定年後の旅!大原美術館(岡山県)で昔、教科書で見たことがある世界的有名画家の作品を堪能

最終更新日:2017年9月27日

岡山県で一番人気の観光スポットと言えば倉敷美観地区です。

古いものは江戸時代からの歴史的な建物が並ぶ地域です。

まるで江戸時代にタイムスリップしたかのように感じる倉敷美観地区にある大原美術館をご存知ですか。

倉敷に訪れたら外せない観光スポットのひとつです。

その魅力を紹介していきます。

1.建物がすごい

大原美術館は昭和5年に大原孫三郎という倉敷の実業家が設立したものです。

なんと日本初の私立西洋美術館です。

建物自体も芸術的で美しいです。

本館、分館、工芸・東洋館、児島虎次郎記念館の4つの施設に分かれています。

本館の建物は石造りのギリシャ神殿風です。

和な町並みの倉敷美観地区にある洋風な建物ですが、見事にマッチしています。

建物自体も芸術的な美術館は日本になかなかないのではないでしょうか。

2.本館の秘密

本館の2階には小さな丸窓があり、そこからは倉敷美観地区の町並みが見降ろせます。

そこからの眺めもすばらしいのですが、実はちょっとした秘密が隠されています。

大原美術館の本館は通りに面しているのですが、通りに対して斜めを向いています。

なぜ正面を向いていないのでしょうか。

その答えは2階の丸窓から覗けば分かります。

窓の真正面には設立者大原孫三郎の邸宅があります。

つまり本館は邸宅に対して正面に建っているのです。

3.二人の男の出会いが大原美術館をつくった

現在、大原美術館は邦画や現代アートなどもありますが設立当初は西洋美術館としてスタートしました。

設立当時の作品を集めたのは児島虎次郎でした。

虎次郎は画家でした。

1902年に東京美術学校西洋画科へ入学する際に孫三郎が立ち上げた大原奨学会の支援を受けるため大原家を訪ねました。

孫三郎は虎次郎の誠実な人柄にほれこみ奨学生になることを認めました。

それ以来二人の交流は深まり、親友となるに至りました。

虎次郎が東京美術学校を卒業した後はヨーロッパへの留学を勧めたのも孫三郎でした。

虎次郎は2回ヨーロッパへ留学しています。

2回目の留学の時に虎次郎は日本の芸術界のためにと美術作品の収集を孫三郎に願い出ました。

4.絵の収集方法がすごい

初め虎次郎が孫三郎に絵画の収集をお願いした時は、すぐには許諾しなかったものの、結果的に許可され、孫三郎は美術作品を購入することになったのでした。

当時、メールがあったわけではないので二人のやりとりは手紙でした。

孫三郎は虎次郎を信頼していたので、中には本館の建物と同じくらいの価格がしたと言われている絵画の購入を許したり、手紙一通で快諾したりしたものもあるそうです。

虎次郎の収集活動は大変熱心で、モネやフェルメールに直接、それも何度も会いに行って購入の交渉をしたこともありました。

こうやって虎次郎の熱心な行動と孫三郎の協力ですばらしい作品が大原美術館に集まりました。

5.所蔵作品がすごい

先にも述べましたが、大原美術館が所蔵している美術作品は教科書で見たことがあるもの、世界的有名画家の作品が多くあります。

洋画で言うとモネ、ピカソ、ゴーギャン、マティスなど。

邦画は青木繁、岸田劉生や児島虎次郎の作品もあります。

絵画だけでなく、工芸作品もあり、バーナード・リーチや棟方志功などの作品があります。

彫刻や古代オリエントの像や装飾品、東洋の壷など幅広いジャンルの芸術作品があります。

洋画や邦画は特に所蔵数が多いので、一定の時期が来たら配置を変えたり公開する作品を交換したりします。

何度来ても飽きない美術館です。

6.どんどん新しい取り組みをしているのがすごい

ただ古い作品をずっと展示しているわけではないのが大原美術館です。

若手作家の育成にも力を入れています。

「ARKO」というプログラムで、公募によって作家を倉敷へ招聘します。

選ばれた若手作家はかつての児島虎次郎のアトリエ、無為村荘で制作活動をします。

倉敷で滞在してできあがった作品は大原美術館に展示されます。

エネルギーに溢れたクリエイティブな作品や優しいタッチの作品など様々なものが誕生します。

7.特別ツアーがオススメ

いつも開催しているわけではないですが、年に数回「モーニングツアー」と「イブニングツアー」が行われます。

モーニングツアーは開館前の館内を、イブニングツアーは閉館後の館内を巡る貸し切りツアーです。

どちらも本館のみのツアーです。

ツアー参加者しかいない館内では自由に会話ができます。

特別解説員の解説付で、絵の時代背景や絵の裏話から大原美術館の歴史に至るまで解説してくれます。

音声ガイドを聞くのもいいですが、生のガイドは大変心地がいいものです。

質問もできます。

絵の見方が変わり、よりおもしろく鑑賞できます。

機会があればぜひ参加していただきたいツアーです。

倉敷美観地区に行ったら大原美術館にも立ち寄ってみよう

いかがでしたか。

倉敷美観地区にある大原美術館には魅力がたくさん詰まっています。

すばらしい作品が多くあったために戦火を逃れたと言われているほど、価値の高いものが所蔵されています。

絵画だけでなく建物も含めて、ぜひ心ゆくまで楽しんで芸術鑑賞をしていただければと思います。