ロープウェーが通っていることが大きいです。
このロープウェーに乗れば、山頂付近まで一気に昇ることができます。
歩いて登るコースも5つに分かれており、自分の体力によってハイキング~やや本格的な登山まで楽しむことができます。
さらに小さい子や体力に自信のない方は、車でも大半を登ることも可能です。
登りはロープウェーで、下りは歩いて帰るなど、別々のルートを組み合わせると両方楽しむことができるでしょう。
ただし、ロープウェーから山頂まではすぐなのですが、地獄のぞきや千五百羅漢像などに行く際は、急階段などもありますのでご注意を。
3.地獄のぞきは必見
鋸山で最も有名なスポットは「地獄のぞき」でしょう。
山頂付近の垂直に切り立った崖の上にある、ちょっと飛び出た足場に登ることができます。
その足場も急角度で下を向いており、そのスリルから地獄のぞきと呼ばれています。
元々は石切職人の方が、ちょっとした遊び心で少しだけ出っ張りを残したそうですが、今ではそれが一大観光スポットになっています。
日本人だけでなく、最近ではインスタグラム等を通じて海外の方にも評判らしく、多くの人が怯えながらも楽しみながら、地獄をのぞいています。
もちろん、柵は設置してありますので危険はありませんが、高所恐怖症の方は行かない方がいいでしょう。
また、この辺りは非常に眺めがよく、海が近いせいか、あまり山の低さも感じられず絶景と言えます。
4.「石」文化との長いつながり
鋸山は、古くは「房州石」の石切場として栄えていました。
そのため、切られた山の形は非常に独特で、垂直・水平に切り取られた岩肌が今も多く見られます。
一説には、この切り取った跡が鋸の刃のように見えるため、鋸山と呼ばれるようになったと言われています。
石切自体は1982年を最後に行われていませんが、山のふもと、富津市金谷でも石を使った作品などが路上に点在しており、石切文化の名残を感じさせてくれます。
同じく石を使ったものとして有名なのが「日本寺」です。
鋸山の大半が日本寺の境内となっています。
この日本寺は約1300年前、聖武天皇らの命により、行基が建立したと言われています。
石に彫られた薬師瑠璃光如来像は、日本一の大きさを誇り、鎌倉の大仏の倍以上で圧巻です。
現在は2025年の開山1300年記念に向けて本堂の復興工事が行われています。
そのほかにも必ず自分に似た顔があるといわれる「千五百羅漢道」やちょっとしたトンネルなど、道中も楽しむことができます。
5.ぜひ回ってほしい周辺観光
鋸山に来たならぜひ回ってほしい周辺施設を紹介します。
まずは「The Fish」。
こちらは房総半島のお土産が取り揃えられ、オーシャンビューのレストランもあります。
オススメは見波亭の「のこぎり山バウムクーヘン」で、その場で作りたてが食べられる場合もあります。
ここは東京湾フェリーのすぐ隣にあるため、船を待つ人も多く滞在しています。
次に「ばんや」も有名です。
車がないと移動は厳しいですが、漁港が直営する店で、新鮮な魚介を使った刺身や海鮮丼、バーベキューはたまたお風呂までそろっています。
登山で疲れた体をここで癒すのもいいでしょう。
さらに、「道の駅保田小学校」もぜひオススメです。
これは廃校になった小学校を改築して作った道の駅で、海の幸というよりも山の幸が中心となっています。
宿泊も可能になっており、教室だった場所に泊まるという貴重な体験も可能になっています。
また、この地域はアーティストインレジデンス(芸術家を地域に呼び、地域に根差して作品作りを行う)の取り組みも進められており、周辺に2007年にできた「金谷美術館」とともにアート・芸術の分野でもまちづくりを進めています。
シニアにちょうどいい観光スポット「鋸山」
いかがでしたでしょうか。
ここでは紹介しきれない魅力もあり、実際に歩いて・体験してみて分かることも多いと思います。
冬でも雪の降ることは滅多にありませんし、四季を通じた変化もある山ですので、週末に足を運んでもらい、周辺観光も含めて楽しんでいただきたいです。