家庭菜園は定年後シニアが生きがいとするのに最適な趣味

最終更新日:2017年12月12日

定年退職後は時間を持て余す人も少なくありませんが、新たな趣味に挑戦することで第二の人生を生き生きと過ごすことができます。

そんなシニアの間で人気を集めているのが、庭や市民農園などを利用した家庭菜園です。

1.庭や市民農園だけでなくベランダでも始められる

野菜作りを始めるには畑がなければならないと思っている人も少なくありませんが、野菜の種類によってはプランターやコンテナを使ってベランダでも栽培できます。

レタスやミニトマトなどの水耕栽培なら、室内でさえも栽培が可能です。

もっと本格的に畑で野菜作りに取り組みたいという人は、有料または無料の市民農園を借りるという手もあります。

もちろん自宅の庭に野菜を作るだけのスペースがある場合や、空いた所有地がある場合なら家庭菜園を始めるのにも有利です。

そういった土地を持っていない人でも工夫次第ではプランター菜園や水耕栽培で野菜作りが楽しめますので、自分の体力や予算に合わせて最適な方法を選んでみるといいでしょう。

野菜には食べる部位によって根菜・茎菜・葉菜・果菜の4種類に大きく分けられます。

菜園の環境や季節に適した種類の野菜を選んで栽培すれば、限られたスペースでも十分においしい野菜が作れるものです。

2.最初に用意すべき道具類

家庭菜園を始めるには最低限揃えておくべき道具はありますが、それも栽培する野菜や菜園のスタイルで違ってきます。

庭や畑・市民農園などを使って本格的に野菜作りを始める際には、土を耕したり畝立てをしたりするのにスコップや鍬を必要とする場合が少なくありません。

畝を立てたり溝を掘ったりするには一般的な平鍬が活躍しますが、土を耕す際には刃が3本または4本に分かれている備中鍬があると便利です。

平鍬は除草作業に活用できる他、備中鍬は芋類の収穫にもよく使われています。

苗の植え付けや掘り起こしなどの作業には、移植ゴテとも呼ばれる小型のスコップも欠かせません。

枝の切り落としや収穫に使うハサミにはいろいろな種類がありますが、初心者のうちは万能タイプのクラフトハサミを選ぶのが無難です。

ベランダのプランター菜園や乾燥時には水やりに使うジョーロも必要で、肥料や収穫した野菜を運搬するのにバケツを用意すれば作業が楽になります。

3.土作りの基本と肥料の種類

水耕栽培を除いて、あらゆる野菜は土に植えた種や苗が大きく成長することで収穫できるようになるものです。

土は野菜作りの基本となりますので、プランターで栽培する場合でも庭や畑で栽培する場合でもしっかりとした土作りが欠かせません。

庭を利用して家庭菜園を始める際には、大型のスコップを使って土を深く掘り起こした上で備中鍬で耕すようにすると通気性が良くなり、野菜作りに適した土へと生まれ変わります。

日本の土は大半の地域が酸性土壌のため、消石灰や苦土石灰などの土壌酸性改良剤を混ぜて耕すことで土質がさらに改善されます。

プランターを使って野菜を育てる場合は、ホームセンターなどで売られている培養土や家庭菜園用の土でも十分です。

慣れてきたら赤玉土と黒土に肥料やくん炭を加え、自作の培養土にチャレンジしてみるのもいいでしょう。

化成肥料の他にも油かすや牛糞・鶏糞・骨粉などの有機肥料が販売店で売られており、有機栽培にこだわる人の間で人気を集めています。

4.種まきと病害虫・雑草対策

野菜の種や苗はホームセンターか園芸店で購入する方法の他に、最近ではインターネットの通販でも手軽に注文できるようになりました。

土作りが終わったらいよいよ種まきに移りますが、これには「点まき法」「条まき法」「ばらまき法」の3種類があります。

畑の所々に穴をあけて種を数個ずつまく点まき法が本式の種まき方法で、条まき法は筋状に種をまく方法、ばらまき法は畝一面に種をまく方法です。

種まき後には種の直径の2倍から3倍の厚さに土を被せるのが一般的で、種が流れない程度の水量で水やりをして締めくくります。

夏野菜などは植木鉢で育てたり店で購入したりした苗を菜園に植え付け、成長に合わせて支柱を立てる栽培方法が多く行われています。

春から夏にかけては特に病害虫対策や雑草対策も欠かないため、ホームセンターや通販で購入できる防虫ネットや殺虫剤・殺菌剤・除草剤の使用も検討してみるといいでしょう。

5.初心者でも育てやすい野菜

野菜には非常に多くの種類があってそれぞれ生育に適した季節が異なるため、限られたスペースでも1年を通じて複数の種類を栽培することが可能です。

育てるのが難しい野菜もあれば、初心者でも育てやすい野菜もありますので、最初のうちは難易度の低い野菜から始めるのが無難なスタートと言えます。

特に根菜や果菜には育てやすい野菜が多く、そうした種類を選べば初めて野菜作りに挑戦するシニアでも失敗する確率は低いものです。

庭や市民農園などを利用する場合は、育てるのにそれほど手がかからないカブやジャガイモ・サツマイモが適します。

芋類は園児や小学生などの芋掘り体験でもよく話題となるだけに、栽培難易度の低い野菜の代表格です。

果菜の中ではピーマンやシシトウ・ミニトマトなどが失敗例も少なく、初心者向きと言われています。

それらの果菜は葉菜のホウレンソウ・小松菜とともにプランター栽培が可能なため、限られた場所でも家庭菜園が楽しめる点で初心者にオススメの野菜です。

定年後は家庭菜園に取り組んでみよう

自分で育てた採れたての野菜を新鮮なうちに味わう楽しみは、スーパーで売られている野菜からでは得られません。

最初はあまり手がかからない野菜から始め、慣れてきたら難易度の高い野菜にも挑戦することで家庭菜園の楽しみが広がります。

そうした意味でも家庭菜園は奥が深く、定年後の生きがいとするのに最適な趣味です。