可愛らしく安価なペットとして、ハムスターは今ではすっかりメジャーとなりました。
犬や猫とはまた異なる魅力を持ったハムスターの、飼う場合の特徴を、長所と短所に分けて見ていきましょう。
1.飼う為の費用が安い
ペットを買うのに必要な費用を考えた時、飼い始めの初期投資として必要なのは「ペットの購入費」および「環境を維持する設備費」に分けられます。
このうち、購入費については、当然ながら種類によって大きく異なりますが、概ね1,000~3,000円で購入できます。
犬や猫では万単位のお金がかかるのが普通ですから、こういう面でもハムスターの人気の理由がわかります。
では、設備代はどうでしょうか。
長く飼い続ける場合、初期投資はきちんとする必要があるので、それなり費用はかかります。
ですが、ケージや回し車などの遊具、巣箱やトイレなど、諸々の品を含めても1万円程で済ませる事ができます。
犬や猫、その他の大型動物のように、いきなり数十万という投資を迫られる事が無いのは、飼う際に大きなメリットと言えます。
2.飼い続ける為の費用も安価
無事に購入した後、飼い続けるのに要する費用はどうでしょう。
例えばエサ代に関しては、ハムスターはその身体の小ささから、食事代はかなり低めに見積もる事が可能です。
主食としては、最近では栄養価がきちんと計算されたフード食品が主流となっており、種類にもよりますが、ひと月辺り1,000~1,500円で賄えます。
もちろん、栄養や水分補給の為に、野菜なども与える必要がありますが、食事の際に出たキャベツの切れ端など、余り物でも十分な量ですので、その為だけに野菜を購入する必要はありません。
その他にも、トイレの砂など、ケージ内を清潔に保つ為に必要な消耗品はありますが、これにしても、ひと袋につき数百円で売っている事がほとんどです。
飼い続けていると、飼い主の側にも色々と変化が起きてくるものですが、この点でもハムスターは、飼う際の負担が非常に軽く、経済的な心配をしなくて済みます。
3.心を癒す愛らしさ
ペットを買う理由は人ぞれぞれですが、やはり最も多く聞かれるのは、「日々の生活に癒しを与えてくれる存在が必要」というものです。
特に、シニアの皆様がペットを飼いたいと考える場合、あまり風変わりな生き物を飼って、新鮮な発見や驚きをしたいというよりも、日々の生活を楽しくし、見ていて心が和む動物を期待されるのではないでしょうか。
この点で、ハムスターはうってつけです。
小柄で愛くるしい外見や、ちょっとした仕草に見える可愛らしさなどは、元々ハムスターがペットとして人気となった理由の一つでもあります。
最近では、同じハムスターと言っても、典型的な種であるゴールデンハムスターを始め、外見的にも多様な種が生まれています。
人懐っこい種から野性的な種まで、それぞれ個性がありますから、好みに合う種類を探すというのも楽しみの一つに加えて良いでしょう。
4.飼育がしやすい
飼育するのに、高等な技術を必要としないのもハムスターの特徴です。
食事に関しては上記のとおり、フードに野菜を組み合わせる形で問題ありませんし、運動にしても、専用の回転車を基本に、ストレス解消の為に時々外へ出してあげれば、条件としてはクリアできます。
むしろ、必要な条件としては、本当に基本的な部分、具体的にはエサやりや掃除をきちんと定期的にできるか、という点が大事です。
特に掃除は、ハムスターが物を溜め込む習慣を持っている分、放置すると病気の原因になります。
そうならないよう、お世話を日課として続ける事ができるようになれば、後は難しい知識を要する事が少ないというのが、ハムスターを飼う際のメリットです。
5.噛まれると痛い
ハムスターはそれ程荒々しい生き物ではありませんが、当然ながら身の危険を感じた時には激しく抵抗します。
そもそも、掌に乗る程の大きさしかないハムスターにとって、人間の巨大な身体はそれだけで緊張や恐怖を与えます。
それを和らげる為に、ハムスターと遊ぶ時にはそれなりの手順が必要なのですが、それを怠ると、噛み付く等の攻撃的行動に出ます。
食べ物やケージをかじっている姿を見ればわかるとおり、ハムスターの歯はとても固く鋭いので、指先などを噛まれるとかなりの痛みはもちろん、出血する事も珍しくありません。
この点で言えば、例えば先に挙げたトカゲ等の方が、比較的安全でしょう。
とは言え、自分より大きな生き物に対して、常に反撃できるよう準備しておくのは、動物ならば当然の事で、決して彼らが悪いわけではありません。
飼い主としては、あくまで動物がリラックスできるよう、注意を払って飼うようにしましょう。
6.脱走すると見つけるのが大変
ハムスターを飼う際に最も注意すべき点が「脱走の防止」です。
硬いケージに入っていれば大丈夫と思いたいところですが、上記のようにハムスターの歯はかなり固く、安物のケージなどを使っていると、時間の経過と共に曲がって、スペースができてしまい、そこを抜け出す例もあります。
一度脱走してしまうと、ハムスターはその素早さと身体の小ささから、見つける事がかなり困難です。
百歩譲って、そのまま無事に生きていてくれれば良いのですが、野良犬や野良猫、そしてカラスなどに狙われたり、あるいは悪い食べ物を口にしてしまったりする事で、生命に対しての危険が大きく高まります。
小さなケージの中で飼う以上、脱走への欲求を完全に無くす事は難しいのですが、可能な限り大きなケージを用意する、適度に外に出してガス抜きをするなどして、知らない間に抜け出しているという事のないようにしましょう。
7.寿命が短い
生き物である以上、別れの時は必ずやってきますし、ほとんどの動物は人間よりも早く寿命がきてしまいます。
その中でも、小型動物であるハムスターの寿命は短く、平均で2~3年、特別に長生きした例でも5年程が限界となります。
故に、犬や猫の様に、何年も傍に居て欲しいという事を望む場合は、残念ながらハムスターは向かない生き物です。
もちろん、子供を産んでいれば、その子をまた育てるという選択肢もあります。
ただ、ネズミの仲間であるハムスターは多産の傾向が強い為、つがいで飼おうとすると、費用やスペースの面で、新たな問題が起きる事は考慮しておかなければなりません。
シニア世代がハムスターを買うメリット・デメリットを知ろう
ハムスターは、場所を取らず費用がかからず、何よりも愛くるしいという特徴を持つ一方、小型動物ゆえの素早さや、ある種のデリケートさも持っている生き物です。
飼いたいと思う場合には、それらを自分のライフスタイルと照らし合わせ、お互いが快適に過ごせるかどうかをチェックしてみましょう。