高齢者向け介護事業者の選び方のポイント

親や自分に介護が必要になったとき、介護事業者が運営する介護施設の利用を考える方は大変多いでしょう。

ただ、介護施設を利用するときは、その介護施設が優良な施設なのか、そうではないのか、しっかりと確認する必要があります。

1.職員の数を確認する

介護事業者を選ぶときは、職員の数を把握するようにしてください。
要介護者に対して職員の数が少ない施設では、ケアが行き届かないことが考えられます。

人手不足なのですから、様々なサービスが滞ることもあります。
また、人手が足りていないのですから職員一人当たりの負担が大きく、職員自身がストレスを抱えていることが考えられます。

ストレスを抱えている人が、要介護者のケアを丁寧にできるのか疑問です。
だからといって、数が多ければ良いということでもありません。

職員の人件費は介護される側が支払うことになりますから、職員の数が多いということは、それだけ料金が高いことが考えられます。

施設では適切な人数が配置されているのが望ましく、人手不足だったり、職員の数が多すぎるところは避けた方が無難でしょう。

介護事業者を選ぶときは、その施設の雰囲気を肌で感じてください。
穏やかな雰囲気が漂い、介護されている方々の雰囲気も穏やかな施設は、ケアが行き届いていると考えて良いでしょう。

ただ、あくまで表情を観察するのは、介護される方々の方です。
介護施設の職員の方々は、仕事ですから、笑顔で接してくるでしょう。

ムスッとした表情で接してくる職員は、まずいません。
だから介護されている方々の表情を観察し、穏やかな表情をしていたり、介護される側が笑顔になっている施設は良いところだと考えて良いでしょう。

また、施設の隅々も観察し、清掃が行き届いているかも確認してください。
さらに、できることなら介護される方の傍で臭いも確認すると良いでしょう。

介護される側も、他人に見られたくない、知られたくないようなことがあります。
それは悪いことではなく、あって当然のことです。

また、施設を利用するとなると、マイナンバーカードやキャッシュカード、保険証といったものを持参することにもなるでしょう。
このとき、個人情報がきちんと管理されていない施設を選んでしまうと、大変な問題が起こってしまいます。

個人情報は介護される側もきちんと管理する必要がありますが、介護者にどうしても教えなければならない状況というのもあるでしょう。
重要な個人情報を教えた職員が外部に漏えいしてしまったら、悪用されてしまうかもしれません。

よって、介護事業者を選ぶときは、個人情報がきちんと管理されているか、職員のモラルは大丈夫かをしっかり確認してください。

介護施設で過ごす楽しみのひとつに、食事があります。
この食事が大変美味しいだけでも、心が豊かになります。

よって、食事を確認することは大変重要です。
美味しい食事が提供されているか、栄養バランスに配慮がされているか、そして柔らかい仕上がりになっているかなど、様々なところを確認してください。

また、食事中の職員の対応にも注意を払いましょう。
食事を早く終わらせるために急かす職員がいる施設は、避けた方が無難です。

マイペースで食べることができるかも、しっかりと確認しましょう。
また、食堂は清潔に保たれているのかも確認する必要があります。

清潔な場所で美味しい食事を楽しみながらマイペースで食べられる施設が、望ましいのではないでしょうか。

介護施設によっては、介護の度合によって退去要件が設けられているところがあります。
介護の重要度が増した場合、退去しなければならない施設があります。

よって、介護事業者を選ぶときは、しっかりと退去要件を確認してください。
また、介護事業者の運営状況にも注意を払いましょう。

赤字続きの介護事業者では、自分が住んでいるときに倒産してしまうかもしれません。
事業者が倒産すれば、退去させられる可能性が高くなります。

そして、長期の入院が必要となった場合、退去を促されることがあります。
多くのところが三か月以上と設定されていますが、この期間以上に入院すると、施設へ復帰できないと判断され、退去させられるケースがあります。

自分や親にぴったりな施設を選ぶために、職員の数や雰囲気、食事の内容、プライバシーの保護の状況など、様々なところを確認してください。
そのためにも、見学できる施設は、必ず見学するようにしましょう。

できることなら、一人だけで見学するのではなく、家族や周囲の人にも付き添ってもらうようにしてください。
自分だけでは目が届かないところも、他の人なら目が届くこともあります。

そして、自分にとって良いと感じた施設を利用すれば、毎日、安心して快適に過ごすことができるでしょう。