添加物入りハム・ソーセージはシニアの体に悪影響

最終更新日:2017年9月17日

サラダやお弁当、焼き肉には定番のハムやソーセージ。

生肉と違って、手軽に使えて日持ちもします。
子供からお年寄りまで年代問わず大好きな食材のひとつです。

そんなハムやソーセージは、危険だから食べない方が良いという意見もあります。
一体何故そんな噂があるのでしょうか。

その理由を探って行きたいと思います。

1.WHOがハムやソーセージ等の加工肉を危険と警告

WHO(世界保健機関)が、ハムやソーセージ等の加工肉を毎日食べると、大腸がんになる確率が上がると、発表しました。

加工肉には発がん性物質が含まれており、これを毎日50グラム摂り続けた場合、大腸がんに罹る確率が18%も上がる、というものです。

加工肉にはハムやソーセージの他にベーコンやサラミ、コンビーフ等があり、味がついて保存が利くように手を加えられた食材のことです。

賞味期限が長いのは忙しい現代にとって大変便利なのですが、この保存を効かせるために使われている添加物がとても危険です。

また、商品を良く見せるため、味をよくするためにも添加物が使われており、手軽でおいしい加工肉には実はこんな危ない秘密があるのです。

その中で特に注意したい添加物を紹介します。

2.見栄えを良くし、菌の繁殖を防ぐ亜硝酸Na

多くの市販の加工肉に入っているのが亜硝酸Naです。
亜硝酸Naの役割は、2つあります。

ひとつは、ボツリヌス菌の繁殖を防ぐ大きな役割。
ボツリヌス中毒になると死亡するリスクが大変高くなります。

しかし亜硝酸Naが添加されることで、この死亡リスクを回避することができます。
2つ目は、肉の色がキレイな状態を保てるようにする役割があります。

肉がく酸化してくすんだ色をしていたら、体に悪そうで味も良くないイメージがあります。
亜硝酸Naにより酸化を防ぎ、見た目の良さを保ちます。

肉の色はともかく、ボツリヌス菌の繁殖を防ぐためには必要不可欠のような気がします。
しかし、この亜硝酸Naは肉や魚に含まれるアミンという物質と反応して、ニトロソアミン類に変化します。

これはとても強い発がん性があります。
致死量においては、青酸カリと同じぐらいあります。

ですので、もちろん添加する量には厳しい制限があり、実際には普段の食事の摂取量では大きな問題にはなりません。

3.合成着色料

見栄えをさらに良くするために使われているのが着色料です。
昔に比べると入っていないものも増えてはきましたが、まだまだ多いのが現状です。

着色料には、天然の植物や動物から抽出したものと、化学的に合成して作ったものがあります。
加工肉に多く使用されているのは「タール色素」と呼ばれる化学的に合成して作ったものです。

タール色素とは石油由来の合成着色料で、加工肉には赤色3号や赤色102号が多く使われています。
加工肉以外では、ゼリーやチョコ等のお菓子や口紅等の化粧品等、幅広く使用されています。

日本では幅広く使用されているタール色素ですが、アメリカやドイツ等添加物には厳しい基準のある国では、すでに使用禁止となっています。

4.リン酸塩(Na)

食材を結着させ、保水性があります。
これにより食感や風味がよくなり、品質を向上させるために使います。

リン酸塩はもともと体内にも存在し、亜硝酸Naや合成着色料に比べると毒性は強くありません。
しかし、リン酸塩は過剰摂取することでミネラル不足になります。

カルシウム不足なると、イライラしたり情緒不安定になったり骨粗鬆症になりやすくなります。
また結石などの肝臓疾患の心配もあります。

リン酸塩は不足しても良くないのですが、不足することは多くありません。
従って、できるだけ過剰摂取にならないように食べ過ぎには注意が必要です。

5.添加物を減らす工夫

発がん性の心配があるからといって、今後すっぱりと食べないというのは難しいでしょう。
自分は我慢できても家族がどうしても食べたがるとか、あるいは大好きなのでそれでも食べたい方もいらっしゃるでしょう。

そんな方は、今までよりも食べる量を減らすとか、毎日食べないように3回に1回は違う食材に変えてみたりと工夫してみましょう。
また、亜硝酸Naは沸騰したお湯で軽く茹でることによって添加物がお湯に流れるため、摂取量を減らすことができます。

ひと手間かかりますが、これからの自分や家族の健康のためには、普段からのちょっとした心がけも大切です。

6.添加物の少ない商品を選ぶ

同じハムでも、商品によって添加物の種類や数は違います。
商品の見栄えや品質保持のためにたくさん添加物が入っているのもあれば、できるだけ最小限に抑えてある商品等さまざまです。

もちろん味も大事ですが、体のことを考えるならばできるだけ添加物の種類が少ないものを選びましょう。
少しでも添加物の摂取を減らして、発がん性やその他病気の発症の心配も減らしましょう。

また、加工肉の中には、亜硝酸Naや合成着色料等の危険だと言われている添加物をいっさい使用しないとうたった商品もあります。

大手メーカーに比べて目立たない場所に陳列されていますが、中規模以上のスーパーには必ず置いてありますので、気になる方はぜひ探してみてください。

最近は、大手メーカーやPBでも添加物をできるだけ排除した加工肉の商品も出始めており、少しずつ食品の安全を気にする消費者が増えている証拠かもしれません。

まとめ

加工肉の添加物には特に危険といわれる理由がおわかりいただけたと思います。
だからといって長い間慣れ親しんできた食材を今すぐやめるというわけにもいきません。

生肉には、加工肉に使用されているような添加物はもちろん入っていないので、できるだけ生肉を使用して調理し、加工肉を食べる割合を減らした方がいいでしょう。

しかし生肉はその調理が手間だったり、日持ちもしないのに比べて、加工肉はそのまま食べることができるものもあり、日持ちもするので忙しい方にとっては非常に便利な食材です。

さらに生肉より安いことも人気の理由のひとつでしょう。
何より生肉とは別のおいしさがあります。

どうしてもやめられない、やめたくない方は、加工肉の危険性を理解しながらも上手く工夫しながら食事に取入れてみてはどうでしょうか。