動物が好きな方には乗馬はとても楽しい趣味となることでしょう。
いつも、馬と一緒に自然を堪能することができます。
しかし、いくつかの注意点もあります。
シニアの方は、無理せず、ゆっくりと乗馬に馴染んでいきましょう。
1.乗馬には2種類ある
乗馬の方法には2種類あります。
まずは、ブリティッシュスタイルです。
これは、イギリスで発達したもので、オリンピックなどで競技として行われているスタイルです。
もう一つはウエスタンスタイルと言います。
これは、アメリカのカウボーイ達が乗っている方法です。
この二つのスタイルの大きな違いは、鞍や鐙といった馬具の違いです。
ブリティッシュスタイルの場合は、鞍は跨がるためだけのものですから、座る部分しかありません。
鐙も金属製で足を簡単にかけるだけのものです。
しかし、ウエスタンスタイルの鞍はいわば椅子のような感じでどっかりと座るように乗ります。
鐙もしっかりした革製で足を載せる部分の幅も広くなります。
この違いは、ウエスタンスタイルの場合は、カウボーイ達が牛を運びながら旅をするときに乗るので、ゆったりと乗れるように発達したものです。
また、鞍の前方にホーンという突起物がありますが、これは牛追いのロープを描けるところです。
2.乗馬の始め方
初めて馬に乗るためには、まず乗馬クラブへ行きます。
そこで馬について、インストラクターの方からいろいろ教えてもらいます。
そして、いよいよ馬の背に乗ります。
ここで多くの方達は驚くことでしょう。
とにかく、馬の背は高いのです。
鞍のある位置が1メートル50センチくらいですから、普段見ることのできない世界が目の前に広がります。
それを、素晴らしいと感じるか怖いと感じるかで、乗馬を続けられるかの分かれ道となります。
3.馬の制御方法
馬の背に乗ったならば、まず手綱の持ち方を覚えましょう。
最初は体がかちかちになっていますから、手にも力が入ってしまいます。
そして、どうしても手綱を引っ張ってしまいます。
ところが、この手綱を引くという動作は馬にとっては止まれの合図です。
ですから、手綱を引いたまま、いくら踵で馬のお腹を蹴っても進んでくれません。
その辺の、方法はインストラクターの方が丁寧に教えてくれます。
これが、まず最初に覚えることです。
4.並足から歩いてみましょう
手綱の操作ができるようになったら、ゆっくり歩いてみましょう。
とてとてという感じで歩くのが並足と言います。
最初はこのスピードでも怖いかもしれません。
そして、鞍の上に体をまっすぐに伸ばして乗り、目線は前方を見ます。
怖いからからと馬のたてがみを見ては背中が丸まり上手に制御することはできません。
乗馬クラブによっては、最初は引き馬と言って、インストラクターの方が馬の轡の付けたロープを引いてくれるところもあります。
しかし、もしずっと続けようと思ったなら、引き馬は長く続けないことをオススメします。
5.馬場での練習
並足にも慣れてくると、早足というスピードになります。
とんとんという感じです。
この早さになると、自分のお尻と鞍がぶつかるような感じを覚えます。
これは、馬の動きに腰の動きが付いていけないことによるものです。
1時間も乗っていると、かなりお尻が痛くなります。
乗馬ってもっと優雅なものだと思っていたと言い出すのもこの頃です。
これに慣れ、いろいろな馬の操り方を覚えると、人馬一体という感じが解るようになります。
ここまでくれば、乗馬は楽しいと思えるようになります。
次の早さは駆け足となります。
こうなると、もう気分は爽快です。
風を感じるという気分です。
6.慣れたら外乗にも
乗馬クラブの立地条件にもよりますが、外乗と言って馬場の外へ出掛けることがあります。
それは、新緑の山の中であったり、海岸であったりします。
その場合は、必ずインストラクターの方が付き添いますから、注意を良く聞いて自然での乗馬を楽しみましょう。
テレビドラマの時代劇の1シーンのように鞭を振り上げてみるのも一興です。
また、雪の中でも外乗ができる場所もありますから、慣れてきたら挑戦してみることをオススメします。
7.乗馬には危険性も伴う
乗馬は楽しいだけではありません。
落馬という危険性もあります。
ブリティッシュスタイルでヘルメット被るのはその危険性からです。
馬は生き物ですから、乗り手に理解できない行動を取ることもあります。
そのようなときには、とにかく無理をせず、上手く落ちるようにします。
パニックになって馬の上でばたばたすることは危険が増しますので、注意しましょう。
また、馬は大変臆病な動物ですので、騎乗中に大声を出したり、悲鳴を上げたりすると馬の方が驚いて、暴れることもあります。
このようなことは絶対にしないようにしましょう。
8.馬とのふれあいも大切
馬には乗るだけではなく、優しく接するようにしましょう。
毎日顔を合わせていなくても、馬は覚えてくれます。
その日に始めて乗るときには、軽く鼻筋をなでてあげましょう。
そして、馬に近づくときには、絶対に真後ろから近づいてはいけません。
馬には、見えないところの気配は怖いものです。
ですから、後ろから近づくと蹴られる危険性が非常に大きいのです。
慣れてくると乗馬クラブでも、馬具のセッティングなどやらせてくれるところもあります。
そのようなときには、馬具を乱暴に扱わず、優しく馬の背に乗せてあげましょう。
腹帯もむやみに締め付けず、苦しくないようにしてあげましょう。
乗り手に応えてくれる馬に乗ってみよう
馬は人間の接し方で、きちんと動き走ってくれます。
動物が好きな方ならお解りでしょうが、心を通い合わせることができます。
危険性がある部分もありますので、緊張感を持って馬に接し、乗馬を楽しんでみましょう。