現代人の食生活で特に不足しがちな食材と言えば、野菜ですよね。
旬の野菜をバランスよく食べることが健康に欠かせない、とわかってはいてもなかなか難しいのが現状です。
そこで人気を集めているのが市販の野菜ジュースです。
パッケージに1日分の野菜、と大きく書いてあるものもありますね。
しかし、実は市販の野菜ジュースは体にいいどころか、体に悪影響を与えることも。
この記事では、その理由を分かりやすくご紹介します。
1.市販の野菜ジュースに含まれている野菜は加熱処理されている
家でミキサーやジューサーなどを使って野菜ジュースを作る際は、生の野菜とお水や牛乳などを入れて作りますよね。
市販の野菜ジュースも同じような手順で作っていると思っていませんか?実は全く違うんです。
野菜をすりつぶしたり、ミキサーで細かく撹拌した後に加熱処理をしています。
ドロドロのペースト状になるまで煮込んでから、水で薄めて野菜ジュースに加工しています。
これはもちろん、日持ちさせるため。
生の野菜をミキサーにかけただけでは、すぐに品質が落ちてしまうので、仕方ないことかもしれませんが、この加熱処理によって、多くの栄養素が失われてしまいます。
例えば、ビタミンB1やビタミンC、一部の酵素などは加熱した野菜から摂取することはできません。
また、野菜ジュースには食物繊維がたっぷり含まれていると思っている方も多いのですが、案外そうでもありません。
というのは、市販の野菜ジュースは加工段階で搾りかすを濾してしまうから。
でも、その搾りかすにこそ食物繊維がたっぷり含まれているのです。
2.塩分を多くとりすぎてしまう
市販の野菜ジュースは野菜と水だけでできているわけではありません。
飲みやすくするために塩で味付けされている場合が多く、健康に良いからとたくさん飲みすぎると塩分過多の食生活になってしまいます。
ご存知の通り、塩分の多い食生活は内臓に負担がかかり、高血圧の原因にもなりますので、できるだけ避けたいところですよね。
どうしても食欲がなくて野菜ジュースならのどを通る、という場合は無塩タイプの野菜ジュースも販売されています。
そのような野菜ジュースを選ぶようにしましょう。
3.野菜ジュースで糖質の取りすぎ?
野菜ジュースで摂取しすぎてしまうのは、塩分だけではありません。
糖質も、知らないうちに多くとってしまう場合があります。
「でも、野菜ジュースって甘い飲み物じゃないけど?」と思うかもしれませんね。
パッケージに記載されている原材料を見てみましょう。
多くの野菜ジュースには、野菜特有のえぐみや青臭さを感じにくくするために、フルーツ果汁を混ぜています。
ミカンやリンゴなどの果汁を配合するのが一般的で、100gあたり4~13gもの糖質を配合しています。
糖質の一日の摂取目安はだいたい100gくらいと言われています。
100g中13g糖質が含まれている野菜ジュースをコップ一杯(約200g)飲むと、それだけで一日の糖質摂取目安の1/4を摂取することになってしまいます。
最近は糖質が少なめの野菜ジュースも販売されています。
選ぶ際には「糖質オフ」と書いてあるものを選ぶと、過剰摂取を避けることができます。
また、ニンジンは野菜ですが、糖質を多く含んでいるので、ニンジンがメインの野菜ジュースは避けたほうが無難かもしれませんね。
4.野菜ジュースを飲んでいるから大丈夫、という誤解
大人の一日の野菜の摂取量は350gと言われています。
そう言われてもピンとこない場合は、両手のひらにこんもり一杯くらいの野菜をイメージしてみましょう。
もちろん、生野菜の状態で両手のひらに一杯なので、おひたしや煮物など加熱すればもう少し嵩を減らすことができます。
意外と多いと感じるでしょうか。
市販されている野菜ジュースには、「これ一本で、一日分の野菜が摂取できる」とか「この一本で20種類の野菜を摂取できる」などと、いかにも体に良さそうな宣伝文句が書かれている場合がありますね。
もちろん、書いてあることはウソではありません。
しかし、生野菜からしか摂取できない栄養素もありますし、野菜ジュースを飲むことによって過剰に塩分や糖質を摂取してしまうことを考えると、一般的なイメージほど健康的な飲物ではないかもしれません。
「野菜ジュースを毎日飲んでいるから大丈夫」と誤解してしまうと、普段の食事で野菜を積極的に取らなくなってしまします。
揚げ物や味の濃い食事などが続いても、野菜ジュースを飲めば大丈夫と思い込んでしまうことにもつながります。
野菜ジュースを大量の飲むのは控えよう
この記事では、意外にも体に悪影響を及ぼしてしまう危険のある市販の野菜ジュースについて解説しました。
もちろん、野菜ジュースによって取れる栄養素もありますし、何より手軽で続けやすいという利点もあります。
しかし、野菜ジュースだけで野菜の栄養を摂取できると考えるのは危険です。
より栄養が豊富で、塩分や糖質の含まない野菜ジュースを飲むのなら、手作りに勝るものはないのかもしれませんね。