高齢者を狙う悪質商法の手口の種類・対策方法

最終更新日:2017年7月17日

高齢者を対象とした、悪質な詐欺の被害が増えています。

オレオレ詐欺、振り込め詐欺という名前はメディアでも取り上げられ、その認知度は上がってきています。

しかし、高齢者を対象とした詐欺には他にもいくつもの種類があります。

高齢者の大切な財産を狙って、言葉巧みにすり寄ってくる悪質な業者から身を守るために、正しい知識を得て防衛することが大切です。

どんな悪質な業者がいて、どんな方法で声をかけてくるのかを、いくつかの事例を挙げてご紹介します。

1.オレオレ詐欺、振り込め詐欺

オレオレ詐欺や振り込め詐欺という名前を耳にした方も多いはずです。

最近では、その手口がテレビでも取り上げられ、自衛の方法も広まってきています。

自分は絶対にひっかからない、と思っている人ほど危ないという言われているのが、この詐欺の特徴でもあります。

息子や娘、孫を名乗る人物から突然電話がかかってきて、お金に困っているから今すぐ振り込んで欲しい、というように頼んでくるのが主な手口です。

「俺だよ、私だよ」などと言い、被害者が「◯◯か」と息子や娘の名前を聞き返してしまうことで、犯人はその人物になりすまします。

会社のお金を使い込んでしまった、交通事故を起こして示談金を支払うことになった、株で失敗をしてしまった、など、被害者が家族を心配する気持ちを利用するような言葉をかけてきます。

突然かかってきた電話で、このように不安になるようなことを言われると、誰しも慌ててしまうものです。

しかし、冷静に対応することを心がけ、少しでも不審なところがあれば、まずは電話を切って、第三者に相談をしてみましょう。

2.還付金詐欺

最近では銀行や郵便局のATMに注意喚起の張り紙もしてある、この還付金詐欺というのもかなり悪質な犯罪です。

公的機関を名乗る人物から電話がかかってきて、「払いすぎた医療費の払い戻しができる」というような内容のことを言われます。

この詐欺の特徴は、「金融機関では対応できないため、近くのATMに行って所定の手続きを済ませるように」という指示を出されることです。

電話で受けた指示の通りにATMの操作をすると、自分のお金が送金させられてしまうという手口です。

言われるがままに操作をしたら、自分の口座から100万円が勝手に送金されたという事例があります。

金融機関のATMは詐欺に対する警戒が厳しいため指定されません。

主にコンビニやスーパー、また、病院や市役所にあるATMを使うようにと指示されます。

しかし、保険料や医療費の還付がある場合は、まず還付金通知書というのが郵送で届くものです。

公的機関の名前を出されると、つい信用してしまいがちですが、そういった機関の職員がATMの操作を指示するということはありません。

このことはしっかり覚えておかなくてはなりません。

3.点検詐欺

一人暮らしの孤独な老人を対象とした詐欺です。

例えばシロアリの駆除や、屋根の雨漏り点検など、最初は無料で点検だけさせてくださいと言って、家の中に入ってきます。

そして、点検したところ問題が見つかったので、今すぐ修理もしくは対処をしないと住めなくなってしまう、というように不安を煽る言葉をかけてきます。

心配になった被害者がその場で契約してしまい、高額な修理費を払わされたという事例があります。

業者が突然訪問してきて点検させてください、と言った時には注意しましょう。

悪質な詐欺の可能性があります。

内容が専門的なものの場合、素人では判断が難しいからといって、相手に言われるがまま契約をしてしまうのは本当に危険です。

その場で契約をするというのは絶対に避け、家族や友人、消費者センターに一度相談してみましょう。

4.送りつけ商法

新手の詐欺でもある送りつけ商法という犯罪をご存知でしょうか。

これは、相談件数がこの5年の間に7倍にまで増えている詐欺です。

ある日突然、健康食品や書籍など、自分では購入した覚えのない品物が自宅に届きます。

高齢者の家に勝手に荷物を送りつけ、高額な代金を請求するという手口です。

「頼んだ覚えはない」と言っても、「あなたが忘れているだけだ」などと言い、ひどい場合には恫喝や脅迫してくることもあります。

もし、このような荷物を受け取ってしまった場合は絶対に代金を払ってはいけません。

商品の売り買いをめぐっては、売買契約という契約が消費者と業者の間で結ばれている必要があります。

ただ商品を送りつけただけでは、この売買契約は成立しません。

消費者側の「買う」という意思表示がない限り、成立するものではないからです。

もし受け取ってしまったら、決して代金を払わないことを覚えておきましょう。

そして、14日間はその商品を使用しないことも重要です。

14日間が過ぎると、送りつけた側はその荷物の返還を請求することができなくなります。

ただし、14日以内に使用したり、処分したりしてしまうと、これは購入の意思とみなされ、代金の支払いを拒否できなくなってしまいます。

身に覚えのない代金引換の荷物の受け取りはしないこと、もし受け取ってしまっても絶対に代金を払わないこと、そして14日が過ぎてから処分すること、という3つを覚えておきましょう。

5.かたり商法

かたり商法とは、点検商法にも似たところのある詐欺です。

役所の職員や消防署職員に似た服装で現れ、消化器やガス警報機、または表札などを売りつける手口です。

それぞれの家庭での設置が義務であるようなことを言って、売りつけるケースが多くなります。

公的機関を装った外見や話し方で巧みに誘導してくるため注意が必要です。

「消防署から来ました。消火器を点検します」「消化器の設置は義務付けられています」「ガスの警報機は設置が義務付けられています」

などと言われたら警戒しましょう。

怪しいと思ったら、身分証明書の提示を求めることでトラブルの回避ができることもあります。

高齢者を狙う悪質な手口に気をつけよう

孤独で財産を持っている高齢者を狙う、悪徳な詐欺業者は年々増加の一途をたどっています。

これらの犯罪から身を守るために必要なのは、正しい知識を得ることと、いかなる時も冷静に対応することです。

どんな犯罪があるのかを知っておくだけでも防衛につながります。

犯罪に巻き込まれてしまった場合に悲しいのは、当事者だけではありません。

家族や友人も心配するでしょう。

自衛する、ということがとても重要です。

少しでも不安なことがあったら、必ず第三者か消費者センターに相談してみてください。