弘前公園のソメイヨシノの桜(青森県・弘前市)は日本最古のソメイヨシノ!

最終更新日:2017年11月19日

ソメイヨシノで有名な弘前公園は日本三大桜名所の1つと言われるほど見事な桜が見られる観光スポットです。

ゴールデンウィーク期間中に桜の見頃が重なるため、開花時期の弘前公園は毎年大勢の観光客で賑わいます。

1.期間中300万人の観光客で賑わう桜の名所

青森県弘前市は弘前藩の城下町として栄え、藩庁が置かれていた弘前城が明治期に公園として開放されたことから弘前公園が誕生しました。

弘前城には江戸時代に建造された天守を始めとして数多くの重要文化財が現在も残されており、弘前公園を散策することでそれらの由緒ある建物を見ることができます。

年間を通じて観光客が訪れる弘前公園ですが、1年で最も賑わうのは何と言っても桜の開花シーズンです。

本州の最北端に近い弘前市は冬の平均気温が低く積雪が多い影響もあって、全国の中では桜の開花時期が遅くなっています。

毎年4月下旬から5月上旬にかけて桜の見頃を迎えることから、弘前公園を主会場に開催される弘前さくらまつりはゴールデンウィーク期間中と重なる例が大半です。

奈良県吉野町の吉野山や長野県伊那市の高遠城址公園と並んで日本三大桜名所の1つに挙げられる弘前公園だけに、期間中に訪れる観光客数は300万人前後にも達します。

2.日本最古のソメイヨシノも開花

弘前公園には天守閣の周辺やお堀端などに合計2600本の桜が植えられており、その種類はソメイヨシノやシダレザクラ・八重桜など50種類にも及びます。

特にソメイヨシノは弘前公園の代名詞ともなっているほど有名で、公園内の二の丸には明治15年に植えられた日本最古のソメイヨシノが今も元気に花を咲かせています。

ソメイヨシノの寿命は60年程度と言われていますが、弘前公園のソメイヨシノは徹底した管理によって樹齢130年という長寿を実現させたのです。

弘前公園には他にも樹齢100年を超えるソメイヨシノが300本以上も見られ、長年にわたって市民や観光客の目を楽しませてきました。

二の丸には江戸時代の1715年に弘前藩士が植えたものと伝わる「正徳5年のカスミザクラ」も花を咲かせており、こちらは推定樹齢300年近い老樹です。

三の丸には幹周り5メートルを超える日本最大幹周のソメイヨシノが見られ、樹齢100年前後という本丸のシダレザクラも見逃せません。

3.多種多様な品種が見られる弘前公園の桜

桜好きのシニアにとっては、50種類を数える多彩な桜を愛でたり写真撮影したりしながら弘前公園を散策するのは至福のひとときです。

ソメイヨシノより開花が早い三の丸の横浜緋桜や本丸の紅枝垂れ、同時期に開花する三の丸の佐野桜と大島桜も人気があります。

ソメイヨシノより遅く開花する八重紅枝垂れや三の丸の東錦、黄色の花が特徴の鬱金や八重咲きの松月の他、二の丸で見られる濃桃色の八重咲き品種・関山は開花期間の長いのが特徴です。

こうした多種多様の桜を探しながら歩くのも弘前公園を訪れる楽しみとは言え、開花時期は弘前さくらまつりの期間中とあって公園内は大勢の人で賑わいます。

200軒を数える出店に加え、四の丸演芸場で開催される民謡ショーや音楽ライブ・お囃子演奏など多彩なイベントも見逃せません。

大正7年に第1回観桜会が開かれたのを始まりとする弘前さくらまつりは、100年という古い歴史を持つ伝統イベントです。

4.弘前城の歴史と天守閣

弘前公園の桜を写真撮影する際には、弘前城の天守閣を背景にソメイヨシノが咲き乱れるアングルが最も好まれます。

この天守閣は江戸時代後期の1810年に建てられた3層3階の建築物で、建造から200年以上を経た今も威容を誇る城郭建築の傑作です。

全国広しと言えども江戸時代に築造された天守が現存する城はわずか12しかなく、弘前城は最北端の現存天守を持つ城としても知られています。

弘前城は江戸時代初期に弘前藩初代藩主の津軽為信によって築城され、その天守も当初は5層6階の壮麗な建築物でした。

ところが完成からわずか16年後には落雷でこの天守を含む多くの建物が焼失し、弘前城ではそれ以来200年近くも天守が存在しなかったのです。

江戸時代後期に入って津軽海峡にロシア船が出没するようになり、蝦夷地警備の任にあった弘前藩に対して天守新造が許可された経緯があります。

そうした歴史的背景を知った上で天守閣と桜の競演を眺めれば、味わいもいっそう深くなるものです。

5.同時に訪れたい観光名所

弘前公園は50万平方メートルにも迫る広大な敷地を持っており、その大半は誰でも自由に散策できますが、中には有料のエリアもあります。

江戸時代に造られた弘前城天守閣の内部は史料館として有料公開され、戦で使用された武具や武士の生活用品、本丸御殿のミニチュア模型などが各階ごとに展示されています。

弘前藩の時代は道場として使われていたという武徳殿休憩所や籾蔵跡などを含む北の郭、1500種の植物が見られる弘前城植物園も有料エリアです。

弘前公園内には二の丸辰巳櫓・未申櫓・丑寅櫓や二の丸南門・東門・三の丸追手門など、天守以外にも重要文化財に指定された建造物が点在しています。

桜の咲き誇るお堀端や杉の大橋・鷹丘橋・亀甲橋といった橋なども弘前公園を訪れたら見逃せない必見スポットです。

JR弘前駅から弘前公園までは徒歩で30分ほどかかりますが、駅前から100円バスを利用して市役所前で下車すれば歩いて4分で到着できます。

定年後は弘前公園の桜を見に行こう

さくらまつり開催期間の弘前公園は、桜好きのシニアも城マニアの歴史ファンも満足できる観光スポットです。

開花時期はゴールデンウィーク期間中と重なるため社会人にも人気がありますが、シニアの定年後の旅にも弘前公園は最適です。

弘前城がお目当てという人でも、桜が見頃の時期を選んで訪れると味わい深さが倍増します。