黒部峡谷(富山県)は日本三大峡谷と言われる秘境!トロッコ列車に乗ってのんびりと黒部峡谷の風景を楽しむ

最終更新日:2017年11月17日

北アルプスとも呼ばれる飛騨山脈に発して日本海に注ぐ黒部川の流れは山地を削り、深い峡谷地形を形成しています。

断崖絶壁の広がるこの黒部峡谷には今も雄大な大自然が残されており、多くの観光客を魅了してきました。

1.日本三大峡谷と言われる秘境

富山県黒部市にある黒部峡谷は、日本三大峡谷の1つと言われるほど切り立った険しい地形が大きな特徴です。

黒部川と黒部峡谷は飛騨山脈北部を分断し、西側に連なる立山連峰と東側に連なる後立山連峰に大きく分けています。

黒部川の流域は大半が角度30度以上というV字型の急勾配で、人を寄せつけない断崖も少なくありません。

この険しい地形は水量が豊富で勾配も急なため流れが早い黒部川によって作り上げられました。

黒部川の水源となる飛騨山脈は積雪が多く、1年の大半が雪に覆われている山岳地帯も含まれるため、四季を通じて水量が多いのです。

黒部川の豊富な水量を電源開発に利用するため、昭和30年代には黒部ダムが建設されました。

黒部峡谷はこの黒部ダムより下流が「下廊下」と呼ばれ、上流を「上廊下」と呼ぶ習わしがあります。

黒部ダム建設のために使われた資材運搬用鉄道も、現在は観光用の黒部峡谷鉄道として利用されています。

2.各エリアに点在する秘湯

黒部峡谷観光を楽しむには、やはり黒部峡谷鉄道に乗車して沿線の大自然を鑑賞するのが一般的です。

黒部峡谷鉄道は宇奈月駅を発し、一般旅客乗降不可の駅も含めた8つの駅を通過して終点の欅平駅に到着します。

このうち一般旅客が乗り降りできるのは宇奈月駅と欅平駅の他に、黒薙駅と鐘釣駅があります。

始点の宇奈月駅は富山地方鉄道宇奈月温泉駅から徒歩5分の距離にありますので、各方面からの乗り継ぎにも便利です。

宇奈月は温泉の町でもあるため駅の周辺には旅館やホテルが多く、電気記念館や美術館といった施設もあります。

黒薙駅から徒歩20分ほどの距離にある黒薙温泉は知る人ぞ知る秘湯で、雄大な大自然の中で湯に浸れる露天風呂は温泉ファンの間で人気が高まっています。

鐘釣駅や欅平駅を下車した先にも名剣温泉や祖母谷温泉など数々の秘湯があって、温泉好きのシニアなら一度は訪れたい場所です。

3.大自然の雄大な風景が味わえる

黒部峡谷鉄道はもともと資材運搬用として使われていたため、線路の幅が一般的な鉄道の半分程度です。

そのため運行される車両も寸法の小さいトロッコ列車で、壁のない開放式の車両も運行されています。

天候の良い日なら開放式のトロッコ列車に乗り、風に吹かれながら黒部峡谷の雄大な大自然をリアルに味わえます。

悪天候の日や気温の低い季節は密閉式の車両の方が快適に移動できるものです。

黒部峡谷を訪れる観光客に最も人気の季節はやはり紅葉の時期ですが、春から初夏にかけての新緑の時期も色鮮やかな緑が目を楽しませてくれます。

紅葉シーズンの黒部峡谷では圧巻の風景が見られるため、トロッコ列車も大勢の観光客で賑わいます。

紅葉の見頃は10月下旬から11月中旬で、赤や橙色・黄色といった紅葉と針葉樹の緑色のコントラストも鮮やかです。

眼下を流れる黒部川の清流や青々とした水をたたえるた黒部湖が紅葉に映え、写真好きのシニアに絶好の被写体を提供してくれます。

4.電源開発と観光の歴史

黒部川の電源開発は大正時代に始まり、急峻な地形を特徴とする上流域では多くの犠牲者を伴う壮絶な工事が実施された歴史があります。

世紀の難工事と言われた黒部ダム建設工事を題材とした小説や映画も人気を博してきましたが、現在の黒部峡谷鉄道も当初は工事関係者だけが利用していました。

黒部峡谷の自然美を探勝したい人の間で電力会社の専用鉄道を観光用に利用したいという希望が多く寄せられ、生命の保証をしない注意書きを切符に記載することで便乗が許可されるようになったのです。

現在の黒部峡谷鉄道は安全性が高まっており、誰でも手軽に黒部峡谷観光を楽しめるようになりました。

黒部峡谷鉄道のトロッコ列車にはオープン型の普通客車の他に窓付きのリラックス客車と特別客車があり、窓付きの客車は低温時に暖房も入ります。

5.紅葉シーズンは防寒対策も必須

黒部峡谷観光で最も人気のシーズンは何と言っても紅葉の時期ですが、10月下旬以降は気温もぐっと下がります。

特にオープン型の普通客車で移動する際には、しっかりとした防寒対策が欠かせません。

黒部峡谷鉄道は紅葉シーズンが終了した後の12月から3月まで運休となります。

欅平から仙人谷まで延びる水平歩道を始め、そこから先に延びる日電歩道、沢登りスポットとしても人気が高い上廊下などは上級者向けの登山コースです。

シニア世代の人の多くはトロッコ列車に乗って雄大な風景を眺めながら沿線を移動し、各駅周辺の散策や温泉などを楽しんでいます。

黒部峡谷鉄道では一部の日を除く6月と11月の火曜日から木曜日までをシニア感謝デーとしており、60歳以上の人は宇奈月・欅平間と宇奈月・鐘釣間の往復乗車券が半額になることも覚えておくといいでしょう。

黒部峡谷の大自然を満喫しよう

都市部に住んでいる人は、黒部峡谷で見られるような大自然にも普段はなかなか接する機会がないものです。

黒部峡谷は険しい山岳地帯に位置していたため、あれだけの絶景もかつては人目に触れる機会がほとんどありませんでした。

今はシニア世代の人でもトロッコ列車に乗ってのんびりと黒部峡谷の風景を楽しむことができます。