親が介護施設で虐待を受けていたらどうすれば良いか【介護】

最終更新日:2017年7月24日

高齢となったご家族を自宅で介護するのはとても大変なことです。

家庭では行き届いた介護は困難であり、介護施設へと任せることは賢明な選択だと言えます。
しかし、安心した生活を送ってもらえることを期待して施設に任せたはずなのに、虐待されていることに気がついた場合、どのような行動をとるべきなのかをご紹介します。

1.突然施設を訪れてみる

介護施設で虐待が行われている場合、スタッフ間で虐待の事実を隠そうとされる傾向にあり、認知症などによって意思表示できない場合は虐待の事実に気がつきにくいのが特徴となっています。
しかし、親の介護施設での虐待に気がつくパターンで多いのが、施設にいる親に事前に報告なく会いに行った時です。

事前報告がない訳ですから、服装にも気を使われていない場合が多く、汚れが目立っている服装のままであったり、明らかに人前に出る格好ではない場合も少なくはありません。
実は虐待に多いのは暴力だけではなく介護放棄です。

何日も入浴をしていない、衣類やシーツを交換していないなどの事実は突然施設を訪問することで明らかになることが多いため、
特に面会が少ない平日を狙って訪れるてみることをオススメします。

2 証拠を記録する

虐待の事実が明確になったら、証拠を記録しておくことが大切です。
もしも施設で過ごす親から直接虐待のことを打ち明けられた場合には、携帯電話などのボイスレコーダー機能を使用して証言を記録しておくのがよいでしょう。

暴力などによる内出血や傷などがある場合は、親の顔がわかるように撮影したものと、傷の状態が写るように撮影したものを記録しておくことが大切となります。
この際、虐待の事実がまだ明確ではない場合にはスタッフなどに虐待があるのかを詰め寄りたい気持ちはあるでしょうが、あまりよい対策とは言えません。

逆恨みの対象となってしまい、よりひどい虐待へと発展する可能性もあります。
慎重に証拠を集めて記録をしておくことが大切となります。

3.隠しカメラをセットする

虐待の事実が明るみに出る大きなポイントは、隠しカメラをセットすることです。
最近では小型の監視カメラなどが手軽に購入できたりレンタルできたりしますので、虐待が行われやすいベッド付近を撮影できるようにカメラをセットすることが大切です。

また、隠しカメラをセットする際にはスタッフにカメラの存在を気がつかれたら証拠をつかむことができませんので、ぬいぐるみに仕込んでセットをするなどの工夫も大切となります。
洋服ダンスなどに監視カメラをセットする方もいますが、スタッフが衣類交換などで触られる機会も多いですので、衣類や寝具付近への設置は避けることが大切です。

可能であれば、天井のライト付近にセットをすると部屋全体の様子がわかるので、虐待の証拠をつかむことができます。
ボイスレコーダーを使用して虐待の証拠をつかもうとされる方も多いのですが、虐待は職員が手薄になる夜間帯に行われることが多いです。

そのため、ボイスレコーダーで拾えるほど大きな声で暴言を吐いたり、殴る音などを拾うことは難しいことが予想されます。
ボイスレコーダーだけでは虐待の証拠とみなされない場合もありますので、出来るだけ動画で証拠を残すことが大切です。

4.虐待の証拠をつかんだら

もし、虐待の証拠をつかむことができたら、施設のスタッフなどへ訴えるのではなく、まずはケアマネージャーに相談することが大切となります。
介護施設に入居されているということは必ず担当のケアマネージャーがいますので、ケアマネージャーへ虐待の証拠を報告する必要性があります。

ケアマネージャーのなかには、報告を受けてすぐに対策をとる方もいます。
しかし多くの利用者を抱えている場合、口頭での注意や虐待を隠蔽しようとする場合も考えられます。

そのため虐待の証拠をつかむことができたら、ケアマネージャーへの報告と併せて、市町村の高齢者虐待防止窓口へと報告することが大切となります。
そうすることで福祉課などが立ち入り調査を行い、改善対策命令が下されます。

高齢者虐待防止窓口へ報告するということは、虐待の事実を通報するということになります。
通常はケアマネージャーなどへ相談することによって、高齢者虐待防止窓口へ施設で虐待が行われていた事実が報告されます。

しかし悪質な場合、施設側が虐待の証拠を隠蔽する恐れもありますので、こちらから報告することで早期解決へと導くことが期待されます。

まずは虐待の証拠を集めることが肝要

親御さんが施設から虐待されていることを知ったら、問い詰めたくなる気持ちは理解できます。
大切なのは安全に解決へと導き出すことです。

まずは証拠を集めることが解決への大きなポイントとなります。
カメラなどを準備し、虐待の証拠をつかんだら必要機関へと早期報告をすることが大切です。

現場のスタッフへ報告することは解決へとはなりにくいため、ケアマネージャーや高齢者虐待防止窓口などに報告を行うことが必要です。