バナナというとカロリーが高いイメージがあり、コレステロール値が高い人にとっては何となく敬遠しがちな果物ですが、実はむしろ低カロリーな果物。
中サイズ一本で約86キロカロリーしかなく、一本で茶碗半分の白いご飯分に相当します。
これを角砂糖に相当すれば、バナナは4個分、茶碗一杯の白いご飯は11個分といったところです。
そして、バナナの成分を見てみると様々な効能がバランスよく入っていることが分かります。
バナナの成分とその効果
バナナにはタンパク質、ビタミンB、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、食物繊維、ポリフェノールといった成分が含まれています。
その中でもビタミンBの量は果物の中ではトップクラスの多さです。
ビタミンBは疲れをとり免疫力を高めてくれる栄養素であり、風邪気味や疲れやすい時にバナナを食べると効果的です。
カリウムには体内の余分な水分を排出する効果があるため、バナナを食べることでむくみが改善します。
マグネシウムはカルシウムの吸収を助ける働きをします。
カルシウムを含む食品とバナナを一緒に食べることでカルシウムの吸収が上がり、現代人に不足しがちなカルシウムを効率よくとることができます。
憂鬱な気分をやわらげ、睡眠を促す効果もある
ビタミンBや食物繊維が多いことから美白効果があるなど肌をキレイに保つことができるバナナですが、意外なことに鬱(うつ)を解消する効果があります。
心の風邪とも言われる鬱(うつ)になると、意味もなく毎日悲しくてつらい、なんだか憂鬱な日が続いているなどの症状がでてきます。
そんな時にバナナを毎日1~2本食べると、そのしぼんだ気分が改善されるのです。
バナナにはトリプトファンという物質が多く含まれており、このトリプトファンは精神安定作用や睡眠作用のあるセロトニンの原料となる物質であります。
セロトニンは幸せホルモンとも言われており、落ち込んだ気分を緩和する効果があります。
バナナを食べることでセロトニンが多く作られ、幸せな気持ちが強くなり、鬱を軽減することができます。
バナナを毎日食べ続けていると、ふと気づけば「今日は調子がよいみたい」と感じる日がくるかもしれません。
夜食べると効果が上がる
バナナに含まれる糖分によって血糖値が上がり、脂肪の蓄積を防ぎます。
また植物繊維が多いので翌朝の便通がよくなる効果もあります。
1日の食事のうち夕食のボリュームが多い日本の食生活では、夜にバナナを食べることでその効果が高まります。
特に夕食を食べる30分前にバナナを食べてコップ一杯の水を飲むことで食事で脂肪をとりすぎることを防ぎ、夜の睡眠を促し、寝ている間に体のむくみを解消してくれます。
これはしっかり食べて無理なく痩せる夜バナナダイエットとして若い女性に支持されている減量方法でもあります。
食べ過ぎを防ぐだけでなく、睡眠中にむくみを解消し、整腸作用があるバナナは夜に食べるとその効果が高まるのです。
1日の摂取量目安
バナナはもともと南国の果物です。
南国の果物は体を冷やす効能があるので夏の暑い時期には適していますが、寒い季節には体の不調を引き起こすこともあります。
食べ過ぎてしまうと負の効能の方が大きくなってしまうので、食べる量に気を付ける必要があります。
また、大きめのバナナ一本には約400mgのカリウムが含まれており、シュウ酸も多く含まれています。
カリウムは体内の余分な水分を排出してむくみを解消する大切な成分ですが、過剰摂取すると吐き気、手足のしびれ、体のだるさ、心臓の不整脈などの不調な症状があらわれてしまいます。
1日の成人カリウム摂取限度は1000mgから2000mgなので、バナナを食べるなら1日に2本までにしましょう。
バナナは冷蔵庫で保存するのがベスト
買ってきたバナナは部屋に置いておくとすぐに皮が黒くなって熟してしまいます。
毎日食べたいけれど保存方法に困るのが一般的です。
実はバナナを一本一本バラバラにして、ジップロックなど密閉袋に入れて冷蔵庫で保管すれば、熟すスピードを遅らせることができます。。
バナナはエチレンという植物ホルモンを出しています。
バナナを何本もくっつけたまま置いておくと周囲のバナナ同士でエチレンを出し合い追熟のスピードが速くなってしまいます。
しかし、ジップロックなどの密閉袋に一本ずつ入れて空気を抜いて保存すればバナナが直に黒くなってしまうようなことはありません。
逆にバナナを早く熟させたいならば、バナナを何本か一緒にビニール袋に入れておけば追熟が促進されます。
まとめ
甘くて腹持ちのよいバナナは高カロリーで避けたい果物と思われがちですが、実はとても体によい食品であることが分かりました。
食物繊維が豊富で、体のむくみを解消し、心の状態を安定させてくれるバナナを1日に1~2本とる生活を続けていけば、次第に体の不調が改善されてくるはずです。
それは急激にではなく、穏やかに、ある日「なんだか最近よい感じ」と感じる日がくるでしょう。