食べ過ぎてはシニアの体に悪い!グルテンが含まれる食材と悪影響【食品】

最終更新日:2017年8月21日

最近メディアやスーパーでも目にするようになった「グルテン」や「グルテンフリー」という言葉をご存知ですか。
海外の某有名女優がグルテンフリーダイエットを実践しているとか、某スポーツ選手がグルテンフリーについての本を執筆、出版したとか。

その影響で、日本でもグルテンフリーの食品を扱うスーパーやグルテンフリーの専門店がどんどん増え、注目を集めています。
この「グルテン」とは一体どういったものなのでしょう。

どのような食材に含まれ、体にどういった影響を与えるのでしょうか。

1. グルテンとは

グルテンとは小麦、大麦、ライ麦などの穀物に多く含まれているタンパク質の一種です。
これらの穀物の中には様々なタンパク質が含まれているのですが、その大半を占めるのが「グリアジン」と「グルテニン」と呼ばれるタンパク質です。

例えばパンを焼く時、小麦粉に水を加えてこねます。
小麦粉に水を加えることで、グリアジンとグルテニンが結びつきグルテンというタンパク質が生成されます。

言い換えると、この2つのタンパク質が結びつかない限りグルテンは生成されません。
小麦粉自体がグルテンそのものなのではなく、グルテンというタンパク質は人工的に作られたものと言えるのです。

パンをふかふかに焼き上げたり、麺をもちもちに仕上げたりするのに欠かせないのがグルテンというわけです。

2. グルテンが含まれる食材

グルテンは小麦、大麦、ライ麦に含まれると先に述べましたが、グルテンは私たちが毎日口にする食材にほぼ含まれていると言っても過言ではありません。
パンやピザはもちろん、パスタ、うどん、ラーメンなどの麺類。

十割でない蕎麦にもつなぎとして小麦が使われています。
またケーキ、クッキー、ドーナツなどの菓子類。

たこ焼き、お好み焼き、肉まん、餃子。
それ以外にもカレーやシチューのルー、サラダドレッシング、醤油やビールにまで含まれているのです。

こうやって見てみると、日常的によく食べるものや好物として名が上がるものばかりですね。
元々この世に存在していなかったグルテン。

私たちは人間によって生成されたグルテンを無意識のうちに大量に摂取するようになったのです。

3. グルテンが原因となる疾患とその症状

ではこの人工的に作られたグルテンを摂取し続けると、体にはどういった影響が現れるのでしょうか。
グルテンが原因となる代表的な病気に「セリアック病」という疾患があります。

セリアック病は小腸の腸壁に損傷が起きる自己免疫疾患で、グルテンが原因で損傷を受けた小腸は栄養を吸収できなくなります。
この他、腹痛、ガス、下痢、便秘などの胃腸症状もセリアック病の代表的な症状の1つです。

またこのセリアック病に症状は似ているものの、セリアック病に見られる特殊な抗体が発見されないものは「グルテン過敏症」や「グルテン不耐症」と呼ばれます。

以下はグルテン不耐症の症状の一部です。

・腹部の膨満感
・下痢、便秘
・疲労感
・肌荒れ
・頭痛
・関節痛
・アトピーや花粉症などのアレルギー
・集中できない
・口内炎

症状に当てはまるものはありましたか。

4. もしかしてグルテンのせい? 対処方法

これらの症状を見てもらうと、日常的によく訴えられる不調であることに気がつかれた方もいらっしゃるでしょう。
便秘にしても肌荒れにしてもよほど酷くない限り病院に行くことはないですし、頭痛も市販の頭痛薬を飲んでやり過ごす方も多いでしょう。

これらの不調がセリアック病やグルテン不耐症のサインだと気がつかず、ストレス、日々の不摂生、年齢のせいにしている方も少なくありません。
日本ではまだ正確な患者数の報告はされていませんが、潜在的グルテン不耐症患者はかなり存在すると言われていてます。

残念ながらセリアック病やグルテン不耐症の治療法はありません。
毎日の食生活からグルテンを除去するしかないのが現状です。

パンや麺類などわかりやすいものだけではなく、食品表示に小麦が含まれるもの全てを除去します。
グルテン除去食とは、言い換えれば和食中心の食事にすれば良いということです。

基本和食には小麦を使わないメニューが多いです。
2週間グルテン除去食を実践し、体調が改善されればグルテンが体に悪さをしていたと言えますし、変化がなければ体の不調は別の原因なのかもしれません。

グルテンは人工的に作られたタンパク質

なんでも食べ過ぎは良くなく、節度を持ってバランス良く食べるのが良いと言われています。
しかし私たちが毎日食べているものを思い返してみると、毎食多少なりともグルテンを口にしているのではないでしょうか。

これではグルテンを摂取し過ぎと言っても過言ではありませんし、体に不調が起きてもおかしくはないでしょう。
特に私たち日本人は元々グルテンを多く含む欧米食を大昔から食べてきたわけではありません。

しかもグルテンは人工的に作られたタンパク質で、自然に存在していたタンパク質ではないのです。
これを機会に今一度食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

なんでも自然のもの、旬のものを食することが健康への一番の近道となるでしょう。