名古屋城の桜は日本一の規模の天守閣を持つ天下の名城をバックに咲き誇る!

最終更新日:2018年1月3日

愛知県名古屋市にある名古屋城は大阪城や熊本城と並ぶ日本三名城の1つとして知られ、金の鯱は市のシンボルとなっています。

そんな名古屋城は桜の名所としても人気が高く、開花シーズンには大勢の観光客で賑わいます。

1.天下の名城をバックに咲き誇る桜

名古屋市が誇る天下の名城・名古屋城は、地下鉄名城線市役所駅から徒歩5分ほどで到着できるアクセスの良さが特徴です。

特別史跡にも指定されている名古屋城は城跡全体が名城公園の一角として整備されており、復元された天守閣や本丸御殿の他、櫓や門などの重要文化財や石垣に江戸時代の築城の跡を見ることができます。

名古屋城にはソメイヨシノやシダレザクラなど多くの種類の桜が植えられ、毎年3月下旬から4月上旬頃にかけての開花シーズンは天守閣を背景に咲き誇る桜が訪れた市民や観光客の目を楽しませてきました。

名古屋城を中心とする名城公園全体に植えられている桜の木はおよそ2800本にも達し、内堀を挟んだ北園には桜まつり期間中に多くの屋台も出店されます。

夜間には名古屋城がライトアップされるため、昼とは一味違った幻想的な夜桜の風景が見逃せません。

2.復元された天守閣は日本一の規模

名古屋城は江戸時代初期に初代将軍の徳川家康が諸大名に命じて作らせた天下普請の城で、徳川御三家の1つ尾張徳川家の居城として幕末まで使用されてきました。

18階建てのビルに匹敵する天守閣は高さこそ江戸城や大阪城に及びませんが、延床面積では日本一の規模を誇っていたと伝えられています。

名古屋城の天守閣は明治維新後も保存され、濃尾地震の揺れにも耐えて昭和初期まで300年以上も存続してきましたが、昭和20年の名古屋大空襲で焼失してしまいました。

戦後は名古屋市と市民が力を合わせて天守閣の再建が進められ、昭和34年に現在の鉄筋コンクリート造の天守閣が完成したのです。

名古屋城はエレベーターで5階まで上がれるバリアフリー構造でありながら、資料が豊富に残されていたため外観は消失前の天守閣がほぼ忠実に再現されています。

空襲で焼失した金の鯱も復元されて天守閣の屋根に輝いており、名古屋城復興のシンボルとして市民に親しまれてきました。

3.築城名人の加藤清正が築いた石垣にも注目

現在の名古屋城天守閣は地上7階地下1階で、各階には本丸御殿障壁画などの重要文化財を含む名古屋城収蔵品が展示されています。

最上階には名古屋市内が見渡せる展望室があり、特に桜の開花シーズンは大人気です。

名古屋城ではついつい天守閣に注目しがちになりますが、城内には他にも見どころが多くあります。

中でも歴史好きのシニアにとって見逃せないのは、江戸時代からの遺構として随所に残される石垣の数々です。

名古屋城築城の際には全国の名だたる外様大名が動員された天下普請として工事が行われたため、石垣も諸大名が技術を競い合うようにして全国から石材を運びながら築かれました。

名古屋城内の石垣には他の大名と石と区別する目的で記した独特の刻印が見られますので、花見に訪れたら石垣にも注目してみるといいでしょう。

中でも築城の名手として知られた加藤清正にまつわる「清正石」は、名古屋城内でも人気を集めている名所の1つです。

4.御三家の筆頭格だった尾張徳川家

名古屋城内には加藤清正の像も複数見られ、歴史に詳しくない人には清正が城主だったように勘違いされますが、清正はあくまでも将軍・徳川家康の命を受けて名古屋城の普請に協力した大名の1人に過ぎません。

当時はまだ豊臣家が大坂城を拠点として隠然たる勢力を保っており、天下を手中に収めた家康としても油断がならない情勢でした。

家康が名古屋の地にこれだけ大規模な城を築いた目的には、大坂勢に対する備えという重要な意味もこめられていたのです。

完成した名古屋城に尾張藩の初代藩主として入城したのは、徳川家康の九男・徳川義直でした。

徳川義直は謹厳実直な人物として知られ、甥に当たる3代将軍・徳川家光にとっては目の上のたんこぶのような存在だったと伝えられています。

そんな義直を藩祖とする尾張藩は徳川御三家の中でも筆頭格で、8代将軍・徳川吉宗の質素倹約政策に反発して商業を発展させ、名古屋城下に空前の好景気をもたらした7代藩主の徳川宗春が特に有名です。

5.名城公園として整備された城跡

現在では東京・大阪と並ぶ3大経済圏の中心都市となった名古屋市も、尾張藩の城下町として経済的に発展してきた歴史を持ちます。

東京と大阪どちらにも属さない独自の文化圏を築き上げた名古屋っ子にとって、名古屋城は市民としての誇りのシンボルでもあります。

明治維新後の名古屋城は陸軍省や宮内省の所有を経て昭和初期に名古屋市へと下賜され、市民に一般公開されるようになりました。

陸軍の練兵場として使われていた北部沼沢埋立地も含め、名古屋城一帯が同時に名城公園として開園されています。

城内一円に植えられたソメイヨシノと西之丸のシダレザクラは3月下旬から4月上旬に、二之丸のギョイコウは4月中旬から下旬に、二之丸と御深井丸のヤエザクラは4月下旬にそれぞれ見頃を迎えます。

歴史名所巡りを目的に名古屋城を見に行くなら、こうした桜のシーズンが最適です。

名古屋城には桜の他にも藤やアジサイなど多少多様な花々が植えられており、1年を通じて観光客を楽しませています。

定年後には名古屋城の桜をじっくりと見て回ろう

全国の城でも来場者数ランキングで毎年必ず上位に入るだけに、名城桜まつり期間中は名古屋城が特に賑わいます。

名古屋城は規模が大きいのでシニアにとっては見て回るのも大変ですが、歴史ファンなら必見のスポットが盛りだくさんです。

歴史好きのシニアに限らず、桜の季節の名古屋城は定年後の旅先としても人気があります。