雪の大谷ウォーク(富山県)定年後シニアなら一度は20メートルの雪の壁の中を歩いてみよう

最終更新日:2017年12月14日

富山県には多くの観光名所があります。

また、北陸新幹線が開業して東京から富山までは約2時間、これまでのおよそ半分の所要時間となり、富山と首都圏の距離はぐっと縮まりました。

これを機に、富山が誇る大自然の造形、雪の大谷ウォークに出かけてみませんか。

1.雪の大谷とは

富山県東部にそびえる標高3000メートル級の山々、その中にある標高2450メートルの立山室堂平。

そしてそこに通じるアルペンルートは、冬の間に降り積もる雪によって春まで閉ざされた世界となります。

その間に積もる雪は室堂周辺で20メートルにもおよびます。

この降り積もった雪を、春になるとアルペンルート専用のブルドーザーを使って、ふもとから毎日少しずつ除雪して道をつくっていきます。

どこが道だかわからない雪原から道を探りあてる手立ては、その昔はベテランの勘に頼っていましたが、近年はGPSを使っています。

まだ雪が降る1月下旬から作業が始まりおよそ3か月かけてようやく4月中旬に室堂までの道が開通します。

こうして、地道な人の手によってつくられた山道をバスで登っていくと、やがて車窓の左右どちらを見ても見上げるような雪の壁が迫る雪の大谷に到着します。

冬の積雪量によって壁の高さは変わりますが、除雪したばかりのゴールデンウィーク前なら毎年20メートル近い壁を目前に見ることができます。

日本人はもちろん、近年は海外からの観光客も多く、1年のうちの短い期間だけ見て触れることができる圧巻の雪の壁は、定年後シニアなら、まさに死ぬまでに一度は見てみたい景色です。

2.雪の大谷ウォーク

室堂まで続くアルペンルートは、厳冬期の12月から春の除雪作業が終わるまでの間は閉鎖されます。

また、夏の間も一般車両の通行は禁止され、専用のバスでしか通ることができません。

この道路の一部をこの雪の壁がある期間だけ、およそ500メートルの区間、大谷ロードという歩行者専用として歩くことができます。

写真撮影はもちろん、雪の壁に名前やメッセージを刻んで楽しむこともできます。

さらに、雪の大谷の入り口には雪遊びの広場やソリの貸し出し、雪の壁をつくるアルペンルート専用の除雪車の展示、少し足を伸ばしてパノラマロードという雪道の遊歩道など、雪を満喫することができます。

雪の大谷ウォークが楽しめるのは除雪が完了する4月中旬から壁の高さがある程度残る6月上旬ころまでです。

気温や天候などによって期間は変わりますので、時間に余裕のある定年後シニアなら確認してからお出かけになるとよいでしょう。

3.服装

4月中旬といえば平地では桜の季節も終わりすっかり薄着に、ゴールデンウィークにはそろそろ半袖姿も見られるころです。

しかし、雪の大谷がある標高2450メートルはまだ真冬です。

気温は4月でも0度前後、6月でも10度を超えることはめったにないくらいです。

さらに、冷たい風が吹くと体感温度はさらに低くなります。

定年後シニアなら、セーターや厚手の上着、コートなど、しっかりとした冬支度が必要です。

また、雪のあるところへ行くのですから、トレッキングシューズなど歩きやすい靴を選びましょう。

雪による照り返しや紫外線も非常に強いので、サングラスや帽子、気になる方は日焼け止めもあるとよいでしょう。

雪遊びをする小さなお子さんには、スキーウェアや長靴があると安心です。

4.アクセス

まず、富山駅から電車で1時間、立山駅に向かいます。

立山駅からはケーブルカーで7分、美女平で高原バスに乗り換えて1時間もすると車窓はもう雪の壁、雪の大谷です。

終点の室堂ターミナルでバスを降りるとすぐ、雪の大谷ウォークの入り口があります。

富山までマイカーでおいでの場合は、立山駅周辺の駐車場を利用する方法や、あるぺん村から立山登山バスに乗る方法などがあります。

なお、ゴールデンウィークのころは毎年、非常に混雑となり、乗り物に待ち時間が発生することもあります。
定年後シニアなら自由がありますから時間の余裕をもってお出かけ下さい。

5.周辺観光

立山駅からバスで行けるところに、落差日本一の大瀑布、称名滝があります。

そのすぐ右には、山の雪解け水が多くなる春にだけ現れるハンノキ滝もあります。

ハンノキ滝は雪の大谷同様、1年の中で限られた時期しか見ることができません。

なお、バスの運行期間は4月下旬ころからで、気象条件によって運行開始が遅れることもありますので確認が必要です。

3000メートル級の山々に囲まれて雪の大谷を楽しんだあとは、いっきに富山の街まで下りて海の幸をご堪能してはいかがでしょうか。

富山にはブリ、カニ、牡蠣といった多くの海の幸がありますが、ホタルイカや白エビも加わる春先は海の幸に恵まれた時期です。

また、雪と立山が織りなす景色はどれも絶景ですが、夏もまた違った顔を楽しむことができます。

春先は室堂が終点となる道も、夏にはその先にトロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカーを乗り継いで黒部ダム、さらに長野県まで抜けることができます。

もちろん、国内外から多くの登山客も訪れます。

GWでもしっかりと厚着をして雪の大谷ウォークを楽しもう

立山は神々が宿る日本三霊山の一つとして立山信仰の中で恐れ崇められ、江戸時代までは女人禁制の地であり女性は登山を禁止されていました。

それが今ではハイヒールで行ける3000メートル級の山といわれるほどで、バスに乗れば誰でも気軽に訪れることができます。

雄大な自然と神秘の雰囲気を肌で感じられる立山には、是非一度訪れてみる価値はあるでしょう。

特に、10メートル、20メートルの雪の壁の中を歩ける雪の大谷ウォークは定年後シニアなら人生で一度は経験したいものです。