博多どんたく港まつり(福岡県)の桟敷席や総踊りを余裕あるスケジュールで楽しむ

最終更新日:2017年11月27日

ゴールデンウィーク中は全国で大勢の人が行楽に出かけ、各地ではさまざまな祭りやイベントも開催されます。

その中でも福岡県福岡市で行われる博多どんたく港まつりは、200万人の観光客で賑わう日本一の祭りです。

1.福岡市内が祭り一色に

昭和37年に福岡市民の祭りとして始まった博多どんたく港まつりは、毎年5月3日から4日に開催されます。

5月2日に福岡国際センターを舞台に前夜祭が行われた後、3日と4日の2日間は福岡市内が祭り一色となります。

長い歴史を持つ博多松囃子を発展させる形で始まった博多どんたく港まつりでは、市内の明治通りを車両通行止めにして実施されるどんたくパレードが祭りの中心です。

2017年の例では5月3日の午後1時から7時までの6時間、4日は午後3時から8時までの5時間に、明治通りのどんたく広場でどんたくパレードが行われました。

祭り期間中には福岡市内の約30カ所に特設演舞台が設置され、古典芸能や歌謡ショーなど多彩なイベントが繰り広げられます。

博多どんたく港まつりは全国的にも有名なためテレビ中継もよく行われますが、映像では伝わりきらない祭りの熱気は現地へ行くことでしか体験することができないものです。

2.平安時代に起源を持つ博多松囃子

博多どんたくの「どんたく」とは、休日を意味するオランダ語の「ゾンターク」が由来と言われています。

平安時代末期に起源を持つ博多松囃子はもともと年賀行事でしたが、明治時代に入ると県からの指導を受けて正月の実施が中止されました。

以後は天長節や紀元節など明治政府の制定した祝日を祝する目的で博多松囃子が行われるようになりますが、この祝日を意味する言葉として「どんたく」が広められたのです。

太平洋戦争中の一時中断を経て戦後に復活した博多松囃子は年々盛んになり、昭和37年に「博多どんたく港まつり」の名で現在のような市民イベントとして開始されます。

選択無形民俗文化財にも指定されている博多松囃子は福神・恵比須・大黒の三福神と稚児の四流から構成され、面をかぶって馬に乗る福禄寿と夫婦の恵比寿・大黒の出で立ちが見ものです。

3.見どころ盛りだくさんのどんたくパレード

2日間にわたって繰り広げられるどんたくパレードはその年によってプログラムが変わりますが、初日は伝統の博多松囃子から始まって警察音楽隊へと続くのが一般的です。

さらに花自動車隊や古典どんたく隊・他都市ど んたく隊・一般どんたく隊が続いた後、「通りもん」や「踊りもん」がパレードを盛り上げます。

アンパンマンやきかんしゃトーマスなど子供たちに大人気のキャラクターや戦隊ヒーローに飾られた花自動車は、孫を連れて訪れるシニアには見逃せません。

音楽隊パレードやバトン・チアリーディングもパレードに欠かせませんが、地元企業や学生などさまざまな団体が参加する仮装行列も見ものです。

参加者ごとに工夫を凝らしたコスチュームは世相を反映しており、これもまた博多松囃子に劣らず祭り好きの福岡市民らしい伝統文化と言えます。

過去にはどんたくパレードにディズニーや有名芸能人が参加した年もありました。

4.福岡市内各所で行われる演舞台

5月3日と4日の2日間はどんたくパレード以外にも、福岡市内各地に設置される約30カ所のどんたく演舞台で多彩なイベントが開催されます。

福岡市中心部の博多区と中央区では特に多くの演舞台が集中しており、福岡市庁舎ふれあい広場で開催されるお祭り本舞台とJR博多駅前の博多駅本舞台は特に有名です。

それ以外の演舞台会場はその年ごとに変わることも多いため、博多どんたく港まつりを心ゆくまで楽しむためには事前にどの場所で演舞台が行われるか調べておくことが欠かせません。

当然のことながら演目スケジュールも各会場によって異なり、有名歌手やアイドルによる歌謡ショーが行われる時間帯の会場は特に大勢の観客で賑わいます。

博多どんたく港まつりが近づくと各演舞台会場ごとのプログラムもインターネットで公開されますので、見たい演目の行われる会場をあらかじめチェックしてから現地入りするといいでしょう。

5.桟敷席や総踊りもシニアに人気

明治通りのどんたく広場で開催されるどんたくパレードは5時間も6時間も続くため、シニア世代の人にとって長時間の立ち見はきついものです。

2017年の例では明治通りに面した水上公園に観光桟敷席が設置され、3月1日から前売券が販売されました。

当日券も桟敷席横で販売されますが、チケットぴあまたはローソンチケットで前売券を購入しておくと安心です。

観光桟敷席は半券を提示することで再入場も可能ですので、演舞台との間を往復することもできます。

どんたくパレードの中でも特に盛り上がるのは、2日目の午後6時過ぎから行われる総踊りです。

どんたくパレードのフィナーレを飾る総踊りは誰でも自由に飛び入り参加できるのが特徴で、福岡市民と観光客が入り乱れて一緒に踊る光景が毎年見られます。

どんたく踊りの振り付けを知らない人でも踊り方は自由ですので、踊りが好きなシニアは参加してみるといいでしょう。

余裕あるスケジュールで博多どんたく港まつりを楽しもう

200万人以上の観光客が訪れる祭りだけに、博多どんたく港まつりの期間中は交通機関も混雑します。

時間に余裕のあるシニアは早くから福岡市内の宿泊施設を予約したり、博多どんたくを組み込んだ旅行ツアーに参加したりしています。

祭り好きのシニアなら定年後の旅としても、博多どんたく港まつりは是非訪れたい祭りです。